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遺書No.663 システムの隙間。

※この記事は2004年7月6日から2009年7月5までの5年間毎日記録していた「遺書」の1ページを抜粋して転載したものです。

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2006.4.30
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疲労困憊。
それなりの高収入だった仕事を辞めて、
1つの夢を抱いて独立起業したものの、
異彩を放つ友人の能力に甘えて、
自分の他力本願な部分へのコンプレックスや、
気を抜けば事業の継続が危ぶまれる恐怖、
生活が立ち行かなくなる恐怖が常に傍にいて、
週末のハードワークで肉体的にも疲労が溜まる。
今、俺は確実に不健康だ。


こんばんわ、みーくんです。


さて、電車の改札が自動改札になって久しい。
若い世代に至っては、
もはや人が改札していたという事実すら、
知らない人も多いだろう。

自動改札にするのは、切符から、
プリペイドカードの仕組みからなにから、
かなりお金のかかる事業だ。

しかし、それでも事業費や開発費より、
長期では人を減らす方が安いと判断した訳で、
日本の人件費というのは大変なものだし英断だ。

しかし改札に人が居なくなった事で、
キセルもまた増えたんじゃないか?

もちろんキセル乗車なんてもんは、
普通に生活してたらそう見かけるもんじゃない。

それでも今までに最低5回は、
キセルの現場を目撃した事がある。

その5回目は今日だ。


切符を入れなければゲートが閉まるが、
それも素早く通り抜ければ通れない事もない。
ゲートが閉まって困るのは、
キセルの後ろに居る人である。

それが今日は俺だった訳だけど・・・(‘A`)


俺はすぐ後ろにいたので、
前の人がはらに前の人に張り付くようにして、
切符もスイカも出さずに通り抜けた事を、
この目で目撃している。

しかし後ろの人は、
そんな事など知る由もないので、

「オマエのスイカ料金不足じゃねえの?
ウゼぇ(-益-メ) 」

「しょうがねえなぁ早くしろよ!
オラオラ(-益-メ) 」

という視線が後頭部に突き刺さる。

オレじゃねぇんだよ・・・(;´д`)

だが、俺も振り向き様にキレてみせる程、
そこまでの子供じゃぁない。

いや、身の回りの出来事に烈火の如く怒り猛り、
その雄叫びをmixiや遺書に刻み込む勢いで書き殴ってるのは一種のパフォーマンスであって実際には老紳士のような穏やかな心持ちである事を書き添えて置きたい。

そんな訳ですが、とはいえね?
じっとそれに耐えなければならないのが、
やっぱり腹立たしい限りだ・・・('A`)

てゆかね、ハッカーの歴史は、
電話のタダがけから始まったらしいが、
おそらくそれは、
システムの隙間を探すのが面白いだけで、
当時は罪悪感などは少なかったと思われる。

かのスティーブ・ジョブスも、
ブルーボックスと呼ばれる電話のタダがけ装置を売って資金を稼いだのだ。

そして自動改札のキセルも、
やった本人は罪悪感など感じていないのだろう。


ロボット三原則を現代に当てはめるまでもなく、
機械やシステムは人の行為を叱責しない。
人を叱責したり罰したりするのは、
人間でなければならないというのが、
社会のルールだからだ。


・・・小悪を黙認しても、
経済的なメリットが大きければ、
それで回ってしまう。

それが今の社会なのだなぁと思う。

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2022.4.19
毎日遺書を書き始めた当時663日目の投稿内容。
誰かに雇われて仕事もあって効率よく処理してればある程度の給与がある程度の確率で保証されてる身分の安心感を知ったのはこの頃だっただろうか。
決してサラリーマンに戻りたかった訳ではないけど今こうしてるのは必然だったのかも知れないな。


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。