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オーストラリア国歌「Advance Australia Fair」の歌詞がおもしろい

2月に現地校の新学期が始まりホッとしたのも束の間、4月頭から2週間強の秋休みでした。オーストラリアは4学期制で休みが多くて、子どもは喜んでいますが、親は大変です…

以前、子どもの学校の朝礼を見学に行ったとき、オーストラリア国歌が動画で流されていました。歌詞字幕つきだったので読んでみると、お国柄をよく表していておもしろかったです。

誰の役に立つのかな?という話ではあるけれど、よかったらYoutubeで実際に聞きながら、読んでもらえたらうれしいです。


(原文)
Australians all let us rejoice,
For we are one and free;
We’ve golden soil and wealth for toil;
Our home is girt by sea;
Our land abounds in nature’s gifts
Of beauty rich and rare;
In history’s page, let every stage
Advance Australia Fair.
In joyful strains then let us sing,
Advance Australia Fair.

Beneath our radiant Southern Cross
We’ll toil with hearts and hands;
To make this Commonwealth of ours
Renowned of all the lands;
For those who’ve come across the seas
We’ve boundless plains to share;
With courage let us all combine
To Advance Australia Fair.
In joyful strains then let us sing,
Advance Australia Fair.

Australian Goverment
Department of the Prime Minister and Cabinet HPより

(和訳)
全てのオーストラリア人よ 喜ぼう
我らは 一つで自由
労苦に代わる黄金の土地と 富を持つ
我らが故郷は 海に囲まれ
大地は自然の恵みに 溢れんばかり
豊かで稀有な 美しき自然
歴史のページの あらゆる舞台に
美しのオーストラリアよ 進め!
楽しい調べで さあ 歌おう
「進め 美しのオーストラリア!(アドヴァンス・オーストラリア・フェア!)」

眩いばかりの 南十字星のもと
我ら 全身全霊を捧げ 働く
我らが連邦国家をば 取り分け
名だたる国と するために
我ら 海を渡ってきた人々と
限りない平原を 分かち持つ
勇気を持って 団結しよう
美しのオーストラリアへ進むため
美しい調べで さあ 歌おう
「進め 美しのオーストラリア!(アドヴァンス・オーストラリア・フェア!)」

Wikipediaより

まず、英語が平易でわかりやすくて、ちょっと古風なを感じのする日本の国歌とはだいぶ趣きが違います。

自然と資源の豊かさ

We’ve golden soil and wealth for toil;
Our home is girt by sea;
Our land abounds in nature’s gifts
Of beauty rich and rare;

「労苦に代わる黄金の土地と 富を持つ
我らが故郷は 海に囲まれ
大地は自然の恵みに 溢れんばかり
豊かで稀有な 美しき自然」

住み始めて半年強、本当にオーストラリアは自然と資源に恵まれた国だなと思います。
日本は日本で、山がたくさんあり緑豊かで、海に囲まれ、とても自然豊かだけれど、違いを感じるのは、オーストラリアはとにかく土地が広大で、人口が少ないので、日本よりも自然が自然のままに残っているところです。(それでも、欧州人が来る以前に比べると、かなり自然破壊が進んでしまったようですが)

そして、オーストラリアは鉱業やエネルギー産業も盛んで、私が住んでいるエリアの駐在員は、この業界の人がとても多いです。シドニーまで飛行機で4時間半もかかるような地方の人口200万都市なのに、とても豊かそうに見える(物価もめちゃくちゃ高い)のは、資源あってこそなのかな?と思います。

"toil (労苦)"

We’ve golden soil and wealth for toil
労苦に代わる黄金の土地と 富を持つ

We’ll toil with hearts and hands
我ら 全身全霊を捧げ 働く

一方で、toil (労苦)という歌詞が2回も出てくるのも特徴的です。

この歌のオリジナルは1878年に作られ、ちょうどゴールドラッシュの頃だった影響もあるのかもしれません。広大ではあるけれど、乾燥してやせた大地は、汗水流して働いてはじめて人間に恩恵をもたらしてくれるということなのでしょう。

移民の積極受入れ

For those who’ve come across the seas
We’ve boundless plains to share;
我ら 海を渡ってきた人々と
限りない平原を 分かち持つ

このくだりもお国柄をよく表しています。
現在のオーストラリアは欧州からの移民が中心になって作られた国だし、今も積極的に移民を受け入れています。

そりゃ、これだけ広大な土地があったら、移民受入れにも積極的になれるよなぁ、と思います。そして、この広大な土地は労苦なくしては人に豊かさをもたらしてはくれない。だから移民を受け入れて、労働力を確保する必要性があるのですね。

ちなみに、オーストラリアの人口密度は3人/平方km、日本は346人/平方km。日本でも、少子化人手不足から移民受入れるべきという話もありますが、国土の狭い日本で移民を受け入れる余力があるのか…?なんてことにも思いが至ります。もちろん、移民は土地の広さだけの問題ではないけれど。

歌詞の変更

2021年に2行目の歌詞が一部変更されています。

For we young one and free → For we are one and free;
我らは若くて自由 → 我らは 一つで自由

”young”がエイジズムを助長するからかな?と思ったら、そうではなく、先住民族であるアボリジナルの人々の歴史も含めると、オーストラリアは長い歴史ある土地だから、”young”というのは正しくない、ということだそうです。

今まで、あまり他国の国歌の歌詞をじっくり読んだことはなかったけれど、いろんな意味でその国らしさが現れていて面白いですね。

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記事とは全く関係ありませんが、私はオーストラリアで子育てしつつ、オンラインでライフコーチとして活動しています。

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