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#3 出る茎は切られる
風の丘ガーデンでの研修生ライフ3日目。
今日扱った品種は2種類。
・ネメシア
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・カリブラコア
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ハウスの中はこんな感じ(まだ花は咲いてない)
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今日は、この2種類の花の苗に「ピンチ(摘芯)」という作業を行った。
◇ ピンチ(摘芯)
草花の茎の先をカットすることによって、脇芽の成長を促すこと
草花の多くは頂芽優勢(ちょうがゆうせい)と言って、茎の一番頂点の芽を優先的に生長させ、それより下の脇芽の生長を抑えようとする性質がある。そのため、自然に育てると茎の頂点にしか花が咲かなくなるが、ピンチをすることによって頂点の茎が切られると、脇芽の生長が始まる。
最初に説明されたとき、正直頭の中は「???」でいっぱいだった。生まれながらにして文系脳、理系科目は避けられるだけ避けてきた人生だったので、生物の知識は皆無に等しい。なんとなく、枝が増えることは想像できたが、説明を受けると植物ってすげぇ…ってなったので頑張って解説したいと思う。
▼まず、ネメシアの茎を切る▼
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▼切れました▼
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▼ 頂芽優勢の効果で切った茎の下の成長が抑制され、一番上にある葉が茎として成長し、2本の茎になる
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ピンチをし続けると、
1本が2本
2本が4本
4本が8本
と倍々ゲームのように茎が増えていく。
そうすることで葉や花の数が増えていき、ボリュームのある花にすることができるのだ。
(自然飼育だとピンチは行われないため、茎の本数は一本になる)
とにかく、切ると茎が倍になる。
これをひたすら1鉢ずつ行っていった。
▼ビニールハウスに広がるネメシアの苗▼
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なぜ、このような性質があるのか。
一説によれば、植物は動物に食べられることを宿命としているので、食べられても回復できるように備わったのではないかと言われている。
それにしても、ただ回復するだけでなく倍に増やすのだから、植物の諦めの悪さというか執念は凄まじい。
だが、このピンチの作業中に私が思っていたのは別のことだった。
出荷時期がまだにも関わらず、先に花を咲かせたり、他の苗よりも成長を早めた茎たち。そんな出過ぎた茎たちこそがハサミの餌食となった。抵抗を示すことなく、次々に切られていく茎たち。そんな彼らを見ながら、「出る杭が打たれないようにするためにはもっと突き抜けろ!」という人がいたけれど、やっぱり出しゃばり過ぎたらヤられるのかなあ、なんて思ったりしてた。勢いや熱意は大事だけど、徐々に様子を見ながらスタートしても良いのかもしれない。現に、一番下の位置にあった葉が茎となり花を咲かせる現実が目の前にあった。とか考えながら、無心で切った。チョキン、チョキンとハサミの音がビニールハウスに反響していた。
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