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12月23日、朝。

目が覚めて大きく伸びをしたら何かに手が当たった。
そのまま顔を上に向けると、カラフルな箱が目に入る。
僕は慌てて起き上がり、被さるくらい身を乗り出して箱を眺めた。

水色の包み紙に、サンタさんとトナカイとツリーの絵がぱらぱらと散らばっていて、左上には赤と緑のリボンがくっついている。
リボンを止めた銀色のシールには、妹が書いたみたいなぐにゃぐにゃの線が書いてあった。
この前ケーキ屋さんで見たチョコプレートとそっくりだ。
なんて読むの、と聞いたら、ママが教えてくれた。
だからこれも読めるよ、「メリークリスマス」って書いてあるんだ。

そうっと箱を持ち上げて、包み紙の端っこを探す。
それから少しずつ、ゆっくりテープをはがしていく。
途中で包み紙が破れてしまったけれど、そんなことはすぐに忘れてしまった。
破れた隙間から見えた箱には、僕が今一番欲しいものの名前が書かれていたからだ。
包み紙を全部外して、箱を両手で持ち上げてみる。
思わず、わぁ、と声がこぼれた。

そのとき、僕は気づいた。気づいてしまった。
僕が一番欲しいものを知っていて、僕の枕元にこっそり置いていくことができて、クリスマスの日を間違えちゃう人。
そんな人、一人しかいない。
これはイチダイジだ。

僕は箱を置くと急いで部屋を出て、ママのいる台所へ走った。
そして洗い物をするママの背中に向かって叫んだ。

「ママ、大変! あわてんぼうのサンタクロースが来た!」

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https://note.mu/natsu_72/n/n6479973f75e0

#Xmas2016
#小説
#クリスマス

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