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日経平均大幅上昇!この流れは続く?

先週は、大きく日経平均株価が上昇しました。

ただ、実際の自分の保有株は、あまり利益増えていない
という方も多いのではないでしょうか。

今回は、なぜ日経平均株価が
このタイミングで大きく上昇したのか、
そして今後もこの流れは続くのかについて書きます。





SQとは

まず先週はSQ日でした。

SQとは、Special Quotationの略で、
先物取引やオプション取引等で、
決済期日前に決済する為の特別清算指数のことになります。

先物取引やオプション取引は、清算期日が決まっており、
その満期日までに反対売買しないと、
強制的に決済が行われてしまいます。

その時の決済価格が、SQ値となります。

そしてそのSQ日も決まっており、
日本の場合は、各限月、第2金曜日となっています。

さらにメジャーSQと言われている日が
年に4回あり、3、6、9、12月の第2金曜日です。

メジャーSQ以外のSQは、
マイナーSQとも呼ばれたりしています。

そして、オプション取引は毎月SQ日がありますが、
先物取引は、メジャーSQ日のみとなります。

ですので、基本的にメジャーSQ日は、
オプションと先物取引の両方が、
決済期日を迎えるので、
それだけ大きな売買になることが多いです。

さてその上で先週の金曜日は、
第2金曜日だったということで、
マイナーSQでした。

ですので、今回は1月限のオプション取引のSQだったわけです。

今回はなぜ高いSQ値になったのか

そして先週のSQ値は、3万6025円となり、
日経平均株価としては、その価格まで上昇していないのに、
その値を付けた、いわゆる「幻のSQ」となりました。

SQ値がここまで上がったのは、
プットがたくさん買われていたからです。

プットを買うということは、
株価が下落すると思っているということです。

そして、株価が上がってしまったので、
損失が出てしまいます。

しかし一方で、コールオプションを買った人は、
SQ値が上昇することで、
大きな利益を得ることが可能となります。

ではSQ値を上げるにはどうしたらいいかというと、
日経平均採用銘柄に対して
たくさんの買いが入ればいいということになります。

今回「幻のSQ」となった理由は、
日経平均株価の始値とSQの計算方法が違うからです。

日経平均株価の始値は、9月15秒の時点での
日経平均の構成銘柄の始値を使って算出されますが、
この時に、寄り付いていない銘柄も当然あります。
その場合は、9時15秒時点の気配値を使って算出します。

一方SQ値は、指数構成銘柄の始値を使って算出するので、
寄り付いていない銘柄がある場合は、
寄り付くまで待ってから算出します。

ただ、発表はその日の大引け後に発表されます。

この計算方法の違いによって、
場合のよっては、日経平均株価とSQ値で
大きく乖離が生まれることがあります。

ちなみの1月12日(金)の日経平均始値とSQ値の乖離は
424円となりました。

2023年の12回のSQ日での乖離の平均は、
57円ですので、今回は大きな乖離ということが分かります。

ヘッジファンドの思惑

では、大口のヘッジファンドは、このような状況下の中で
何を考えるかというと、
まずちょうど前日にファーストリテイリングの決算発表がありました。

ファーストリテイリングは日経平均株価に対して
寄与度の高い銘柄です。

そして決算の内容は、
一言で表すと、大幅な増収増益でした。

この決算内容から、決算プレー等をしている投資家、トレーダーも含めて、
買いを入れてくることが予想できます。

ファーストリテイリングは日経平均株価に対して
寄与度の高い銘柄なので、
ファーストリテイリングが上昇すると、
日経平均株価も上昇しやすくなります。

そこで大口のヘッジファンドは、
ファーストリテイリング等の寄与度の高い銘柄に大量に買注文を入れて、
日経平均株価を無理矢理押し上げます。

先ほど見たように、SQ値は採用銘柄の始値で決まるわけですから、
とにかく始値を高くしておけば、
後は利益確定売りで下がろうが、特に問題はありません。

コールオプションで大儲けできれば、
日経平均を押し上げる為に、大量に購入した銘柄が、
寄り付き天井になって、その後下がっても、
すぐに損切りをしてしまえば、
トータルでも大儲けできることになります。

実際に1月12日(金)に、日経平均に寄与度の高い銘柄を見てみましょう。


まずはファーストリテイリングです。


次にソフトバンクグループです。


次に東京エレクトロン。

次は京セラ。


TOYOTA。

最後にファナック


どの銘柄も寄り付き天井で、
とにかく始値が高く、その後は下がってしまっていますね。

では寄与度がさほど高くない銘柄はどうなっていたでしょうか。

レーザーテック。

川崎汽船


最近大きく上昇していたものを見てみましたが、
始値はさほど上がっていませんでした。

これが、大きく日経平均株価が上がっていたのに、
自分が保有している銘柄は
さほど恩恵が無かった要因です。

ヘッジファンドの戦略

要は、これらを見ても分かる通り、
大口のヘッジファンドが、先にコールオプションを買って、
そしてファーストリテイリングの好決算もあって、
寄与度の高い銘柄に大量に買いを入れて、
とにかく始値を高くして、
SQ値を高く吊り上げたということになります。

そして、大量に買い入れた、寄与度の高い銘柄は、
既に用済みですので、
すぐに売ってしまったので、
寄り付き天井になったというわけです。

週明け以降の相場の予想

ですので、SQが終わったことで、
大口のヘッジファンドは既に寄与度の高い銘柄は
抜けてしまっているので、
週明けは、一旦は利益確定売り等が入り、
さすがに年明けから続いたような勢いのある上昇は
見られないのではないかと考えています。

中長期の株価見通し

ただ一方で日本は現在、
政府による新NISAと東証の改革という、
いわば株価上昇圧力が揃っている状態ですので、
中長期で見れば、上昇していくと考えています。

円に関しての行方

また円に関してですが、
ここ最近また円安になってきていますが、
これもしばらくは続くと考えています。
この円安圧力も、今後の日本株の下支えになっていくでしょう。

先日9日に
eMAXIS Slim全世界株式の流入額が1013億円と発表がありました。

eMAXIS Slim全世界株式が今のところ一番人気の投資信託ですが、
やはり新NISA等で、米国株が大きく買われていることが
改めて分かった数字となりました。

もちろん米国株を扱った投資信託は他にもあり、
また米国株を個別で買うという動きもあるでしょうから、
おおよそ年間で3~4兆円程は米国株に入っていくことも考えられます。

ということは、3~4兆円程の円売りとなるので、
結構大きな動きになることが分かります。

さらに、日本でCPIの伸び率が下がってきており、
1月12日に「日銀が2024年の物価見通しを下方修正する」
というような報道も出てきました。

そうなると、日銀の政策修正はさらに先送りとなり、
また物価見通しが下がるなら、
企業としても、賃上げを急いで行う必要が無いということにも
繋がっていき、
そうすると、政府日銀が考えている
賃上げの流れが止まってしまうことになり、
金融緩和継続という流れが続くことにもなりそうです。

そうなるとそれがさらに円安の圧力になることで、
日本株はこれによる買いも入りそうです。

ということで、今回は12日のSQに向けて、
なぜこのタイミングで日経平均株価が大きく上昇したのか、
また今後の株価の行方について書きました。

また今後も同じようなことが起きるかもしれないので、
少なくともSQの日程は、日米ともに把握はしておいた方が良さそうです。

日米のSQの日程

最後に今年の日米のSQをまとめてみました。

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