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番外編 「宮崎キネマ館」

日曜日は風の丘ガーデンがお休み。
昨晩、祖父母に会いに宮崎市に戻っていたので、今日は市内のある映画館に行った。

それが、「宮崎キネマ館」

きっかけは午前中に読んでいた小説だ。
村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」を読了して感傷に浸っていたところ、「そういえば村上春樹の小説を題材にした映画やってたよなあ、、、」と思い出して検索。すると、「日本初のアカデミー賞受賞なるか!?」と仰々しいタイトルのニュースと共に、ある映画が紹介されていた。

「ドライブ・マイ・カー」

主演は西島秀俊。上映時間は驚異の3時間。
日が暮れる前に家に戻りたい気持ちを抑え、16時からの上映を予約した。キネマスタッフによると大手の映画館は既に上映期間を終えているらしい。それが私を後押した。
(受付のお姉さんがすごい美人だったことも大いに影響した。)

さて、この映画館について少し説明したいと思う。

宮崎キネマ館は2001年に特定非営利団体が所有する第一号映画館として誕生日。昨年の2021年に移転され、リニューアルオープンを果たしたようだ。

宮崎駅から徒歩10分ほど。
割と市街地にある、細長い一階建の建物に店を構えている。

中に入ると、床も壁も天然の木で作られていて、懐かしい匂いが香っていた。

さて、チケットを買い、いざスクリーンへ。
スクリーンの中も床が木でできており、ここでも懐かしい木の匂いを嗅ぐことができた。客層はおじいちゃん、おばあちゃんがほとんど。若い客は自分ともう一人しかいなかったように思える。

映画のあらすじは以下の通り。

舞台俳優で演出家の男は、妻と穏やかに暮らしていた。そんなある日、思いつめた様子の妻がくも膜下出血で倒れ、帰らぬ人となる。2年後、演劇祭に参加するため広島に向かっていた彼は、寡黙な専属ドライバーの女と出会い、これまで目を向けることのなかったことに気づかされていく。

映画を見終わった時の感想は、
「村上春樹の世界観濃かったなあ、、、」から始まり、

「車欲しいなあ、、、」
「タバコ吸いたいなあ、、、」

と言った小学生みたいな感情しか湧かなかった。
いつもは物語のメッセージ性とか俳優の表情とかカメラワークとか考えてしまって、あまり作品に対する純粋な感情を吐露することはないのだが、今日は違った。

映画のワンシーンにて、
主人公は妻が浮気していたことに何か理由があると信じていた。妻なりの事情があったのだろうと。だが、相手を完全に理解することはできない。だからこそ、自分の真の感情を見つめることが大切だし、それしかできないんだと、ドライバーが発した。そして、彼は言う。

「正しく傷つきたかった、正しく怒りたかった」

正直、物語を十分に理解できたかと問われれば微妙だけど、変に理由をつけたりせず、素直な感情を言葉にすることは大切だと感じた。

その結果、
自分の車が欲しいと思ったし、喫煙者じゃないのに無性にタバコが吸いたくなった。ただ、それだけの感想である。

すると、 

「なんでこの映画館は木でできてるんだろう?」
「このおじいちゃん、おばあちゃんはなんで観に来たんだろう?」
「この映画館はなんでできたんだろう?」

開園前に抱えてた周囲への関心が消え、一層木の匂いが強く感じられた。

関心って聞こえは良いけど、理由を求める行為にもとれる。
それが消えたってことは、純粋な自分の感想を持てたってことなのかな?

あかん、だいぶ意味わからん文章になってきた。

理由ばかり求めるんじゃなくて、
どんな幼稚な言葉でも良いから、
自分の感想を大切にしようぜって話です。



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