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専門家に聞くのは苦手な理由とは?

「昔は○○だった」と言えば最近の若い人は「時代が違うし!」と返答が来る世の中だ。
なので、過去のことをいうのが言いにくいが、敢えて言うとすれば「情報に溺れるな!」と言いたい。

情報入手が困難な時代

35年前と言えば昭和の終わりのころである。
その頃社会に出たばかりの私は何が正しく、何が間違いなのかを知る機会もなく、もちろん誰かが教えることもなかった。

問題に出くわしたり、疑問に思うときは本を買って調べるか、人に聞くしかなかった。

もちろん、その頃はAmazonも無いので本屋さんで本を買うしかなかった。
しかし、私の地元は田舎なので60㎞離れた福岡の大きな本屋さんに行かなければ望みの本を買うことが出来なかった。

苦労して手に入れた本を隅から隅まで読みつくして表紙がボロボロになるまで読んでいた。
その時のインプットした情報は今でもかすかに覚えている。

しかし、本では私の知りたいという欲求を満たすことは出来なかった。
何故なら、私にだけに書いた本ではなく、大勢の人に書いた内容だったので。
私は本当に聞きたい内容はそこには書いていなかった。

そこで、私は詳しい人に聞こうと探した。
しかし、ネットもない時代に専門家を探すのは難しい。
さらに田舎なので探しても東京までは気軽に聞きに行けない。

ある時、勇気をもって東京まで高額のセミナーを受講しに行った。
そのセミナーは私の人生を変えたセミナーだった。

内容は今考えると大したことなかったが、当時は新鮮で衝撃を受けた記憶がある。
この時に感じたのは本ではこの感情は出ないしインパクトも違うと。

ただ単に情報だけ得るなら本でもよかったのだが、行動を起こしたいとなると本だけでは後押しが弱かった。

それだけ当時は情報に飢えていたのだろう。
そして、1つの情報を得るのに時間とお金を使わないと入手するのが出来ないことが当たり前と思っていた。

それからITバブルが訪れ、15年ほど前から日本でもインターネットの普及が加速して、あっという間に情報を入手するのに時間とお金をかけずに済むようになった。

その情報は無限大で、今後もその量は増え続けるだろう。
もう情報に時間とお金を使う必要はなくなったと考えてしまう。

ネット依存症感染拡大の時代

実際に今の30歳以下の人は既に学生のころからインターネットが普及していたので苦労して情報を入手する必要はなかった。
なので、情報とはタダで指先で簡単に探すものという感覚だろう。

大変便利な時代になった。
知りたい情報がタダで指先の動きで入手できるのだから。

しかし、そこには大きな弊害も出てきた。
情報リテラシーの欠如で、信憑性を確かめるスキルがないままに情報が一方的に入ってくるので。

正しい判断の基準が、有名な人や人気がある人の発する情報や数が多い情報が正しいと錯覚してしまう。
酷い場合だと、ネットに載っているから正しくて、ネットに載っていないから信用しないとまで思おう人がいる。

それだけネットに依存している重度のネット依存症が全国に感染している。
この感染者の特徴は、自分お悩みを全てネットで完結する症状が強いようだ。
しかも、お金はかけない。
何故なら、情報はタダだという環境で育ったから。

情報にお金を使うことが無駄だと感じている人も多く、情報にお金を使わないことが賢いとまで思っている。

情報の需要と供給のバランスが逆転

この心理を使って今のビジネスは成り立っている。
無料体験、無料セミナー、無料動画など企業の資産や個人の無形資産を惜しみなく無料で公開して有料版に導くスタイルが主流となっている。

もうこうなると情報が欲しい人と、情報を提供する人の関係が逆転してくる。
需要と供給のバランスでいえば、30年ほど前は需要が高く、供給が低かったのでお金と時間を使ってまで情報を入手していた。

しかし、現代では情報過多になり、需要よりも供給が圧倒的に高く、需要者が優位に立っている。
なのでタダにしなければいけない状況になっている。

こんな状況化に専門家にお金を出してまで情報を得たいと思う人がどれだけいるのだろうか?

相談するどころか、何かを買わされてしまうかと警戒する人の方がおおいのでは。

よく考えてみて欲しい、専門家がタダで有益な情報を提供するはずがない。
そんなことをする専門家は自殺行為だ。
その有益な情報を入手するために努力と投資をしているのだから。

実際にネットでの情報は正しい情報もあれば、胡散臭く、間違った情報や誤解を与えるような情報も多い。
恣意的に誘導する情報も後を絶たない。

これらを見分ける情報リテラシーを持っている人がどれだけいるのだろうか?
私自身も見分けることは難しい。
ついつい信憑性を確認せずに信用してしまう。

では、この傾向はどうなるのか?

その答えはどんどんエスカレートするだろう。
専門家よりもネット情報の方が優先されるだろう。
もう専門家は先生ではなく、ネット先生が教えてくれるから。

それが正しいと思う人はネットを信じればいいのです。
少しでも疑問を持つ方は専門家に相談するのが無駄な時間を使わないでいいと思う。

専門家の今後は?

そこで気づいてほしいのが、
「Time is money」時は金なり

時間というムダな浪費をしているということに。
信憑性が不確かな情報の検索に無駄な時間を使うよりも専門家に聞くことが早道かもしれないということ。

私が35年前に一生懸命本を探していたが、私の知りたい情報は本にはなかった。
たぶん、あなたも本当に知りたい情報はネットには無いことに気づき始めているかも。

あの時の専門家に聞いたことが私の人生を変えることとなったが、
あなたにもそのことが起こるかもしれない。

何故なら、あなたは専門家ではないから。

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