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北興化学工業は政策保有株を売却する?

最近は政策保有株の縮減が続いています。

政策保有株式というのは、
値上がり目的で保有している株式のことではなく、
取引先等の関係維持や、
お互いが他社からの買収を防ぐ目的で保有している株式のことです。

そして最近話題になったのは、
豊田と豊田自動織機、アイシンがデンソー株を
売却を発表したことかと思います。

これにより、政策保有株の見直しにより、
資本効率向上につながるとの思惑が広がり、
翌日はトヨタ、豊田自動織機、アイシン共に
株価が上昇する結果となりました。

またさらにトヨタは、その後、
ハーモニック・ドライブ・システムズの株式を
全株売却することも発表しました。

このように、各企業による政策保有株の売却が
進んでいます。

その背景は、TOPIXの採用基準の見直しで、
政策保有株を保有している割合が多い企業は、
TOPIXに採用されない可能性があるからです。

具体的には、TOPIXの採用基準は、
流通株式時価総額が100億以上必要なわけですが、
これは、大株主の保有している株式や、
政策保有株を除いた額となっており、
政策保有株を大量に保有していると、
TOPIXに採用されない可能性が出てきてしまいます。

なぜ政策保有株を持っているのは良くないのかと言うと、
政策保有株式比率が高いと、
起業は収益性が低く、議決権の機能低下等の恐れがあり、
前々から批判されてきたことです。

さて、では、TOYOTAのように、
政策保有株を売却していけば、
売却した側の企業は、資金効率が良くなり、
これが新たな事業展開への投資資金になったり、
あるいはさらなる株主還元に繋がるかもしれないという思惑が広がり、
その株価が上昇しやすくなりいます。

そしてそれを前もって予想して、
予めその株式を保有しておこうということで、
政策保有株式を大量に持っている企業や、
あるいはそろそろ売却の発表をしそうだという企業の
株式を前もって買っておこうという動きがあります。

最近の一つの例として、
現在レーザーテックが大きく上昇していますが、
そのレーザーテックの株を大量に持っていた、
アバールデータが、売却を発表したことで、
アバールデータ株が急上昇したということがありました。

レーザーテックは相当大きく上昇してきましたので、
アバールデータは多くの含み益が発生し、
約51億もの特別利益を計上することになりました。

では、この例と同じようなパターンは無いかということで、
現在北興化学工業がにわかに話題です。

北興化学工業は野村マイクロサイエンスの株を約10%保有しています。

野村マイクロサイエンスもレーザーテックと同様に、
ここ最近大きく上昇していますので、
次は北興化学工業が野村マイクロサイエンスを売るのではないかと
注目されています。

さて、では、本当に北興化学工業は、
野村マイクロサイエンスを売るのか?
このことについて書いてみたいと思います。


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