好き嫌い

「○○が食べられないなんて人生めちゃくちゃ損してるよ!」
「いやまじ、食べられる方がおかしいから!」

カフェのカウンターでパスタを頬張っていたら、隣からそんな声が聞こえた。

よくあるやつだなぁ。

と思いながらパスタをもぐもぐしている。

二人の意見は結局最後まで平行線のままだった。

まあでも。

嫌いなものが食べられなかったからといって損はしない。だってその人にとってはまずいんだもん。

それが食べ物であるかぎり、食べられる方がおかしいなんてこともない。だって食べ物なんだもん。

いつぞやの夜、大阪から友達が来てくれた。

SNSからの知り合いで実際に会うのは初めてだった。彼女はとてもかわいくて、色々な話をして楽しい時間が過ごせた。

わたしが選んだカフェで食事をしていたのだが、料理が運ばれてきたときの目線が気になった。

もしかして、これ嫌い?と聞いてみると彼女はおずおずとハイと答えた。

嫌いなものは食べなくてもいいよ、わたし大抵なんでも好きだから。嫌いなものあんまりないんだ。

彼女は嬉しそうに笑った。

どれ食べれないの?これとこれ?わたし食べる!

「珍しいですね、嫌いなものも食べてみなよ、とかこれは美味しいから、とか食べなきゃだめだよ、みたいに言われること多いから。」

うーん。だって大人になったら自分で栄養のことも考えられるし、それ食べなきゃ他のもの食べたら良いだけだもんなぁ。

もちろん、食べなきゃ失礼みたいな場面もあるかもしれないが、わたしは別になにかを食べないからどうだとか一切思わない。

ていうかわたし大抵どれも好きなんだからわたしが食べたらいいだけなのだ。

健康のこととか作ってくれた人のこととか、考えなきゃいけないときはある。
だけど別にそんなときじゃなければそういう人もいるよね、好きなもの食べようね、でいいのにね。

でも時々は嫌いなものもちょっと試してみてもいい。味覚結構変わったりするから。

不味いって感じるものを食べないのは損じゃないけど、美味しいって感じるのに食べてないのはもしかしたらちょっと損かもしれないから。

好き嫌いを責めてくる人がいたら、特にその人が料理を作ったわけではないのに、好き嫌いを責められたら。

それは、あなた悪くない。
たぶん。

ひとつ、いいことを教えます。

「○○が食べられないなんて人生めちゃくちゃ損してるよ!」

と言われて腹が立ったら、「そんな些細なことが損にカウントされるほど狭い人生じゃないからなぁ
(あなたと違って)」と言ってみてください。

たぶん喧嘩になります!

心のなかだけにしときましょう!



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