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◆パプリカは美味しい、チョコバナナは甘い


夫の学生時代の先輩2人が、我が家に遊びに来てくれた。遠方に住んでいる先輩方は3泊してくれたので、たっぷりと遊ぶ時間があった。

先輩2人と、夫とわたし。4人いる。

そう、麻雀ができる。


と、いうわけで、事前に購入していたマットと牌をダイニングテーブルに広げた。

わたしの力量はというと、いわゆる初級者である。麻雀ゲームと麻雀マンガを少々嗜んだことはあるものの、最初に牌をどうやって積んで準備するのか、親がなぜ重要なのか、その他諸々よくわかっていない。しかし、とりあえずリーチすれば役がなくともあがれること、頭やドラといった言葉の意味、頻出の役くらいは覚えている。ちなみに点棒は初めて触った。

そんな状態で歴戦の猛者(?)3人を相手にしなければならないので、やるべきことはひとつである。

カンペの用意だ。

わたしは麻雀が始まる気配を感じ取り、すぐさまパソコンで検索した。

「麻雀 役 一覧 PDF」

ネットの世界には多くのありがたい先達がいらっしゃるようで、すぐにヒットした。どこのどなたか存じませんが、ありがとう。こうして、わたしはA4ペライチの、しかし先達の魂がこもった相棒を手に入れた。


点棒が配られた。今夜、わたしの命は2万5千点である。

ジャラジャラと牌を混ぜ、裏返し、慣れない手つきで積んでいく。

17つの牌を横一列に、そして2段に重ねる。4人の前、それぞれに34つの牌の山ができる。真新しい麻雀マットはテーブルに馴染まず、少し波打っている。

長い、長い夜の幕開けであった。



途中でマジカルバナナをした。マジカルバナナは、リズムに合わせて連想ゲームをし言葉を繋いでいくゲームだ。

麻雀では難しい点数計算を引き受けてくれている先輩が、「パプリカ」には「美味しい」、「チョコバナナ」には「甘い」というガバガバな連想をしていた。職場ではしっかり者らしい。



肝心の麻雀だが、すでに日記にしては充分長い文章になってきたので結果だけ付記しておく。

麻雀は、誰かがあがったら終わりではない。何度も対局を繰り返して点数をやり取りする。持ち点の記録のために点棒という棒を持っているが、手持ちの点棒がなくなると、つまり持ち点がゼロ点(あるいはマイナス)になると打ち切りとなりその時点の持ち点で順位が確定する。

この説明をしている時点で察しの良い読者はお気づきかもしれない。この夜は夫の点棒が尽き、いきなり終幕を迎えた。

わたしはというと、配られた牌をもたもた並べていたわりには大健闘の2位だった。ソファの左脇には、点棒が2万400点分残っていた。


そんなわけで、先輩方のおかげでとても楽しい夜を過ごすことができた。「リーチ」と宣言して点棒を投げる楽しさは何度か味わえた。じつは「ロン!」も一度だけだが言えた。

他にも山を登ったり、ゲームセンターに行ったり、みんなで食卓を囲んだり、夫と2人ではなかなか味わえない賑やかな楽しさだった。遠方からありがとう、また遊んでね。お蕎麦、ごちそうさまでした。

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