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◆ふじのくに地球環境史ミュージアム


夫と、共通の友人と、3人で静岡旅行をした。1泊2日の、どの部分を切り出しても楽しくて、心がぽかぽかするような旅だった。

友人は、行程をつくるのがとっても上手だった。それに加えて柔軟でもあって、臨機応変にさまざまな変更を許してくれた。
彼女のおかげで無駄がなく、かつ必要な余白は残した1泊2日になった。ありがとう。


1日目に行った、ふじのくに地球環境史ミュージアムについて書きたい。

ふじのくに地球環境史ミュージアムは、富士山を中心とする地域の環境を見つめ、そこから地球全体の環境史、そして自然と人間の関わりの歴史を探るミュージアムだ。(と、わたしは解釈した)

また、今回はタイミングが良く、主任研究員である岡宮久規先生の講話を聞くこともできた。

展示と講話の中で、わたしなりのキーワードを挙げるとしたら「共存」である。
ひとつは、自然と人間の共存。もうひとつは、生きもの同士の共存である。

自然と人間の共存

元来、人間は生態系サービスの恩恵を受けて暮らしている。
しかし、「恩恵を受ける」という言葉を隠れ蓑に、いつしか人間は「搾取する」ようになった。

ミュージアムの展示では、次第に人間本位になってゆく様をシーソーの傾きで表現していた。時代を重ねるごとに、比重が人間へ傾いていく。

また、人間にとって自然は脅威であることからも目を逸らすわけにはいかない。地震や、洪水などの気象災害である。

自然の恩恵を白背景で、脅威を黒背景で表現したモノクロの展示室が印象的だった。


生きもの同士の共存

先述の岡野先生の講話では、国内外来種、とくに北海道におけるアズマヒキガエルについて知ることができた。

北海道に存在していなかったアズマヒキガエルは、近年人間の手によって持ち込まれそのまま定着してしまった。

国内の移動など些末な事柄のように思うが、そうではない。有毒なアズマヒキガエルの卵を他の両生類が食べてしまい、多くは死に、生き残っても成長が不十分になるという研究結果が出ている。

面白いことに、古くからアズマヒキガエルが生息している地域では、他の両生類に耐毒性があるなどして影響はない。

講話を聞いて、生態系はかなり微妙なバランスで成り立っていることを痛感した。
生きもの同士の共存を壊してはいけない。それは、自然と人間の共存のひとつの要素でもある。


他にも、ほっぺたが落ちそうになることや、なるほどと唸るようなことがたくさんあった。

旅行の思い出をまとめた手のひらサイズのノートは、いつ見ても、何度でも、心をぽかぽかにさせてくれる。

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