見出し画像

#20 さりげなく隠れたケモノ

風の丘ガーデンでの研修20日目。
猫の様子を確かめてから出勤。もはやストーカーの域であることは否めない。私の顔を見ると甘い鳴き声で鳴いてくれるようになった。私の表情は不気味な笑みで崩れる。数分後、片手に煮干しをこしらえて、今日も援助を行った。

今日は水やりと出荷作業。
世間はすっかり春気分。花の引き合いが多く、最初の頃より出荷作業をすることが多くなった。
今日気になった花は「ガザニア」という花だった。

花言葉は「あなたを誇りに思う」

ガザニアの花は朝になると開き、夕方になると閉じるという特徴を持っている。さらに曇りや雨など太陽が差し込まないようなときは花は咲かない。ひまわりとよく似た特徴を持つキク科の植物だそうだ。
鮮やかな黄色の花びらは、見る者を元気にしてくれそうだ。
ラベルには「はじける笑顔♪ハッピーカラー!」と書いてある。

しかし、このラベルをよく見ると一つ気になって仕方ない点がある。

「株幅約50cm」

え、でかくない??

ちなみに出荷時の株幅は10cm程である。
ちなみに50センチとは猫の全長くらいの大きさ。
一株でそんなに大きくなるのは予想外すぎるぞ、、、?

と思ったが、ラベルをよく見てみると、、、

「ビースト」

この品種、ガザニアのビーストという品種らしい。
ビーストといえば「Beauty and the Beast」邦題で「美女と野獣」が有名である。

すなわち、ビーストとは「野獣、獣」を意味する。

はじける笑顔♪ハッピースマイル!

とか言いながら、5倍以上の大きさに育つことをしれっと表記し、それを裏付けるようにちゃっかり「獣」という悍ましい名を名乗っているのである。

全くもって恐ろしい話である。

一体どれだけの人がハッピースマイルを求めて、結果的に獣に襲われたのだろうか。

それは話が飛躍しすぎか??

そんな妄想に励みながら、出荷作業を行った。

明日はお休み。

休暇中に、今週の猫の話をまとめたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?