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花を通して人と関わり、旅をする。

大学時代、就職活動が思い通りに行かず自暴自棄になっていた。そんな私を家から連れ出してくれた友人Kには感謝してもしきれない。日が照りつける8月の昼間、二人で永遠に続くかと思われた広大な田園を自転車で駆け抜けた。その時、自分がいかに社会に対して無知であるか思い知らされた。私達が日々の生活の中で関わる職業はほとんどが第三次産業と呼ばれる。サービス業や金融、ITなどが当てはまるだろう。そのため、少なくとも私は、仕事のほとんどを第三次産業から選ぼうとしてしまっていた。しかし、目の前の田園を見たとき、当たり前だけど分からなかったことに気づく。人間社会の始まりは一次産業から。農業、林業、水産業…。

「社会を知りたい、人間を知りたい。」

私の原動力の正体は、この好奇心だと思う。以降、東北を中心に農家を訪ねたり漁師さんを訪ねたりする日々が始まった。大学卒業後、宮城県石巻市で水産業に携わったりもした。

一次産業は「限りなく人間をしている」現場だと思う。
人間という言葉を、ここでは動詞として使いたい。自然環境と同居し、生きるために必要な作物を育てたり収穫したりする日々。生々しく泥臭い現場、生きるために絶対に必要な何かを生産する人々の姿は、人間という言葉がもっとも当てはまる姿だった。

私の心には、この”一次産業”というキーワードが埋め込まれている。

一方で、私は必需品よりも「無くても良いけどあったら心が豊かになるもの」に惹かれる人間だった。ファッションに携わる両親の元で育ったおかげかもしれない。だからこそ、生きていく為に絶対に必要な食料は、興味こそあれど私を突き動かすものでは無かった。

北海道にて、クリエイティブな仕事が向いていると占い師が言ってくれた。ネットの性格診断で何度も書いてあった適職。あまりに抽象的なこの職業を具体的にすることが2022年のテーマになった。

香川県にて、生産と創造こそが人間活動の本質であることを悟った。私にとって、それは一次産業だった。そして、一次産業とクリエイティブを掛け合わせると、それは花かもしれないなと思った。きっかけはブックカフェで読んだ花をテーマにした雑誌だった。

宮崎県にて、カーネーション農家に2ヶ月半お世話になった。自然と同居し、花とともに過ごした時間を経て、私の仮説は確信に変わった。
『一次産業×クリエイティブ=花』
花の世界をもっと見てみたいと思った。

ヨーロッパにて、花は人類共通言語だと知る。美しいパリの街に点在する花屋では、紫陽花と芍薬が売られていた。日本と同じ時期に同じ花が売られていたことに驚いた。そして、人々が花を買う理由はそれぞれだけど、本質的には皆同じだった。それは、大切な人に喜んでもらいたい、との思い。どの国に行っても花屋があった。私の世界が一気に広がった。花を通してもっと旅をしたいと思った。

東京にて、オープン前の花屋で働いた。ペンキを片手に内装をしたり、備品を揃えたり。お店のオープンの日、暗闇の中で間接照明に照らされた店内を見たとき涙腺が緩んだ。お客さんが笑顔になったとき涙腺が緩んだ。可愛いくて綺麗花が入荷されたとき涙腺が緩んだ。小さな男の子がピンクの薔薇が可愛いと言ったとき、このまま育ってくれと切に思った。友人がプロポーズで贈る花束を注文してくれたとき、本当に嬉しかった。ハロウィンやクリスマスや正月、そして冠婚葬祭、私達の文化や生活に花が本当に深く関わっていることを知った。花は面白い。自分の世界と心を広げてくれる。

変化が多い人間なので誤解されることが多いし、それ故の別れがあったりと悲しいことも多いけど、その分新しい出会いがある。もっとワクワクしたい、旅をしたい。この気持ちに嘘はつけない。

暫定だけど、2023年にやりたいことを綴ろうと思う。
(もちろん気が変わることも想定しているので、あくまで暫定である)

1、お金を貯める。
大胆な動きをするためにはお金が必要不可欠。目標金額は3ヶ月で50万。コンビニで買い食いすることを辞めればいける…はず…。

2、北海道に行く。
さすが食料自給率200%の農業大国。花農家も多いので、ぜひ生産現場に行ってみたいと思う。あと、花屋としても働いてみたい。人脈を頼りつつ、実現させたいと思う。

3、海外に行く。
フランス、パリに行く。今度は短期滞在ではなく、働きに行く。語学の問題とかあるけど、知らない。見切り発車上等!友人Kの名言を述べれば、「夢は叶う叶わないは置いておいてあったほうが"楽しい"」のだから、花の都を夢みて突き進もうと思う。

どうせ計画通りなんかいかないけど、計画を立てるとワクワクするから良い。去年も最高に楽しかったけど、今年はもっと楽しくなるはず。2023年もよろしくお願いします。

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