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ワーママ女医大学医局を辞めた理由、番外編。

40代の女医なつ🌱です。
こんにちは。
現在は医局を辞めて非常勤として、いわゆるフリーランス医師として働いています。

以前、大学医局を辞めた理由を書きました。
こちらです。

仕事に疲れ、育児に疲れ、ママ女医という働き方にも疲れ、、

不満ばかりの自分のことが嫌いになりそうだった。それが一番大きい理由で「常勤医を辞める」という選択をしましたが、

「辞める理由」は大きなものと小さなもの複合的でして、今回は様々ある理由の中でもメインにはならないけど「大切な小さな理由たち」について焦点を当ててみたいと思います。辞めた理由、番外編です。

大きな理由についてのいくつかの話は上記の記事をご覧ください。


時短(女医復職支援)が終了になる


まずは勤務時間の話です。

職場によって違うと思いますが、わたしが辞める前勤めていた職場は一番下の子が就学する(小学校未満)まで時短勤務が認められていました。

もっと厳しい職場だと満3歳から時短終了もあると聞きます。また、大学医局の女医復職支援だと大学の中で支援枠数が決まっているので、医局内でママ女医の人数が多い医局だとたとえ子供が小学生になってなくても、他に子供が小さい女医さんがいると枠を譲らないといけない(強制時短終了か非常勤になる)というのも、女性が多い科の友人から聞きました。

正直私の場合は職場が家から遠かった(通勤1時間以上)のもあり、時短勤務は必須でした。

でもそんな私にも平等に時短、復職支援終了が迫ってきました。
3歳になったからって6歳になったからって、保育園や学童を使用できるからって、

「幼少期の子供が、毎日朝7時台に家を出てから親と会えるのが19時頃の生活」は我が家にとって現実的ではないと、正直思いました。

独身時代の産前はそういったシステムの内容を全く知らず、子供を産んでからその立場になってから驚くことばかりです。

というわけで、子が小学校上がった以降も時短がないという条件は、辞める理由の小さな一つになりました。
なお、職場の近くに引っ越すのは家族会議で却下となりました。医局人事だとすぐ転勤になったりするし夫の勤務場所都合もあり、、、。

子供が小学生になったら当直できるか?

時短の次は医者特有の当直の話です。
どこの病院も当直はなるべく常勤医で分担してますよね。

時短勤務開始時に「保育園の間は当直を免除するよ!」と医局長や出向先の科長言ってくれました。が、基本は「保育園の間は」です

みんな何となく一番下の子が「小学校に上がったら」当直してくれるだろう、と思っていたと思います。

当たり前ですよね。いつまでも当直してくれない医者が在籍していたら、当直している医者の人数が減っていき、その方々の仕事量が強制的に多くなります。だから子供が小学生になったら、送りも迎えも要らなくなるでしょ?じゃあ当直やオンコールもできるよね?!と考えます。自然の流れです。

実際職場でワンオペママ女医の先輩もお子さんが小学生になり当直を始めた先生もいました。

しかし、うちは医者夫婦で、夫は毎日定時で帰れるかもわからず週の半分はオンコールか当直で、私がもし当直すると言っても頼れる気配はない。そして私には他に頼れる親や親戚もいない。

当直やオンコールをするってことは、当番の日の翌朝うちの場合は夫が必ず子供のケアをできないといけない。当番の日の夜だけ何とかすればいいわけじゃない。ただそれもかなり難しい調整でした。

そんな事情もあり、どうしても自分には「ワーママ女医として当直する自分の姿」が見えなかった。

それに付け加え、当直したら病院で自科の責任番は自分一人。その仕事をすることで医師としての技量も保てると思うが、自分の性格だと仕事にのめり込むと完全にその夜は子供のことが頭から消えてしまう、それがどうしても感情論で嫌だった。うまく言語化できないですが、頭の中が仕事だけになって子供を置き去りにする感覚が怖かった。完全に自分のわがままですね。

子供が小学生中学生の思春期まではいつでも寄り添ってあげたい、自分はそういう母親だったようです。この時に自覚しました。こればっかりは女医といえど、自分の性格、希望ですので誤魔化すのは無理でした。

というわけで子供が小学生以上になっても、当直をしたくなかった。

自分が働かないせいで若者が苦しむのを見たくなかった

ワーママ女医の時短勤務継続や当直拒否。めちゃくちゃ気持ちはわかりますが、実行するかは別ですよね。実は希望を押し通して、免除された勤務形態を継続している女医の先輩方けっこういますよね。

うちの子は〇〇だから〜
高齢出産だから体力なくて〜
教授もいいって言ってるから〜
うんぬんカンヌン

女医が嫌われる言い訳集.com

家族の病気、介護や、医局の人員不足が深刻で当直しなくても医局側が懇願して在籍してほしいなど「もっともな理由だな、それは大変だ、しょうがない」と思うこともあれば、正直「ん??何その理由ちょっとこじつけじゃない?」といったこともあります。(ま、余計なお世話なんですが)

時折「子供がいるんだから当たり前でしょ、私大変なのよ、あなたは専業主婦の奥さんいるじゃない、あなた独り身でしょ?」といって当直はもちろん他の仕事も周りに押し付ける勘違いの反面教師モンスター女医も方もいらっしゃいます。

ただ、自分の希望だけ押し通そうとすると、誰に皺寄せがいくか、、、医局で生きてきた医者ならわかりますよね。

その皺寄せは大体若者が被ります。

若者で子無し独身医者
が第一優先で当直や残業を増やされる流れになります。その分手当が出ればいい方ですけど、雀の涙だったりすることも多々ありますよね。というか、お金の問題じゃなくそんな強制的に働きたくない人も多いですよね。

私も子無し時代がありましたので、自分の事情だけ自分の希望だけ押し通そうとする医者をを見ていて、周りがどう思うかはよくわかっています。

「あいつ辞めればいいのに、そうすれば当直できる医者枠が一つ空くのに」

私は自分の家庭内の事情や心境の変化で「ここまでしか働きたくない」と自らの勤務形態を制限した先に、自分の後輩たちが苦しい思いをしたり人を憎んだり、また自分が憎まれたりするのも普通に考えて嫌でした。

この解決法は簡単です。自分が常勤を手放せばいいんです。そうしたら自分は当直しない勤務形態を契約し直して、当直できる医者を雇うための枠が一つ空きます。

大学病院や総合病院ではない世界、新しい世界を見てみたかった

実は私、非常勤医師生活になるまで、大学病院か地域の比較的大きい総合病院の常勤しか勤務経験がなく、小さい施設で働いたことが医局派遣バイトで数回しかありませんでした。

本当のプライマリケアの場所の世界を継続して経験して見てみたかった、医者として世間知らずであろう自分を変えられるかも、というのも理由の一つになりました。

これは本当にちょっとした小さな希望で、辞める大きな理由にはなりませんでしたが、これは本当に当たりでした。

退職後、非常勤で飛び込んだ小さなプライマリの世界は、今まで見たことがない世界、医局とは全然関係ない人間関係、他の医局や病院のやり方お作法を学べたり、いろいろ見ることができて、自分なりに医者としての見識が広がったと実感しました。もちろんびっくりすることもいっぱいありましたし、大きな病院や、大学医局の良いところも再認識することも多々ありました。特にリスくマネージメント系は、、、。

お金が貯まってきた

最後はお金の話です、お金が好きですみません。笑

産前も、出産してからも、ここ数年夫婦で目の前の医者の仕事をがむしゃらに働いてきたので、30代後半には気づいたら我が家のお金は貯まってきていました。がむしゃらに働いていて、お金を使う暇もあまりなかったのでね。

また以前書いた通り☟

子供をきっかけにお金の勉強を始め投資も始めたので、その成果もあり資産も順調に増えてくれました。投資始めたから無駄遣いが減ったのもありますね。無駄遣いするくらいなら株を買いたい!と考えるマインドになっていました。株がちょっとした趣味になり購買意欲を満たしてくれていました。

資産を配当株投資に全振りしているわけではないのでそんなに多くもないですが、月15万程度は資産収入も入るようになっていました。

ここまでくると、資産はほっといてもある程度増えていきますので、社会保険や雇用保険など社会保障的な意味で「常勤勤務」に固執する必要がなくなります。

病気や怪我などで働けなくなったら、貯まった資産と資産収入が保険になりますから。

これも立派な小さな退職理由の一つでした。

おわりに

上記の理由たちって他人様に言えるような「辞める理由」のメインにはならないんですよね。

自分が嫌でも当直すればいい、労働者なんだから時短は諦めて雇用条件に合わせればいい、陰口叩かれても人間関係なんて気にしなければいい、ある程度のお金が貯まった?ただそれだけじゃ生活できないでしょ?不安は尽きないんだから。

辞めない言い訳を考える女医.com


しかし徐々に大きな理由と小さな理由が合わさり、そして小さな理由でも降り積もれば雪崩となり、、、

臆病な私の背中を押す結果となりました。

この記事読んでくれる方は、全ては当てはまらなくとも「あーそれわかるわぁー、、」ということが一つはあるんじゃないでしょうか。
上記が私の退職を考える小さな理由の数々でした。

辞めたい理由、続けたい理由は人それぞれ、勤務先それぞれだと思いますので、私の理由と見比べたりして頭の整理をして、医者人生、働く人生を考えてもらえれば幸いです。

それではまた!

常勤退職をちらっと考えちゃっ方はこちらの記事どうそ〜



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