【パラリンピック】北京2022 大会6日目・お茶の間観戦記
北京では最近気候があたたかくなってきた影響で、コース上の雪がどんどん溶けてきています。
今大会は雪上競技会場の9割に人工雪を使っているので、急ぎ追加して頂けるとありがたいのですが…。
さて本日もハイライト行ってみよー!
クロスカントリー・スプリントとは
クロスカントリーは雪上のコースをスキーで走行し、ゴールまでのタイムを競う競技です。
パラでは障害の重さによって決められた係数をそのタイムに掛けますが、スプリントだけは仕様が異なります。
スプリントという言葉通りの短距離種目なので、選手たちは障害の程度によって時間差でスタートしていく方式です。
より障害の重い選手が先に、一番軽い選手が最後にスタートすることで公平を期しています。
そのため目視の順位と実際の順位が同じなので、非常に分かりやすいです。
また、短距離なので「ずっと同じコースぐるぐる回ってて飽きるわー」という方にもうってつけの種目となってます。
ゴール前のデッドヒートも興奮しますしね!
立位・座位・視覚障害の3クラスがそれぞれ男女に分かれ、予選から決勝までを1日で行います。
見る分にはすごく楽しいんですが、選手にとってはかなりハードな1日となるのです。
クロスカントリー男子スプリント・立位
先日クラシカル20kmで金メダルを獲得した川除大輝選手と、今大会最後の種目となる新田佳浩選手が出場しました。
2人とも力を尽くしましたが、残念ながら決勝には進めず…。
新田選手はレース後のインタビューで、自身最後の大会となったこのパラリンピックを振り返って、目に涙を溜めました。
「自分の今ある力をすべて出すことができたのでいい大会だったと思う」
大会前の合宿から多くの後輩にアドバイスを送り、チームとして日本を引っ張ってきた新田選手。
24年間、本当にお疲れさまでした…!
クロスカントリー男子スプリント・視覚障害
視覚障害のクラスは選手とガイドの二人一組で走行します。
ガイドがまず先行し、選手はガイドの声を頼りにその後ろを着いていく形です。
同じ紐を持って走るパラ陸上と違い、選手とガイドが物理的に繋がっていないので、上手に誘導しないと転倒してしまうことも。
このクラスでは安全面を考慮し、下り滑降の際に前を行くガイドのスティックを持つことが許されています。
視覚障害クラスで無類の強さを誇るのが、カナダのブライアン・マッキーバー選手。
42歳で6大会目となる彼は、この種目も制して通算19個目となるパラリンピックメダルを手にしました。
今日の注目 ブライアン・マッキーバー
カナダでは「英雄」と呼ばれているブライアン・マッキーバーは、祖父母が日本人の日系三世です。
幼少期からスキーに親しんでいましたが、19歳の時に「スターガート病」という目の病に冒されてしまいます。
現在の視力は健常者の10%以下しかありません。
通算メダル数19個の内、金メダルが15個という驚異の数字。
しかし彼はこう語ります。
「メダルの数や色はほぼ気にしていない。常にベストで望み、かつ“楽しむ”という意識を持つようにしている」
ロシアとベラルーシがパラリンピックから除外されると決まった翌日。
マッキーバーは友人のベラルーシ選手、ユーリー・ホルプの部屋を訪れました。
ホルプは自身のインスタグラムでその時の写真と一緒に、メッセージを添えています。
「カナダからの素晴らしい友が訪ねてきた。ともに座り、しばし交流し、ギターを弾いた。とても良い夕べを過ごした」
自身の心に正直に在り続ける彼は、人に対しても国境を越えたひとりの人間として向き合っています。
今大会で惜しまれながら引退する英雄は、今日もいつもと変わらぬとびきりの笑顔を私たちに見せてくれました。
大会7日目(3月10日)の予定
↑に2回目と書きましたが、大回転は2回滑った合計タイムで競うので、その2回目開始の時刻です。
日本アルペンスキー男子のエース、森井大輝選手が悲願の金メダルを目指します。
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