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#18 クローン植物
いつもより1時間早く出勤。
濃霧の中、目を細めながら慎重に運転。
理由はもちろん、子猫の様子を見るためだ。
昨日と変わらず元気な姿を見せてくれる。愛護心を増長させる鳴き声を発し、寝起きの怠さが一瞬に吹っ飛んだ。
そして始まった風の丘ガーデン18日目の研修。
今日行った作業は「挿し木」という作業。
切った枝を土に刺すことで、切り口から根っこが生え、成長することでクローンを生成する。
ごめんなさい。僕の頭では理解できません。
自分への教育の為に、写真を用いて説明しようと思う。
今回、使用する植物は「ランタナ」という品種。
小さくて可愛い花弁を咲かせ、色が変化する楽しみを持った花だ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76308039/picture_pc_d9c54fa0349d8470824fd380a4963372.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76308047/picture_pc_98d05b19563f7f7032591627c42f91d4.jpg?width=800)
まずは、茎をカットする。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76331515/picture_pc_d71fc8140885b9b6a794b8c771eff3b3.jpg?width=800)
そして、土に挿す
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76331560/picture_pc_9cdaa9dc4d7bec2744a423213a72b6cc.jpg?width=800)
1ヶ月ほど放置すると…
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76331580/picture_pc_8dbf999aca8c55aeaad546e3b90bb3ac.jpg?width=800)
断面から茎が伸びている。
植物は切断されると、植物体が傷を受けたときに、傷口をふさぐために増殖する組織「カルス」が生成される。人間で言えば瘡蓋(かさぶた)のような存在だろうか。
このカルスに植物ホルモンが加わると、根や葉が再生され、クローンが生まれる仕組みらしい。
いずれにせよ、植物の再生能力には驚かされるばかりだ。
自分という存在から分断され、自分と全く同じ遺伝子情報を持つ「別の生命体」とは、どんな存在なんだろうか。
一卵性双生児の兄弟みたいな存在が生まれるということだろうか?
それはすごく見てみたい。
一度でいいから、他人の目線で自分を見てみたいと思う。
どんな姿で立ち、どんな喋り方をして、どんな考え方をしているのか見てみたい。
それにしても、このランタナの挿木は約700本ほどある。
元を辿れば同じランタナ。四方八方に存在するのは、自分のクローンな訳である。
相徳で例えたら、相徳が周りに沢山いるのである。
自分という存在から常に見られている状況。
自分という存在を常に見ている状況。
怖い。
ランタナの気持ちを想像しながら、クローンを生成した。
明日は臨時休業。
読み溜めてた本を読もうと思う。
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