ゼロから始める組織の整理整頓
私はタイでマネージャーをやってました。
と言っても公式ではマネージャーではないです。
会社上の役職だと一般でした。
ただ、ありがたいことに周囲の人は最終的にマネージャーと呼んでくれていました。
というわけで、実質的には退職時はマネージャー風平社員となっていました。
なぜこんなことになったかというと流れで組織を整理整頓したからです。
先日、ありがたいことにこのツイートが思った以上に伸びました。
このツイートは組織を整理してく過程でメンバーにリーダーのポジションを説明した内容を箇条書きにしたものです。
これが伸びたということはこれを見た人がそれぞれ組織に対する思いを何かを抱えているのかな。と思ったので、その思いをより巡らせる足しになればいいな、と考え私の経験を書くことにしました。
組織整理のきっかけ
組織の整理整頓
-各メンバーの仕事の把握
-Job description (職務記述書)の整理
-ツール、スキルの説明資料作成
-私なりの組織の概念の説明
組織整理整頓する過程で行ったこと
-権限の譲渡
-共用で使えるデーターベース的な場所の作成
-LINEの活用
-組織整理後の維持活動
組織整理からの学び
-失敗はただの過程
-思想の違いは仕方ない
組織整理のきっかけ
私はタイに2012年から2017年までエンジニアとして赴任していました。
エンジニアとしてのミッションは日本で開発されている製品の試作品を作ったり、それを量産立ち上げさせることでした。
部署としては前任者が初代赴任者にで量産立ち上げを通してゼロから工程を作り上げており、私はそれを引き継ぐ形、2代目の赴任者でした。
ということで、私が赴任したタイミングでは仕事が属人的でした。
立ち上げ時からいた経験豊富なメンバーが中心で職種をまたいで仕事をしていました。
そして前任者が統率してそれぞれのメンバーが向かう方向を指示していました。
そんな組織だったので、前任者が帰った途端問題だらけです。
前任者のような経験も製造の知識も乏しかった私では統率がとれず、問題が表面化したところに経験者を当てがうようなことの繰り返しで火消が追い付かずぐちゃぐちゃ。
そんなとこでは誰だって働きたくないので経験者が辞めはじめ負のスパイラルへ…
結局前任者にすぐ戻ってきてもらい1か月ほど滞在してもらって助けてもらいました。
なのでこんな属人的な状況じゃ誰も幸福になれない→組織を整理しなきゃいかんという考えに至りました。
また、日本で働いていたときもプレイングマネージャーが多く、自分の業務を処理するのが優先になっておりメンバーの状況も問題も把握できていない上司が多くモヤモヤしていたので、だったらここで自分の好きなようにやったろと決断しました。
さらに、私自身はもともと製造のプロでもないことから絶対的な知識と決定力をもってリーダーシップは取れないので、だったら自分は方向性を常に考えて、まわりのメンバーには職務にそって最大限の成果を出してもらうようにしようと決めました。
(そのほうが自分も楽できるはず。ってのも強く意識してましたw)
組織の整理整頓
各メンバーの仕事の把握
まずは各メンバーの仕事の把握から始めました。
前述のとおり、経験者たちが属人的に職務を関係なくやっていたので、まずはそれも含めて誰が何をやっているのかを列記して見える化しました。
その後それを本来ならば職種的にどこなのかをカテゴリー分けしました。
そこからそれをフロー形式で図にして各仕事と職務を紐つけていきました。
(これをプロセス体系図っていうらしいです。)
この時にそれぞれの業務のインプットとアウトプットを整理しています。
また、インプットをアウトプットにする際にどんなツールでどんなスキルを使うのかもこのタイミングで把握することに努めました。
といってもこの体系図を作るのは途中でめんどくさくなったので実際は途中から頭の中で整理しながら、ところどころ理解深めたりメンバーと認識合わせるために手書きで…みたいな感じでさぼってます。
すでに崩壊しかけてる組織の整理だからスピード重視!!ってことでw
Job description (職務記述書)の整理
各職の把握ができてきたらそれを職ごとの仕事内容、目的などを文章化しました。
当時そのタイミングで明確にしたのはこれくらいです
目的
役割
仕事内容
必要なツール
必要なスキル
ツール、スキルの説明資料作成
メンバーと話していてわかったのですが、必要なツールやスキルの習得方法がOJTになっていてばらつきが大きいことがわかりました。
なので自分自身の勉強もかねて各ツールやスキルの説明資料をつくりました。
例としては製造で使う各ドキュメントの名称、目的や図面の基本と読み方、客先が来た時の会議室の準備方法などです。
私なりの組織の概念の説明
個人面談を通してメンバーへ自分なりの組織の概念を説明しました。
ここが個人面談になった理由は組織を見直すタイミングで、適材適所を考える上で人を他所へ動かす決断もしなければならなかったためです。
そのことの説明も含め組織の役割と自分の役割、メンバーの役割を説明しました。
組織は木をイメージして説明しました。
土が経営陣や注文
木の幹がマネージャー
枝が自分と直接つながっているメンバー
葉が作業員など
マネージャーが幹として土から養分(経営方針や注文数)を吸い上げて枝へ方針として展開、その方針を元にさらに小さな方針(目標など)にしてさらに先の枝葉へ展開。
最終的に成った木の実が成果。
的な感じで説明しました。
また、組織が縦割りにならないよう、なんちゃってプロセス体系図などで横の部門のアウトプットが無いと自分たちのインプットが無いから何にもできない。
だからみんなでフォローアップしあうことが必要!
みたいなことも説明しました。
ちなみに自分の役割については上に貼ったツイートのことを説明しました。
本当に「だから私は早く帰ることが大切だ!!」って言いきってますw
メンバーには「私は間違えることが多いからどんどんためらわず突っ込んで」「常に相談しあおう」みたいなこと言った記憶があります。
あとは「自分たちもいち職種のマネージャーみたいなもんだから自分のメンバーには助けられてること意識するといいよ」と説明しました。
組織整理整頓する過程で行ったこと
権限の譲渡
これまで何でもかんでも確認&承認していた内容を各自でクローズさせていいように変えました。
システム上そこだけでクローズできない文章は自分を承認者にして、徐々に話聞くだけで目くらサインをするようにしていきました。
裁量を持たせて自由にやってもらうとともに、責任感ももってもらうためです。
共用で使えるデーターベース的な場所の作成
それまでせっかく各種のデータを作っても、それが個人PCに保存されてたり、みんなが適当に作った共用フォルダーに入っていたりして本人しかそれが何でどこにあるのかわからない状態でした。
なのでそれを共用DBみたいなとこに入れてもらって発信してもらうようにすることで整理するようにしました。
そしてそこの管理権限もメンバーに譲渡することで自分たちで使い方まで考えて使ってもらうようにしました
また、そこは他の拠点からもアクセスできるようにして、日本などから来る問い合わせ業務をなくすことにも利用しました。
LINEの活用
連絡手段はメールからLINEにしました。
既に小グループ単位では使っていたのですが、組織での連絡手段として公に使うことにしました。
工場内動き回ってるチームでの効率的な情報のシェアとアクションを考えた結果でした。
組織整理後の維持活動
これでボトムアップのベースができたあとは、私自身は毎日大問題が起きない限り関連部門やサプライヤーなどを回っていろんな人たちと話て情報収集に努めてました。
そこで有用な情報があったらメンバーに展開したり引き連れて勉強しにいってもらいました。
問題が起きそうな雰囲気があったときはメンバーに先手打たせたり、これまた連れてって担当者間で話させることで大問題になる前に処理したりしてました。
また適当なタイミングで個人面談を設定して「最近どうよ?」的な雰囲気でざっくばらんに話聞いて方針について共有、調整したり、やりたいこと確認してました。
組織整理からの学び
失敗はただの過程
組織の整理整頓(ついでに維持)は上述のようなことを行いました。
これは一つ一つきれいにまとめてから「こうするべきだ」ということで行ったわけでないです。
最初からやるための内容の順序立ててから始めたわけでもないです。
実際には同時進行で組織崩壊しかけてた中でやりながら失敗と喧嘩と謝罪と反省を繰り返す中でまとめるとこんな感じになった。というのが事実です。
なのでここから得たことは「それが問題だ、嫌だ!と思ったらまずは自分から動いてみる」です。
動いてみれば何か変わります。
失敗はただの過程です。
思想の違いは仕方ない
この整理整頓は一部の経営陣からはすこぶる評判が悪かったです。
理由は「組織の雰囲気が勤務時間内も楽しそうで遊んでそう」「他の部署が忙しいのに早く帰ってるのは失礼」とのことでしたがこれは相性なのでしょうがないのかなぁと思って諦めました。
そのタイミングではメンバーがそれぞれ成果出してくれて数字的にもよかったのですが、曰く成果は関係ないとのことでした。
なので、自分のやり方のコピーをタイ人の中にも作れたタイミングで転職しました。
転職時に、成果出しても年功序列だから上が抜けないと役職はつかないこと、役職付けるなら遅くまで残ってる(頑張ってる)メンバーからにしたいこともわかったので辞めて良かったなと思ってます。
ということでこれが私流の組織の整理整頓で、多くの方に見て頂いたツイートに至ったきっかけです。
これでまた組織に対していろいろな考えを巡らせる1つの材料になってくれたら嬉しいなぁなんて思いつつ締めたいと思います。
ありがとうございます。
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