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#4 水やり3年/種まきマシーン

※写真は風の丘ガーデンの看板犬、”秋田犬のぼたんちゃん”
この見た目から放たれる甘えん坊な性格のギャップにやられ、この子に会いに農園に来ていると言っても過言ではない。

風の丘ガーデンでの研修4日目。
今日の作業は主に2つ。

午前の部•••カーネーションの水やり
午後の部•••ポーチュラカの種まき

どちらも非常に興味深い内容だったので、振り返りたいと思う。

1.カーネーションの水やり

花を育てる上で必要不可欠な「水やり」。
作業内容は特に珍しいものではない。読んで字の如く、花に水を与えるだけの仕事である。
しかし、この業界には「水やり3年」という言葉が存在しており、植物への水やり方法を習得するには3年はかかると昔から言われているそうだ。

「いやいや、それは流石に言い過ぎだって」

と、思うかもしれない。事実、私は心の中で思った。
昔の頑固親父がいかにも言いそうな言葉だ。
しかし、これが想像よりも遥かに難しく、たかが研修4日目の自分に本当に任せて良いのか不安になったので、猛省の意も込めてまとめようと思う。

▼水やりをする澁田オーナー▼

まず、土の乾燥具合をチェックする。
昨日まで雨が降っていたので水やりは不要だったが、今日は雲ひとつない晴天。土が乾いているのを確認し、水やりを決行することに。
現在の成長具合だと1日置きに水やりをするようだが、出荷直前には毎日水やりをするそう(鉢は約1万5000個ある)
カーネーションが植えられている一つ一つの鉢にパイプを近づけ、水を入れていく。
▼水を入れてる様子▼

水は、土と鉢の頂点までの2〜3センチほどのスペースが丁度埋まるくらいを目安に注いでいく。

ずっと同じ姿勢で一つ一つの鉢に同じ容量で水を注がねばならない。これ、言葉で説明が難しいが、永遠に空気イスをしている感覚に近い。水なんて適当に注げばいいじゃん!って思うかもしれないが、過度な水やりは呼吸困難による窒息や雑菌の繁殖のリスクも伴うため、看過できない。さらに、雑草が生えている苗、虫が繁殖している苗をチェックせねばならず、気が休まらない。

▼鉢一つ一つを観察しながら丁寧に注いでいく▼

終了時には右手の上腕三頭筋がパンパンに張っていた。
水やりは植物の違いだけでなく、同じ植物でも天気や温度によって適量やタイミングが変わる。

3年かかるって案外短いのかもしれない、、?

2.ポーチュラカの種まき

こちらは植物を育てる最大の楽しみである種まき。
どんな花を咲かせるのかワクワクしながら、そして芽が出たときの感動を想像しながら種を撒いていく。
しかし、ここ風の丘ガーデンは、文明の利器を使って私のイメージしていた種まきの姿を壊してきた。
▼相徳のイメージ▼

▼風の丘ガーデンの種まき▼

「???????」

いや、最初の均一に並んだ種は何???

これ、掃除機で小さい穴から種を吸うことで種を均一に並べるマシーンらしい。

▼最初に種を無造作に撒く▼

▼種を広げるようにならしていく▼

▼一つ一つの穴から空気が吸い込まれるので種が固定される▼

これを、またしても均一に区切られた土の上に被せて掃除機の電源を切ると種が撒かれる。

いや、すっご。
仕組みめちゃくちゃシンプルやけど、よく考えたなこれ。

そして、種まきされたトレーは発芽室と呼ばれる種から芽を出すための専用機械に入れられる。
▼台車に乗せられた種子たち▼

▼発芽室(温度を20度、湿度を90%に保っている)▼

約2〜3日ほど経てば発芽するそうだ。

まとめ

・水やりは確かにつらい。しかし、単純作業ながら相手は生き物。油断を許さない状態が脳を活性化させ、無我の境地に近づく(?)
・種まきは想像を超えた。文明の利器「掃除機」を巧みにアレンジし、花農家に革命を起こした(?)

以上。


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