2022年の夏川77の個人的な振り返り

気が付いたら2022年が終わるんだが、今年はいろいろとあった。というか去年からあった。その諸々をぶつけて残しておきたいと思う。
(フェイク部分はありますが、大体が実際体験した話です)

※かなり長いので、なんだかめちゃくちゃな状況に置かれている2月らへんまででも読んでいただければありがたいです。
読んでくださった方に良いお年が訪れますように。

2021年12月

話は1年前に遡る。夏川はブチ切れていた。
職場が常日頃お世話になっている取引先からほんのりデカめの案件を受注したのだが、納期がキツい。最初の条件で「まあギリやれるんちゃう?」と思い、部署全員で納得して受注したが、ブツが届かないので案件に着手できないのである。12月に目一杯稼働しないと間に合わない。

つまり残業すればいいってことか?
NO! 弊社はそういう会社ではないのである!

業種は伏せるが、弊社は残業しても基本的に意味がない(残業代は出るので「意義」がないと言うほうがニュアンス的には正しい)。
午前~定時に協働することに最も意味があり、人員が減る時間帯に残業するのは無駄なのである。

しかしこの案件はどうにか労働時間を捻出しないと納期に間に合わない。
余力がある現場の人間が夏川しかいない……!
しょうがない、12月だけやぞ、と思い、月曜から金曜まで嫌々ほぼフルタイムで働く決意をした。

本来は夏川ではなく他の社員が現場の管理をするべきなのだが、その人はうちの部署に来て日が浅く、そもそも能力的に全然頼りにならなかったため、「長時間働くのは疲れるナー」という理由で時短勤務をしている夏川が一肌脱ぐしかなくなった。そうしないと納期に間に合わないんだからしょうがない。
クソッ……社員がもっと優秀だったら私が朝早くからしんどい思いしなくて済んだのに……!夏川の心には怒りの炎が燃え上がっていたが、マジで納期のために案件に注力するしかなかったので、出勤中はむしろ穏やかであった。

その社員の頼りにならなさは結構すごくて、細かい話を書き始めたらまたすげえムカついてきたからさっき全部消したところなんだが、とにかく納期のために部署の心は一致団結していた。その期間だけは。
年内営業日も残り5日を切ったあたりで、めでたく納品の目処が立ち、その社員から休職の申し出があった。表向きの理由は身体的な傷病だったのだが、メンタル的には「夏川がフルタイムで働くと自分の存在意義がなくなる」というのがたぶんデカかった。その人がいなくても現場が回ることが分かってしまったのである。
私だって居場所を奪いたくて働いたわけじゃないんだけど……?

そんな時期に書いた原稿がこちらです。

2022年1月

そんなわけで部署から社員が1人欠けて2022年のスタートである。
夏川は完全にブチ切れていた。
頼りにならない社員が休職している間、他の従業員がワンオペになる時間帯が生まれてしまうのである。その負担は想像するに余りあり、現場を助けるには夏川が一肌脱ぐ以外どうしようもない。

とはいえ、これらの負担に終わりが見えないわけではなかった。4月になれば社員が増えることは確約されていたし、新しいバイトが増えるかも?という話もあった。
とにかく、人員がギリギリの期間だけ、就業時間をちょっと伸ばして手伝う。
早ければ休職の社員が戻るまで。悪くても3月一杯まで。
なんとか部署は維持する。業績のことは知らんので正社員たちでなんとかしてくれ。
といった状態で1月スタートである。

1月は前年と似たような案件の依頼があった。
前年の案件には夏川も関わっていたが、今年受注するにはひとつ大問題があった。……その案件を受注し、フローを組み立てた社員が既に退職しており、前年と同じクオリティで依頼を全うできるかが分からなかったのである。
その退職した社員がしていた業務の穴埋めをするのは誰か?
アタイだよ!!!

そう、夏川である。やったことないんだけど。
恐ろしいことに、従業員一同「パソコンのことなんも分からん」という人間しかいないため、基礎用語がせめて理解できる夏川がなんでもかんでもIT関係を任される役になっていたのである!

そんなわけで、前年と似た案件は「去年と同じようにはできないので、こういう条件だったら無理っス」という返事をした。
すると「Webフォーム使うだけでできるらしいよ~!」という去年よりヌルめの案件らしいことが分かったため、部署のリーダーが受注をしたのだが……

結果として、ヌルかったのは序盤だけだった。業務の折り返し地点で、弊社側でなんらかのシステムを構築してチェック体制を作らなければ納品が完了しないことが判明した。
これは受注をした際のリーダーの確認ミスであった。しかしリーダーを責めても仕様がない。そもそもリーダーも夏川と同様に社員ではないのに、社員が全員消えたせいで部署の維持に駆り出されている、夏川以上に可哀想な激務の人なのである。

というわけで「こういう条件なら無理」と言った「こういう条件」を結局負わされることになった。で、それは誰が構築するのかって?
アタイだよ!!!!!

2022年2月

そんな状態で2月に突入である。
夏川はブチ切れを通り越して疲弊し切っていた。
この時期はWebメディアの仕事をしている余裕が一切なかった。昼の業務に忙殺されるのはもはや諦めるしかないにしても、仕事を断らなければならない状態に置かれている点(社員の不在)には常にブチ切れていた。

1月に受注した案件は結局、前年のデータを引っ張りだして(夏川は一度PCを乗り換えており、過去に関わった業務の権限を喪失していたため、リーダーのPCからデータを取り出すことでなんとかなった)、データの入力規則やらなんやらを確認してイチからシステムを構築した。

冷めた目線で俯瞰して見ると大したことはしていないのだが、どうすればデータを管理できるか、データのインポートやコンバートなどの具体的な解決手順は夏川が見当を付けてなんとかするしかなかった。今までやったこともないし、誰もやり方を教えてくれなかった業務である。怒りと絶望の炎で身を焦がしながら案件をやっつけた私は、この時ばかりはとてもよく戦ったと思っている。
もし納品ができなければ「そもそも受注したのが間違い」というのが答えになる。しかし仮に受注したことがミスだったとしても、どこかで売上は立てねばならぬ。社員不在の部署で、リーダーも夏川も勤続がやっと1年に達する程度。分からないことのほうが圧倒的に多く、全力を出し切って窒息しかけていた。

この時期は毎日PCでデータチェックと戦い、毎日毎日画面をスクロールしまくって引っきりなしに眼球を働かせていたため、めまいが酷かった。
リッチな3D画面のゲームでカメラをぐりぐり動かしまくっていると酔うことがあるのだが、2D画面を高速スクロールしまくるだけでも体調が悪くなることをこの時初めて体験させられた。

そんなこんなでズタボロになりながらも、無事全ての納品が終わった。
この時期最悪だったのは、「聞いていた条件と違う」ということが判明した時に、それが案件が完全に座礁したことと同義だと分かる人間が誰もいなかった点である。座礁船を牽引する道筋に見当を付け、道具を全て用意するのが夏川の務めだと当然のように思われていたふしがあったのだが、そんなものは全く未知の業務であり、この苦しみの理解者が誰もいなかったことは夏川をさらにブチ切れさせた。

同月、社長から「業績がすごい悪いんだけどどうしよう」と部署全員が相談を受ける。知らんがな!!
「誰かリストラしないとならないかも……」と言うので、「あの社員が辞めてくれるのが一番いいです」と忌憚なく言った。異論は出なかったし、その結果休職社員は迅速に退社をキメてくれた。
一応丸く収まったが、私の就業時間を元に戻せる条件のひとつ「休職社員の復職」はなくなった。就業時間が伸びた。

2022年3月

3月は夏川をブチ切れさせる業務はなかった。比較的穏やかであった。
しかし年度末でイベントが集中するため、他の時短スタッフ(家庭があるため時短勤務しか出来ない)の出勤できない日を全て肩代わりして、フルタイム出勤が何日も続いたのはしんどかった。
まあそれも3月一杯までだから……! それだけが希望であった。
ちなみに新しいバイトが増えるかも?という話は有耶無耶のうちに流れてしまった。

この時期、新しい業務が増えた。夏川の就業時間が短すぎるために任されなかった業務なのだが、1件だけ夏川が全面的に担当することになった。この職種の本懐の業務がとうとう自分にも回ってきたことに少しだけ感動を覚えた(ちなみに現在は担当件数がもう少し増えている)。
この職場では2021年の2月末から働いているので、2022年3月でやっと勤続1年が経過したところであった。

新しい業務は、モロに他人の「人生」に関わる内容であった。ちょっと想像以上だったかもしれない、と最初はおっかなびっくりだったが、自分が意識すべき行動が見えてからは特に負担を感じずに従事できるようになった。

新しい業務のおかげで、ひとつだけ新しい意識がハッキリしたかもしれない。
「自分が関わった人の幸せを願う」。
別にビジネスが関わろうがどうであろうが、知り合いが幸せなのは良いことだが、表層だけではなく心からそう思うことが増えた。

どうか幸せでいてほしい。

あとついでに、社長が疲弊しきっている部署の維持に限界を感じ、部署の閉鎖を決めた。
責任者が誰もいない状態で走ってきた部署なので、異論などない。
というかそもそも私は「社長のお手伝い」という気持ちで働いているので、社長が「やーめた」と言うのであれば「オッケー!次は何する?」と言うだけである。

1年働いた部署、爆破終了!!
ありがとう、お疲れさまでした!!!

2022年4月

は~~~4月からは別部署やでェ~~~と思ったら、部署を即座に閉鎖することは不可能らしく、4月だけは継続することになった。

まあそれはしゃーないやね、ほな、中途採用の社員が来てくれるのでワイの就業時間は元に戻して……
と思ったら、新しい社員が来ない。

えっ??????

諸事情あって、新しい社員が入社するのは6月らしいということが判明した。
えっ???えっ???????
もうゴリッゴリに疲れてるから嫌なんですけど??????

5月以降は新体制が敷かれて、ワンオペでも回せる内容になるらしいことがハッキリしてきたので、「じゃあ、もう本当にこれが最後」という気持ちで1カ月だけ延長で就業時間を伸ばした。

早起きして働く生活リズムはこの頃大体できていたような気がするが、そんなことはどうでもよくて、精神状態の悪化が深刻だった。疲労が濃く、寝る時間の確保以外に何も考えられない。一刻も早くこんな生活を終わりにしないと、心が壊れる自覚があった。

1月からずっとWebメディアの仕事を断り続けているのも本当に嫌で嫌でしょうがなかった。夏川が時短出勤しかしなかったのは、メディアの仕事に関わる余力を絶対的に確保したかったからでもある。それが今や寝て疲労を回復することしか考えられない。最悪だ~~~!!!

5月からはメディアの仕事に復帰する固い意志を持って、お世話になっている編集者に連絡を取り、5月以降のスケジュールを先んじて決めた。
もし今後職場の予定に狂いが生じたとしても、「私は知りません、関わりません」という鉄の意志を貫く決意の現れだった。

2022年5月

いきなり話が飛ぶが、GW中に某アーティストのライブに行った。そして泣いた。
地元出身の某アーティストは私よりずっと年上だが、確かに私と同時代に同じ空間を共有していた人であり、その人たちが歌い上げる歌詞は胸に深く深く突き刺さった。
このアーティストのCDを発売当時に姉がエンドレスで流していたことがあり、歌詞はほとんど覚えていた。その古い記憶へのノスタルジーも相まって、泣けた。

灰色の空、人のいない大通り、雑踏で賑わう夢を見続けているゴーストタウンのような繁華街……。
その空間から生み出された、「素晴らしい世界が君を待ってる」という歌詞。
街ではない、日本ですらなくていい、宇宙だっていい、「世界」がある。私たちには世界がある。囚われ続ける必要はない。私たちは自由だ。

「心が自由なら、どこへでも行けるし、なんでもできる」

寝たきりの親友と語り合っていた「寝たきりでも誰かと出会えて、誰かの為に仲間と働ける未来」

4月までが本当に忙しくて「もういやだ……」と思い続けていた心に本当に沁みた。

GW中は新しい仕事に向けてたくさん調べ物をした。ある程度納得の行くクオリティのものができた気がして提出をして、直された部分もあったけれど合格点をもらえた。

あと、Automatonが紹介していた『仙郷物語』にドハマりした。

仙人になる修行をする異能者たちが、ちょっとした獣と戦ったり、畑で霊力の高い作物を作ったり、魚を釣って上手に料理をしたりするノンビリとした日常のゲーム……。
「異能である」ことで一般大衆から畏敬を集め、魔を祓い、生活圏を守ることで感謝されるというこのゲームの構造は、私が愛する『討鬼伝』シリーズと同じように思われた。
討鬼伝がスローライフゲームになったらこんな感じじゃん。
そう思うとどんどんハマった。荒廃した門派の再建のために働くのがとても楽しかった。

アーリーアクセス作品のため、5月時点ではメインストーリーがかなり序盤で終わってしまった感触があった。しかしストーリーを進めることで自分たちの店を持つことができたり、交易路を開拓したり、世界が広がる感覚はとても楽しかった。

楽しすぎてのめり込んでしまうので、今はプレイを封印している。
また、アーリーアクセス版はアップデートされても日本語がなかなか実装されないという問題もある。
中国語がもっとちゃんと読めるようになりたいな、という気持ちが一段と強くなった作品であった。

昼の仕事に話を戻そう。
元の時短勤務に戻し、新体制の現場の混乱は「もう、マジで無理なので知らんっす」という気持ちでガンスルーした。
夏川の就業時間がなし崩し的に伸ばされて精神が荒んでいることを総務は把握しており、「もし辞めても連絡手段を断つことはしないでほしいな……」という姿勢を見せていた。辞める気は全然なかったが、過去に似たような状況に立たされたスタッフが辞めた後に音信不通になっているであろうことが察せられた。

2022年6月

待ちに待った社員が増えた。親しみやすい社員で心底ホッとした。
東京暮らしが長かった人のため、東京に住むことで遭遇する「予想外のイベント」を面白がったり、「他人の地雷を不用意に踏み抜かない」ような配慮を自然とできる人のように思えた。後者は分からんが、前者の精神をデフォルトで持っているのは現場では私しかいない(ように私は思っている)ため、初めて理解者が増えたような気持ちがした。

この時期から夏川が専任で担当する業務(時間帯)が新しく生まれたのだが、相手をするのは少人数だったのでこれといって苦はなかった。ネタはある程度最初からストックがあったので、これをやってけばなんとかなるんやな!という安心感もあった(しかしのちにネタ切れに苦心することになる)。

6月からはWebメディア(電ファミニコゲーマー)の仕事をモリモリやった。半分は昼の仕事からの逃避だったが、原稿執筆は今までやってこなかった業務で、身につけたいスキルなので頑張った。

この時期に書いた原稿がこちら。

この記事は「ラムザ君が好きでしてね!!!!」という完全に個人的な性癖で書いた。
お陰様で「ディシディアのラムザ君かわいいよね」という布教ができたようでとても満足しています。ありがとうございます。

しかし6月は記事公開直前にゴタゴタがあり、昼の仕事のストレスがゼロになったぶんそちらで少しヤキモキしたりした。
最終的に今まで繋がりが薄かったラインと繋がることができたので、起きたことについてはポジティブに捉えている。

この時7月に公開したい原稿について考えていたのだが、ゴタゴタや忙しさで1本流れてしまった。それは時期を見ていつか着手したいと思っている。

2022年7月

実は6月から少しだけ就業時間が伸びていた。
原因は殺人猛暑である。

夏川は職場まで徒歩で通勤している。
片道30分弱あり、余談だがおかげでアベレージ体重が5キロ減った。働く直前は「人生最大に体重が増えている……!」と思っていたところであり、服のストックが徐々に着れなくなっていくことに恐怖を覚えていたのだが、無事また余裕で着られるようになった。

さておき、夏川が徒歩で通勤できる気温の限界は34度である。体温を上回るような気温の日は徒歩で通勤などできない。であればどうするべきか? 比較的気温の低い午前中に移動を済ませるしかない。
ちょうど受注している案件もあったため、午前に来てクオリティチェックをしたり、自分の専任の業務のスケジュールを考えたりして過ごしていた。部署が変わったおかげで勉強すべきデータはいくらでもある。

ところで7月はSteamのサマーセールがあった。
実は1年前のAmazonプライムセールでゲーミングPCに買い替えていたので、現在の夏川のPCは大抵のゲームが動かせる。

そして夏川は……中国のゲームをいくつか買った。
「ゲームで中国語の勉強したいな~」という思いからであった。
しかし、テキストの意味を十分に取れないゲームの参入障壁は高い。大半が今も積んだままである。

あと夏川は以前からTime Managementというジャンルが好きであり、それらはお店で給仕をする女児向けゲームが非常に多い。
7月の前半は『Lemon Cake』をモリモリ遊んでいたような気がする。
他人にオススメはしないが(ゲームパッド非対応だし)、夏川は無心で遊んで楽しかった。なんなら今も無心になりたくてたまに起動する。

7月後半、現場のスタッフ数名が相次いでコロナ感染で自宅待機になった。
7月半ばにフロアの抜本的な模様替えを行っており、別部署として仕切られていた名残は消滅し、現場スタッフも分断されていたのが合体したことで大いに業務負担は減っていたのだが、往時の負担が戻ってきた。

すでに猛暑の徒歩通勤と長時間労働による体力の損耗があり、そこに加えて迫る納期、迫る電ファミの締め切り……

あとついでに、大好きな配信者が配信をやめてアーカイブを全部削除するということもあった。寝る前に毎日見ていた配信者だったので、本当に本当に悲しかった。

様々なストレスが重なって久々にブチ切れた夏川は、サマーセールで買った『東方夜雀食堂』にドハマりした。
そこでできた記事がこちら。
(セールのニュース記事なので、個人的なレビューなどは無し)

マジでハマった。実績全回収までやり込んだ。

そして電ファミの原稿は遅々として進まず、今までで最も酷い遅延をして提出をした。
深夜に提出してご迷惑をかけたことは非常に反省しており、繰り返してはいけないと思っているが、夏川は午前起きられない人間なので、スケジュールが既に固まっているであろう昼過ぎに出されるよりはマシだろうとの思いであった。
今後はがんばって午前に提出して二度寝しようと思います。

2022年8月

酷くなる猛暑。じわりと増える夏川の欠勤。
専任の時間があるのに、穴を空けることに罪悪感を覚えていた。
お盆の前にはコロナで自宅待機していたスタッフも復帰していたため、「頑張りたいけど猛暑の出勤がしんどすぎて欠勤してしまう日がある。徐々に心に傷を負っている」ことを素直に相談した。また、欠員が出ている間の「絶対自分は休めない」というプレッシャーも強かったことも話した。
(部署合体で現場の人手は増えたが、一部のクオリティチェック業務は夏川しかできる人間ができなかった)

相談の結果、「頑張った反動が来てるのかもね」という理解を示す言葉と、「週間の気温は大体分かるから休む日は事前に決めようか」という言葉に救われた。
しかしなんだかんだで、この相談の後に当日欠勤は一度もしなかった。お盆休みが明けてからは心身ともに比較的安定した状態で働けていた。

8月末は、ゲームライターのカワチさんと模範的工作員同志/赤野工作さんが主催する「第一回ゲームライター交流会」に参加した。
ライターとしてゲームメディアに関わってから全然日は浅いのだが、「他の人の話が聞いてみたい」という思いから参加をさせてもらった。いろいろな人にいろいろな悩みがあり、非常に勉強になることが多い会だった。

この時期に書いた原稿がこちら。

この記事を書くために『ヘブンバーンズレッド』に関するCEDEC2022の記事を全て読んだ。
ゲーム体験の質をより上げるために、たゆまぬ努力が注ぎ込まれている作品だということがすごくよく分かった。夏川はプレイできないですが。
(理由は『AIR』の記事の最後の注釈を参照してください!)

2022年9月

今年の9月は比較的涼しくて本当に助かったという記憶がある。おかげで自主的な有休休暇以外に欠勤をしなかった。

お気に入りの配信者が消えた喪失感は癒えず、9月はメガドライブの『ああ播磨灘』をひたすらプレイし続けているビデオゲーム遊び丸氏のYouTubeLiveに日参していた。
マジでお気に入りのアーカイブも全て無くなってしまったため、「寝る時に何を聞けばいいんだ?」という辛さを緩和してくれたのが、一晩中メガドラで相撲を取り続けるビデオゲーム遊び丸氏であった。本当にありがとうございました。

9月の記憶は、10月公開予定の記事のことをずっと考えていたことに尽きる。これが本当にしんどかった。どう言語化すればいいのか悩みが尽きず、資料を眺めてさらに悩む以外にできることが分からなかった。

その悩みとは「戦争」をコンテンツとして消費することの暴力性について考えることであった。
繊細で難しい問題についてどう扱うべきか、ずっと悩んだ。
そしてウォーゲームの分野でライター業を続けている徳岡正肇さんのことを心から凄いと思った。以前から徳岡さんの記事には「すごい!」と唸ることしきりだったのだが、改めて徳岡さんの語り口のバランス感覚に深い尊敬の念を覚えた。

それで結局生み出された原稿がこちら。

結局大したことは書いていないのだが、どうすればバランスが取れるのかは本当に本当に苦心した。
嬉しかったのは、この記事が公開された時に松野泰己氏がRTをしてくれたことだ。誠実な仕事をすれば届くのだ、ということが見えたような気がして、少し泣けた

2022年10月

10月は前述の『タクティクスオウガ』の記事と、『逆転裁判』の記事も書いた。

この記事が公開されたことで初めて気付かされたのが、「逆転裁判はBL界隈が強い」ということ。ナルホドくんがミツルギに抱く感情がクソデカすぎるのである。
ゲームの1~3を時系列順にストレートに解釈していくと、確かにそうなる…!
発売当初に各作を追っていたため、ゲーム内での時系列順に着目したことがなかった。言われてみれば、と目からウロコが落ちた。

あと今年は10月から、BSで放送されている「中国ドラマを見る」という習慣が新たにできた。
たまたま見かけた番組紹介で、ミステリーやサスペンスっぽい「ボンヤリ見てても結構楽しめそうなドラマ」がありそうなことが気になったのだ。
(あと、中国語の勉強をしたい気持ちは常にある)

そこで『探偵麗女~恋に落ちたシャーロック姫~』というドラマをBS11で見てみた。これが結構おもしろい。最初のエピソードは「被災地に送った復興資金が消えたから捜査しろ」というもの。こんなん絶対誰かが横領してるよ!!
メインストーリーは先が気になる展開でおもしろく、主人公が男装の女性のため、本当は女であることが周りにバレていない状態で起こるドタバタも楽しい。
……のだが、このドラマを見ていて夏川は「男女の恋愛いらねェ~」という気持ちにだんだんなってきた。恋愛描写はべつに見たくないのである。できることならドタバタとミステリーだけ楽しみたい!

……ハッ!!
つまり、最初から男しか出ないドラマを見ればいいのでは……!?

実は夏川はドラマの『陳情令』をいつか見たいと思いつつ、「今じゃない」という気持ちがして後回しにし続けていた。同作アニメ版の『魔道祖師』は見ているし、同じ作者の『天官賜福』のアニメも見たが、実写版は……ちょっと見るエネルギーが足りなくて……。

そのエネルギーがあるのが、今だ。

夏川はさっそくFOD(フジテレビオンデマンド)のアカウントを作り、2週間の無料期間を体験することにした。さあ! いざ『陳情令』!!

2022年11月

『陳情令』がおもしろすぎてまいった。
全50話あるのだが、空いた時間のほとんど全てを『陳情令』に費やし、1週間で50話を完走してしまった。
いわゆる「一気見」という習慣が夏川にはなく、「どんどん疲れて途中から頭に入らなくなるからダメ」と敬遠していたが、1週間ほどかけた一気見であれば自分にもできることが初めて分かった。

『陳情令』は先が気になって自然と次を再生してしまうし、アニメで「えらいこっちゃ……!」と思ったシーンがドラマでもえらいことになっていて泣けた。詳述は避けるが、あのキャラのアレに気付いた時とかもう泣けて泣けて……最終回もすごい悲しくて泣いた。
2022年は『鎌倉殿の13人』を毎週見て、実写ドラマで情緒を揺さぶられることに耐性が少し付いていたが、『陳情令』一気見は情緒にかなり来た。めちゃくちゃおもしろかった。

中国のドラマやばいな。おもしろいぞ。
ということで続けて『紳士探偵L』を見始め、FODの無料期間が終わったためアマプラに移行。プライムビデオで続きを見て、『紳士探偵L』全24話完走。すごく良かった(シーズン2が無いことを除けば!!)。
その次に、あらすじだけ見てなんとなく面白そうだった『成化十四年』全48話をこれまた1週間ほどで完走してしまった。これもすごい良かった。原作が既にある実写作品なので、OP映像で流れるアレとかアレのエピソードは既定路線だったのか……ということに後から気づいたりして、その後はOP映像を見るたびに泣きそうになった。今も思い出して泣きそう。

と、ドラマ3作品を完走したところで、ぼちぼち原稿の締め切りが近づいてきたので一気見は一旦やめることにした。
その時期に書いた記事がこちら。

夏川自身が知り合いに「『ダンガンロンパ』おもしろいよ!!」と勧められてプレイしたクチだったので、その知り合いに読んでもらうつもりで書いた(実際読んでもらえた)。
『ダンガンロンパ』が誕生する前も含めて、結構丁寧に歴史を追ったつもりです。

2022年12月

そしてとうとう師走である。夏川はちょっとだけキレかかっていた。また職場で欠員が出たのである。理由はコロナとか。
とはいえ「夏川がいないとどうにもならない」という時間帯は存在しなかったので比較的マシだったのだが、夏川以外の「この人がいないとどうしようもない」という業務が集中している人の精神がメルトダウンしかかっており、状況が思ったより危機的らしいことが分かった時、玉突き的にプレッシャーで夏川も精神状態が悪くなってきた。

万が一その人まで倒れたら夏川は絶対に穴を空けられなくなる。
空けるつもりは元からないが、冷え込みが厳しくなると「今日は休んだほうがいいかな……」という気持ちがよぎる日もあるものだ。しかしそんなことを考えていられる余裕も皆無になってしまう。

振り返ってみると、仕事でキレそうになる原因はふたつある。ひとつは頼りになるスタッフが不在の時。もうひとつは、頼りにならないスタッフに足を引っ張られている時。

前者はお互い様なのでどうしようもない。不在を埋められるよう最善を尽くすのみである。
後者が実は結構深刻なのではないかと思うことがある。後者もお互い様であれば良いのだが、「以前説明したコレと大体同じだから分かるやろ」が一切通じないことがIT関係だと結構ある。
夏川は今もITを任されがちなので、「これ説明しなきゃならんの!?」「説明してどのくらい理解できるの!?」という面倒に巻き込まれることが結構多い。2月の記録でも愚痴っているが、これらは説明したところで理解者が増えるわけではない(ことが多い)という点にかなり腹が立つのである。

あとついでに、ITを分かってないやつは「その操作はすぐに復旧しないと致命的」などの重要度への「勘」もない。復旧が不能になってから相談をされて、ブチ切れながら夏川が強制ロールバックをかけたこともあった。
これをやると、無関係の第三者が履歴を見た時に「夏川のせいでこの日の記録が消されてる」としか読み取れず、夏川がロールバックせざるをえなかった真の原因はどこにも記されない。思い出したらまたムカついてきた。

それはさておき、原稿も書いた。こちらである。

『龍が如く』は『極』じゃないオリジナル版もぜひやってほしいんですよね……全部おもしろい……。
シリーズほぼ全部クリア済みだけど、『LOST JUDGMENT』を未だにプレイしていないので、『龍が如く7外伝』も出る来年にはぼちぼちプレイしたいところ。

名前が出ない仕事も原稿執筆とは別に請け負っており、その合間に12月は映画を見た。見たタイトルを備忘録的に並べると、

・霊幻道士シリーズ(1、2、3、4、こちらキョンシー退治局、Q、X)
・幽幻道士シリーズ(1、2、3、4、来来、新)
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズ(1、2、3、天地英雄)
・サモ・ハン・キンポー主演作(少林寺怒りの鉄拳、燃えよデブゴン7、10)
・ジャッキー・チェン主演作(ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳)
・ジャッキー&サモハン主演作(五福星)

既に20作以上見ている! えっ、マジか?
冷静に数えて自分でびっくりしちゃった。
ちなみに上記はほとんど全て広東語なので、夏川の「中国語(=普通話)の勉強がしたい」というニーズには沿っていない。
(※大半が香港映画だが、『幽幻道士』シリーズは台湾映画。『来来!キョンシーズ』はテレビドラマなので全10話ある)

「そういえば昔キョンシー好きだったみたいだけど、全然記憶にねえな~?」という軽い気持ちでアマプラにある『霊幻道士』(字幕版)を見たら面白すぎてドハマりしたのがきっかけで、現在に至っている。

アマプラにある『霊幻道士』シリーズを全て見た後に『幽幻道士』シリーズを見始めたが、『幽幻道士』の1作目も面白すぎて完全に魂を持っていかれた。内容は何も覚えていなかったが、麻雀とかキョンシーとか方術とか、私の好きなものがいっぱい詰まってるじゃないか……!

大げさにしか聞こえない表現になるが、欠けていた自分の一部を見つけたような気持ちになった。そのぐらいの感動があった。

……いや、「キョンシー」が欠けた自分の一部ってどういうこと???

その後はオススメされたジェット・リー主演作を見て、「香港映画ぜんぜん詳しくないしもっと見たいな」という気持ちからアマプラにあるサモ・ハン・キンポー作品とジャッキー・チェン作品を追っている。無料で見られる作品がなくなるまで追うつもりである。あとドニー・イェンも見ておきたいんだよな。そのあたりを押さえられたら満足かな~と思っている。ブルース・リーだけは昔見てるからスルー。

本音ではキョンシー映画だけひたすら見られれば最高なんだが、アマプラにないんだから諦めるしかない。(キョンシー作品はVHS時代に相当な粗製乱造が行われまくったらしいんだが、それを追いかける気力はない……!)

2023年に向けて

そんなわけで気がついたらもう2022年が終わる。
寝る前に他人のゲーム実況動画を見ていた時間を、映画(またはドラマ)を見る時間に変えたら自分のコンテンツ消費形態が変わったのが大きな変化だった。ゲーム実況の視聴自体は辞めていないのだが、消費ペースはおそろしく遅くなった。

2023年も、たぶん2022年と同じような感じで過ごすと思う(ストレスは激減すると思う)。
2023年もやりたいこと、プレイしたいゲームがたくさんある。
中国語だけじゃなく、まだまだ勉強したいことがたくさんある。
でもひとつだけ言葉にして願うなら、

どうか幸せであってほしい。


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