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つながる夜に

東京を歩いていると、実にたくさんの人とすれ違う。電車ですぐ隣に立っている人、改札ですれ違う人、カフェで背中合わせに座る人。一瞬は目に留まっても、なにか強い印象が残らない限り、その情報はすぐに消え去ってしまう。きっとまたどこかで出会っても、お互いに気づかないだろう。

わたしが子どもの頃、世界の人口は60億人ぐらいだったはずなのに、今では80億人を超えている。日本の人口は約1.2億人で、東京都の人口は1400万人ほど。

これだけたくさんの人がいる中で、人と出会って知り合うこと。その人を好きになること。その人も同じように好きになってくれること。会いたいという想いが続き、同じく相手も会いたいと想ってくれること。そして、その機会が叶うこと。

どれかひとつが欠けても、その時間は実現しなかったのかと思うと、人と人との出会いやつながりは奇跡の積み重ねなんだなと、あらためて感じた夜。

この日は、憧れの女性との再会だった。安保奈緒美さんは、コーチとして企業や経営者の方のサポートしながら、プライベートではミセスコンテストに挑戦するなど、知性と美を追求する本当に素敵な女性。常に新しいことにチャレンジし、自己を磨き未来を切り開いていく姿に、いつも刺激をもらっている。

奈緒美さんに会うのは、今回で3度目。実は昨年末も約束していたのが、申し訳ないことにわたしの体調不良で直前にキャンセルになってしまった。そんなことがあったから、今回の再会は格別に感じた。

「大好きな人がいて、たとえもう会えなくても、その人が笑顔で幸せに過ごしてくれていれば、それでいい。だからこの1年、なつこさんに会えなくても、なつこさんが幸せならわたしはうれしかった」

食事のあと2人で丸の内を散歩しながら、そんな話をしてくれて、わたしは胸がいっぱいになってしまった。

「愛」「受容」「優しさ」「強さ」「しなやかさ」・・・それは表面的に取り繕えるようなものではいし、言葉でいうほど簡単なことでもない。包み込むような心地よい優しさをくれる人ほど、きっと痛みや悲しみもたくさん乗り越えていて、そんな人の言葉には深く心に響く芯の強さがある。

人って本当に欲張りで自分勝手で、最初はとても素敵な人と出会えたことだけでうれしかったはずなのに、もっとたくさん知りたいとか、知ってほしいとか、自分の思い通りにならないと、悲しくなったり怒ったり。

でも本当に愛していれば、大切に想っていれば、相手の幸せを一番に願えるはずで、そういう意味でもやっぱり愛って、自分の内側からただひたひたと溢れ出るもの。

奈緒美さんはそんなことを直接的には言わなかったけれど、その夜一緒に過ごした時間の中で、わたしは奈緒美さんの愛を身をもって感じられた。

この広い世界で、あなたもわたしも80億人のうちのたった1人なのだとしたら。こうして出会い、目に見えない心のつながりが生まれ、想いが続く。誰かと一緒に過ごせる時間は、それだけで本当にありがたい奇跡。

土曜の夜の丸の内は、驚くほど人が少なくて、わたしたちはいろんな話をしながら、ゆっくりと流れる時間を噛み締めていた。静かで優しくて、穏やかな夜。キラキラと照らす灯りと、あたたかな微笑み。この夜に感じた気持ちを、きっとこれからも忘れない。

大好きな奈緒美さん、素敵な夜をありがとうございました♡


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