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「これから」についてのご報告

この記事はFacebookへの投稿を前提として記します。ほとんど更新していないこのnoteにて直接フォローしてくださっているごく一部の皆様(ありがとうございます!)には、何のことやら……な内容となってしまいますことを、まずお詫びしてお知らせ申し上げます。

皆様、いつも温かい励ましやご支援(時には厳しい叱責のお言葉も)、大変ありがとうございます。今日は私の「これから」についての、ポジティブなご報告です。

ソーシャルデザイナーになりました

この度、わたくしこと池田なつきは、2014年5月の入社以来6年にわたり担当して参りましたフリーマガジン「あどば」の編集長(※編集長の職位は2018年秋〜)を退任し、新たにソーシャルデザイン部(新設)の「ソーシャルデザイナーに就任いたしましたことを、ここにご報告申し上げます。

旧)株式会社 桐朋
  企画製作部 地域企画事業部門リーダー
  求人情報・地域情報あどば編集長

新)
株式会社 桐朋
  ソーシャルデザイン部
  ソーシャルデザイナー

少し、昔話を。

話は前職(学習塾の教室運営)にまで遡りますが──当時、子供達(塾生)の未来に思いを馳せつつ、この新潟県・上越地域を見渡した時、私のなかに日に日に増していく想いがありました。

まず何よりも、今ここで人生を営んでいる大人たちが生き生きと暮らし、働き、堂々と郷土愛を語る姿を子供たちに見せられなければ、この地域社会に未来は無い
子供たちが自発的に『帰ってきたい』と想ってくれる郷土を、私たち大人は築いているだろうか

……こういったことを考え続けていた時、私の過去の職歴を知る知人が紹介してくれたのが、現在の株式会社 桐朋(とうほう)でした。

当時で既に約四半世紀続いていた、上越では最古参クラスのフリーマガジン「あどば」の編集制作を担ってくれる人材、「即戦力を探している」と。

子供達の夢・目標を支える仕事にも大きな責任感とやりがいは感じていましたので、そのお誘いをいただくまでは、転職については全く考えていませんでした。でも、たまたまそのお声掛かりがまもなく年度末というタイミングだったこともあり、しかも学習塾ではなかなか活かす機会の無い私の持ち前のスキルを活かせる仕事であったこともあり、そして何より「地域の大人を対象としたお仕事情報メディア」であったことが決定打となり、誘いをお受けする決意を致しました。

当時所属していたその学習塾からしてみれば、ようやく丸3年を勤め、これからやっとまともな戦力になりそうだった中途採用者が「辞める」と言い出したのは、どう考えても迷惑なことだったろうと今でも申し訳なく思っています。ですが、お詫びの気持ちはありつつも、やはり後悔はしていません。

私自身が、あどばの仕事を通じて地域の魅力をたくさんたくさん知る機会を持たせていただけたこと、伴って、私のなかの郷土愛がまっすぐに大きく育ち、今や誰に訊かれてもはっきりと「上越は良いところですよ」と明言できるようになったからです。

同時に、この地域やこの国が抱える課題(言い換えれば、ポテンシャル)をより具体的に捉えることができるようになり、学習塾で働いていた当時はまだ「もやもやとした想い」だったのものを、今日に至っては「私のミッションは、」と言えるレベルにまで解像度を高めてくることができました。

「後悔はしていない」などずいぶん生意気な言いようで恥ずかしさもありますが、とはいえやはり紛れもない事実であり、以上ふたつがその理由です。

ただ、今日の私があるのは前職場での3年間を経験させていただいたお陰である、という点は更にずっと重大な事実です。私のキャリアからすると全くの畑違いだったあの3年間が無ければ、今この胸裡に抱いているミッションも、この6年間で巡り合ってきた皆様とのご縁も無かったものだからです。

今、改めてお礼を申し上げたいと思います。

株式会社 井手塾の皆様、そして誰よりも私が関わらせていただいた生徒・保護者の皆様、本当にありがとうございました。塾生の皆さんの成長を支える立場にあって、私自身もまた育てていただき、それによって私のなかの価値観がくっきりと形成されました。心よりお礼申し上げます。

さて、そして今ふたたび、私のステージが一段変わる時が来ました。これまで地域の皆様には「あどばの池田」と呼んでいただいて参りましたが、今後は「ソーシャルデザイナー・池田」として、変わらぬご指導ご鞭撻をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

ソーシャルデザイン?
「あどば」は…?

それではここで、ソーシャルデザイナーって何するの、あどばはどうなるの、というお話です。先週内示があり、今週月曜日に辞令が発表されたのですが、それからここ2日ほどで日常的・直接的にお仕事で関わらせていただいてる方々には異動の旨を順次ご報告させていただいておりました(まだこれから、の方も多数いらっしゃいます。このnoteが先んじてしまいます方には、お詫び申し上げます。個別に、具体的な今後についても含めて改めてご連絡いたしますので、しばしのお時間をくださいますようお願い申し上げます。お待たせしてしまい申し訳ありません!)。

以下、そのなかで異口同音にいただいた質問(疑問)です。

Q. つまり、「あどば」を辞めるということ? 転職??
──あどばの「編集長」を退任します。株式会社桐朋は辞めません。転職ではなく、異動です。

Q. 「あどば」はどうなるの?
──これまでと変わらず、続いていきます。ただ、実は私の後任となる「編集長」はおらず、今後は私が担ってきた業務も含め、「あどば編集部」がワンチームとなって運営していく予定です。そのため、あどばのコンテンツには「変わらず続けるもの」「形を変えて続けていくもの」「止めるもの」そして「新しく始まるもの」が出てくると思います。文字通り、新陳代謝です。生まれ変わるあどばを、どうか楽しみに見守っていただければと思います。そして、忌憚のないご意見・ご感想を頂戴できればこの上なく幸いです。

Q. 池田さんはもう「あどば」との関わりは無くなるっていうこと?
──関わりは無くなりません。あどばは株式会社桐朋の自社メディアであり、私は今までもこれからも桐朋の社員ですので、関わりが無くなることはありません。今後も、あどばに関するご意見やご要望、ご質問・お問合せなどがありましたら、編集部だけではなく私に投げ掛けていただくのでも全く問題ありません。

Q. ソーシャルデザインって何? 何をするの?
──そもそも桐朋が総合広告会社であり、グラフィックデザイナーを複数抱える会社であるために、実は社内でもこのクエスチョンの声はいくらかありました。ここで言うデザインとは、グラフィックや服飾のデザイナーのようにビジュアルに直結するデザインの話ではなく(※グラフィックも服飾も決してビジュアルだけを作っているわけではありませんが、あくまで例です)、「企画」や「設計」といった意味合いで捉えていただければと思います。その頭に、「ソーシャル」が付きます。

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異動の経緯について

Facebookでつながりを持たせていただいている方のなかにはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、昨年来、私は「放牧」されています。……と、折に触れ申し上げてきました。

これもまた「どういうこと」と複数の方からご質問をいただいたのですが、実は、わりと、文字通りの意味でした(略し過ぎていた自覚はありますが)。

入社以来これまで、私の主たる業務は「あどば」でした。編集長と肩書きが付いたのは2018年秋からですが、そもそも私はあどばの編集・制作と進行管理を担うために入社した立場でしたので、編集長の3文字が付く前も後もやっていたことに大きく違いはありません。

1冊のあどば発刊のために100の to do があるとしたら、私ひとりが100全てを手掛けるわけではありませんが、1から100まで、今誰が何を手掛けていてどういう状況にあるか、次に何が動くか・動かすべきか、そのための準備をどうするか……を、考えて動くのが私の仕事でした。今も昔も、あどば以外の仕事もゼロではないのですが、間違いなくこれが私の仕事の核にありました。

そうしてあどばの仕事に取り組む日々のなかで、地域社会や日本社会が抱える課題が徐々に見えてくるようになり、さらには、これまでには存在しなかった/やってことなかったけれども、桐朋が、私が、やらねばならない新たな仕事や課題が見えてくるようになりました。

そこで、私が起こしたアクションのひとつがこちらです。

『これからの地域と仕事の未来を語ろう』(2018.11.13.Tue.)
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(余談ですが、このイベントの企画・運営を機に、私の肩に編集長の3文字がくっつきました)

企画の時点から、このイベントを開催しても金銭的な利益は全く無いことは分かり切っていたのですが、タイトルの通り「これからの地域と仕事の未来」に対して絶対に必要なことという確信があり、弊社社長に直談判をし、開催の運びとなりました(関係者の皆様、ご来場くださった皆様、その節は大変ありがとうございました!)。

イベント開催にGOを出してくれた社長にはもちろん理解があってのことだったのですが、このイベントに各方面から高い評価をいただけたことで、社長の私への期待の質が一層変わった感触がありました。明くる年、2019年の春頃から「池田さん、もっとやりたいことやって良いよ」「そのために必要なら、今やってる仕事(あどばの編集・制作・進行管理)を止めるものは止めて良いし、変えるものは変えて良いから」と。

これを一言で表したのが「放牧」です(笑)。

ですが、しかし、毎月1冊の本を出すという仕事には絶対に必要な to do が様々あり、十数名の小さな会社(なのです、弊社)のなかでは、私以外の全員がそれぞれに重要な仕事を両手いっぱいに抱えていますので、圧縮も切り分けも簡単ではありませんでした。どう頑張っても勤務時間の8割はあどば業務に費やす日々。

「この春から放牧の池田です、何か面白い話がありましたらぜひお声掛けください、ホイホイ遊びに行きます(笑)」

と冗談混じりに言いつつも、実際はなかなか身動きの取れぬままあれよあれよと時が過ぎ……、年が明けて、皆様ご存知の通り、コロナ禍が世界中を覆いました。

こちらは少し前(先月末)の記事ですが

今、この国の休業者数は約600万人。世界に激震が走ったあのリーマンショックの時の4倍近くにのぼっています。

休業が明けたら元通りに業務が再開するというのであれば結構なことですが、休業中に耐えきれずに倒れていく企業・事業がどれほどになるか、全く見通しは立ちませんし、楽観もできません。つまりこの600万人は「失業者予備軍」とも言えるのです。そしてこのこの600万人の方の多くには、扶養家族がいらっしゃることでしょう……。

世界恐慌と言っても良い今このコロナ禍のなかで、地方都市に根ざす小さな求人情報誌「あどば」も、もれなく窮地に立たされています。求人広告を出している場合ではない状況の企業・店舗がそれほど多いということです。あどば単独で求人件数が減っているわけではありません。弊社が正会員として所属する全国組織、公益社団法人 全国求人情報協会の調査でも、ゾッとする数字が出ています。

さて、この状況下で、私がすべきことは何か。
株式会社桐朋のすべきことは何か。

少なくとも、「今までと同じことを繰り返して何とか生き延びようとする」のだけは絶対に違う、というのは言うまでもありません(言ったけど)。

上記でご紹介したイベント『これからの地域と仕事の未来を語ろう』のなかでも強調して取り上げたテーマだったのですが、

・複業(パラレルワーク)
・リモートワーク(テレワーク)
・関係人口
(・地方移住)

今、このコロナ禍にあって、やはりこの先絶対的に不可欠なのが、これらのキーワードであると私は考えています。

求人広告を掲出いただくのが非常に厳しい今、あどばというメディア自体が存亡の瀬戸際に追いやられつつあることは間違いないのですが、あどばだけが生き残ることに何の意味があるでしょうか。

あどばは、地域と人、企業と人、人と人とをつなぐメディアです。

その役割を正しく担い、世の中に貢献していくためにも、今、私たちはこれまでに無かった道を拓いて歩み始めなければならない。上越地域におけるそのパイオニアは私たちである、というのが、株式会社桐朋の方針であると私は理解しています。

よろしくお願い申し上げます

このたび、株式会社桐朋ではソーシャルデザイン部が新設され、わたくしこと池田なつきは、ソーシャルデザイナーの役職を拝命いたしました。

世界規模の疫病という厄災を、まさか自分の人生のなかで経験するとは思っていませんでしたが、地球が誕生して以来の出来事を振り返ればいつどの時代に何が起きても不思議ではありませんし、つまりこの世は常に不思議なことだらけなわけで……、地球や宇宙の壮大な歴史のなかの出来事として考えると、「桐朋、ソーシャルデザイン部、爆誕!!!」──なんと可愛らしい話でしょうか(笑)。所属部員は私ひとりです。つまり私、部長じゃね? 偉い人っぽくね? 何ソレうける(笑)(偉くなりたい願望はさらさらありません)

そう、 ガ チ 放 牧 です!

ここまでの経緯説明のためにちょっとヘヴィな話も書き連ねてしまいましたが、これから何をしようか、あれもしたい、これもしたいと、私は今とてもわくわくしています。

皆様、ソーシャルデザイナー・池田なつきを、どうぞよろしくお願い申し上げます。

最後までお読みくださった方へ、深謝。ありがとうございました。

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