FILM REDは私の期待を超えてくれなかった

こんにちは、「おれは正当な読者」、ナツです。


映画『ONE PIECE FILM RED』、試写会と合わせて2回観ました!

感想!書くよ!!タイトルの理由もちゃんと!!!

※このnoteではFILM REDの結末に触れています。未鑑賞の方はご注意ください。











私が期待していたのは、ウタがつくる"新時代"がこれからも続くこと

公開前に配信が始まっていた『新時代』『私は最強』『逆光』は毎日のように聴いてました。

『ウタ日記』も全部見ました。

これらを見聴きしていると、映画を観る前になんとなくウタのキャラクターが掴めてきます。

新時代をつくろうとする歌姫
みんなの希望になるような歌を歌う
おちゃめで世間知らず

などですね…公開前から魅力たっぷりなんですよ。

そしてなんと言っても歌が爆裂に良い!

公式のあらすじ紹介で「世界で最も愛されている歌手、ウタ」って書かれてるんですけど、そんな設定、盛り過ぎじゃない…?って思ってました。

だけど↑の『新時代』を初めて聴いたとき、「僕を信じて」のフレーズで歌姫を確信しましたね。まじで本物の歌姫だった…


そして尾田先生による天才的なキャラクターデザイン、動くと本当にかわいいんだ…!

アーティストっぽいロゴマークも全部かわいい。

とにかく公開前から私はめちゃくちゃウタちゃんに惚れ込んでました。


何より衝撃的だったのはこれ↓ 生配信で見てたんだけど、

世界最速上映が行われた武道館でのウタLIVE。

これ本当にすごくないですか…?

ワンピースの世界から、ウタが私たちのいる世界に飛び出してきてるんだよ……

これこそが"新時代"

ワンピースと現実世界を繋ぐ存在がウタ

私は、映画が終わってもそれが続くことを期待していたんだ……




そしたら、映画でウタは死にました。

悲しくて悲しくて、試写会後はとにかくしんどかったです。


映画を観る前に予想していたストーリー

でもね、私は鑑賞前から「ウタは死ぬ」と予想していました。見聞色の覇気を極めているから

理由は2つ。


①「シャンクスの娘」という重すぎる設定

うん、こんな設定ね、存在し続けることは不可能に近いんですよ。

原作は最終章へ突入し、やっとシャンクスが大きく関わってくるかというところで、娘。

そんなの存在していたら、その子も原作ストーリーに関わらざるを得ないじゃないですか。

映画と原作はあくまで切り離されたストーリー。

もちろんFILMシリーズは尾田先生監修で、その設定は公式なものです。が、それらはあくまで、映画を観ていなくても原作が楽しめるように作られているのです。

だからウタはこの映画でフェードアウトするキャラだと最初から予想していました。

(大人になるとそんなことを考えながら映画を観てしまうんだな…)


②予告映像の銃声

予告映像の銃声で、悪党海賊か海軍にウタは殺されるんじゃないかと思ってました。

これは予想とは外れて銃声は関係なかったんですが、まぁなんにせよウタは死にます。死んでしまうんです。


ワンピースにおいて、ヒロイン達はルフィに救われてきた

ナミやロビンはもちろんのこと、アラバスタ編ではビビ、魚人島編ではしらほし、ドレスローザ編ではレベッカがルフィに救われました。

みなそれぞれ長く苦しい戦いに耐え忍び、ルフィと出会うことで絶望が希望に変わる…それがワンピースの王道ストーリーだと思うんです。

今回REDのウタは、救われなかった。死んだ。

救われてほしかった。

私は「ウタは死ぬ」というストーリーを予想していたくせに、ワンピースならそれを覆してくれるんじゃないかと、REDもいつも通り最高に熱い感動のストーリーが待っているんじゃないかと、期待していた。


だけどREDは私の期待を超えてくれなかった。


FILM REDは何を伝えたかったのか?

これがわからず、試写会後はとにかくモヤモヤしました。


ワンピースで死を迎えるキャラクターは何人かいて、それぞれの死からは伝わるものがあります。

私はエースの死には納得できるし、Dr.ヒルルクやペドロの死は震えるほど熱いシーンだったと思うんです。

じゃあ、ウタの死は?

ウタは殺されるのではなく、自ら命を絶ちます。

その展開から何を伝えようとしているのか、私にはわからない、納得できない。

これが感動のストーリー??ただただ悲しいお話だよ。

それが試写会後の私の感想でした。


私が勝手に期待していた"王道のワンピース"とは違ったため、2回目の鑑賞へ行くのは気が重かったです。が、既に前売り券を購入していたのと、特典の四十億巻がほしかったので公開日に再び映画館へ行きました。

もしかしたら、2回目は細かい描写に気がつけて違った見方ができるかもしれない、1回目とは感想が変わるかもしれない…!

そう期待して行きました。


でも2回目も感想は変わりませんでした。

悲しい…むしろ1回目よりも序盤からウタの気持ちが見えてしまってより一層悲しい……。

REDを通して伝えたいこともやっぱりわからない。

"ウタ"とはなんだったのか、ほんのひとときの新時代を見せるためだけの存在だったのか……




と思っていたのですが。

帰宅して特典でもらった四十億巻を読んだら私のモヤモヤは晴れました。

四十億巻にはウタの細かなキャラクター設定、尾田先生がREDに込めたメッセージが書かれていました。

私はこれらが全然、2回鑑賞したのに理解できていなかった(ちなみに一緒に観た夫は私より理解していました。)


ウタは「死にたい」わけではなかった。

自分ができる方法で世界を救いたかった。

その望みは叶わなかったけれど、ちゃんと自分でけじめをつけた。


REDのストーリーは「問いかけ」なのだと、私は解釈しました。

だから感想を書くことがすごく難しい。

私はウタを好きになってから映画を観に行ったので、まだ感想の7割が「悲しい」です。

でも、ワンピースマガジンに書かれている『世界のつづき』『風のゆくえ』の制作に込められた想いを読んだら、決して「悲しい」で終わるストーリーじゃないことがわかる。


尾田先生はかつて「人が死ぬのは命が絶えた時ではなく、人に忘れられた時」だと教えてくれました。(だから私はエースも白ひげもロジャーもDr.ヒルルクもコラソンもペドロもおでんも生きていると思っている)

ウタは死んでしまったけど、生きている。エンディングでもそう歌っている。

私が消え去っても 歌は響き続ける

『風のゆくえ』より


試写会を観たあと、最初の印象と違って『新時代』『私は最強』が怖い歌に変わりました。ウタの野望をそのまんま歌っているから。

でも『風のゆくえ』を理解したとき、『新時代』『私は最強』をもう一度素直に、前向きな印象で聞くことができました。


REDのストーリー、私は「良かった」「熱かった」とかは言えないしやっぱり「悲しい」んだけど、最後の最後にウタの優しさが寄り添ってくれるお話でした。

3回目、見に行くかわからないけど、次は本当にまた違った見方ができそうです。


FILM REDは私の期待を超えてくれなかったけど

駄作なんかじゃない。ストーリーの密度や映像クオリティは歴代No.1です。

ただ好みが分かれるストーリーだと思います、私のようにいつもの熱い感動のストーリーを期待して行くと面食らいます…!


ここまで長くなってしまったので、本筋以外の感想は箇条書きで置いときます。

  • オープニングのライブは近未来感があってすごく高揚した、こんな時代を夢見たいな

  • オーブンvsフランキーが熱い

  • ベポがかわいい

  • ブルーノはもっとかわいい

  • コビーが頼れるかっこいいやつになってる

  • シャンクスが思ってた以上に活躍するし、強さが証明されるような描写があって嬉しい

  • シャンクスとルフィが会わない(会話しない)けど共闘するのが熱くて良かった、ここは期待以上だった

  • ウソップの覚醒でドレスローザ以来の号泣をかましてしまった

  • Adoはウタで、ウタはウタだった……Adoちゃん本当にすごい

  • 7曲全部ハズレじゃない、そんなすごいことあるんだって驚き


ストーリーを深く理解するなら四十億巻とワンピースマガジンは必須かと思います。(パンフレットはワンピースマガジンの内容と被る部分がある上にワンピースマガジンの方が濃いです)

そしてREDはたぶん、原作がさらに進んでルフィの"夢の果て"が明かされたとき、シャンクスの望む"新時代"が見えたときにまた感想が変わるんだと思います。

25周年に相応しい、これからの展開に期待を持たされるストーリーでした。

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