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#2 スペーシング

風の丘ガーデンでの研修2日目。

今日はカーネーションの「スペーシング」という作業を行った。

スペーシングとは??
植物と植物の間隔を広げること。
一つ一つの鉢の通気が良くなる効果があり、蒸れずに活き活きと育つことができる。
※例えるなら満員電車でぎゅうぎゅうの状態から解放されるような感じかも(?)


▼スペーシング前の状態▼
※専門用語で密植栽培という。

▼スペーシング後の状態▼
※専門用語で粗植栽培という。

少し分かりづらいが、鉢一つ一つが持つパーソナルスペースが広がり、隣の鉢とほぼ接着しない状態になった。この状態にするために、始業から終業まで元々密接した状態の鉢を地道に動かしていった。


地道な作業を続ける中、素朴な疑問を抱いた。

「なぜ、最初から間隔を空けて置かなかったのか??」

初めから間隔を空けておけば、このような手間は要らなかったはずだ。そうすれば、二人がかりで約6時間通して作業するこもなかったのでないかと正直思った。しかし、帰ってきた答えは意外なものだった。

「最初は距離を近くしてあげないと大きく育たないんだよ」

人間は一人では生きていけない。
特に子供の頃は家族に守られ、友人と遊び回りながら共に成長していく。そして、大きくなるにつれて自分のパーソナルスペースを確保しつつ、社会と関わっていく。

植物も同じだった。

聞けば、鉢同士の距離を離した状態で育てても、中々大きく成長しないらしい。近くに置くことで成長を競争し合うのか、それとも支え合っているのかは分からないが、共に生きていることは確かだった。

そして、同じように見えるカーネーションの葉も一つ一つ見ると明確に違う。背が高いもの低いもの、蕾が出ているもの、フライングで花を咲かせちゃったもの、雑草を飼っているもの、などなど。それぞれ違う個性を持ちながら、共生している姿に感動というか、強い関心を抱くことができた。

スペーシングを終えたカーネーションは、もう位置を移動させることなく、水やりと時間をかけて4月末頃に開花予定だ。

それぞれの鉢がどんな個性を持って花を咲かせるのか、楽しみである。

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