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女性のためのマネーセミナーの罠

「女性のためのマネーセミナー」
「ママためのセミナー」
このように女性を対象としたセミナーが各地で開催されている。

メディアで活躍しているとプロフィールにあるファイナンシャルプランナーが講師となり、ホテルでスイーツ付きでしかも無料で参加されるとあって、各会場どこも盛況の様だ。

セミナーは慈善事業ではない

これらのセミナーには必ず意図がある。
冷静に考えると1セミナーにどれだけ費用をかけているか計算してみたらボランティアや記念事業ではないことがわかる。

一般的に1セミナーどのくらいの費用がかかるかザックリ計算してみよう。

まず会場代だが、一流のホテルを使用すると信頼性も上がるが費用も相当なものである。
特に都心で行う場合は数十万円もかかる場合がある。
仮に半日貸し切りの部屋で200,000円、
スイーツ&コーヒーで1,000円×50人だと50,000円、
集客するためにフリーペーパーなどの広告費が約200,000円、
講師料が交通費含めて150,000円、
スタッフの人件費50,000円、
以上合計約650,000円となる。

仮にこのセミナーで50人参加すれば一人当たり参加者にかかった費用は13,000円となる。
40人しか集まらなかったら一人当たり15,750円となる。

これだけ費用をかけても各地で盛んに開催されるわけには理由がある。
それは、これだけ費用をかけても回収してしかも利益を出すからである。
ビジネスであれば、利益が出なければやる意味がない。

そこで、お金に関する商品で一番の収益になるのが生命保険である。
しかもその中でも外貨建て保険や変額保険と言った商品が収入手数料も高いので、これらの商品が魅力的に思える内容のセミナー構成になっている場合が多い。

特に集団講座の場合はその雰囲気に包みこまれ冷静さを欠き、流れで個別相談の申込みをしてしまうケースが多い。

なぜ私がこの裏事情に詳しいのかというと、実際に私も以前所属していた代理店でそのようなセミナーを企画していたので。
違和感があったが、保険代理店の生きる道は大型の全国区の来店型代理店かセミナー集客代理店しか選択が無かったので。

女性をターゲットにする理由

そこで、なぜ女性のための○○、ママのための○○などと女性をターゲットにした企画が多いのかは理由がある。

その理由とは女性をターゲットにした方が都合がいいから。
ここでの定義は女性差別でも女性軽視でもないことを前提の話すと、一般的に女性の方が家計を預かり、保険に詳しく無く、経済や金融にも精通していない人が多いと勝手に思っているのかもしれない。

確かに女性はお金に敏感かもしれない。
しかしそれは女性だけではない。
男性も同じことである。
にもかかわらず女性限定が多い。

これには脳科学でも証明されているように男性の脳と女性の脳では働きが異なるからである。

一般的には女性には右脳が強く働き、男性には左脳が強く働くといわれている。必ずしもそうでない人も多いが(笑)。
このように女性脳といえば右脳が強く働く場合を指し、男性脳とは園生が強く働く場合を指す。

では右脳の働きの特徴はというと、感性や感情が強く働くといわれていてるので雰囲気に酔いやすい。
一方の左脳の働きの特徴は、数理的な計算や理論的な考えが強く働くといわれているので損得勘定が強かったり、警戒心が強かったりする。

なので女性は、「ホテルでスイーツ付きでお金のお得な話を聞けるし、しかも無料だなんて、なんて素晴らしい企画なの!」って感じるらしい。

しかし男性になると、「ホテルでスイーツも付いて無料って、これはなんかあるから無料なんだろう!」と考えるらしい。

実際に私も男なので、こんな告知を見ると「なんか怪しい!」と勘繰ってしまって警戒してしまう。

これらを総合して考えると女性だけの方が主催者にとって都合がいい。

ただ、かかった費用をペイして、しかも利益を出さなければいけないとなるといかにして個別相談に持っていくかが成功のカギとなる。

そして、個別相談だけでは経費の回収と利益は得られない。
なので商品を購入してもらわなければセミナーを開催しる目的が達成できない。

ここまでの流れに来ると主催者は必至な状況だろ理解しておかなければいけない。

今後参加する時の注意点

ただ、そこで購入する保険商品や金融商品が悪いというわけではない。
そうでもしないと人はなかなか行動に移せない。
セミナーに参加したから行動に移すきかっけになるのは事実である。

ただ、冷静になってその商品が最適だったのか、それとも他の方法があるのかは検討する必要がある。

お金を増やしたいからとなると保険でしかできないというわけでもない。
金融リテラシーを高めるためのセミナー参加だという目的であればセミナー参加も意味があるだろう。

ただし、主催者はあなたに対して10,000円以上のコストをかけている眼で見ていることをお忘れなく。

今では私は独立してこのような女性限定のセミナーはやらない。
またホテルなどでもセミナーもやらない。
スイーツなども付けない。
お金がかからないように自前のオフィスで少人数でやっている。
最近ではオンラインでも行っている。

なので参加者は男性が多い。
そして個別相談も強要しない。

私のポリシーは、「学びたい人だけ学べばいい」と考えている。
そして「行動しないのであれば学ばないでいい」とも考えている。

学ぶだけで満足しても、行動をしないと現状は変わらず、未来も変わることはない。

「将来のために」
「もう少し先で」
このような考えの人は、その時が来たら学べばいい。

行動したい人はそのセミナーの先に何が待っているのかを考えながら参加するといい。

女性のためのマネーセミナーに参加するときは心しておこう!
お金の勉強をしたいのか、それとも保険に入りたいのか。

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