朝ドラ歴2年🔰が感じた「おかえりモネ」の綺麗事
いよいよ来週、最終週を迎える朝ドラ「おかえりモネ」
結末を観てから感想を書こうと思ったが、むしろ結末をまだ観てない今だから感じることを、ただただイチ視聴者としての戯言をまとめていく。
「おかえりモネ」の感想前に、簡単に自分の朝ドラ視聴作品について整理する。
実は、初回から最終話までリアルタイムで視聴した朝ドラは2019年秋の「スカーレット」から。
その前作「なつぞら」は東京のアニメーション編から視聴という、すごく中途半端に朝ドラの世界へ飛び込んだ。(元々アニメが好きというので見始めた)
なので朝ドラにハマった作品は?と聞かれたら、「スカーレット」からと答えてる。(誰に?という疑問はおいといて)
それから再放送を含めて観た作品は「ゲゲゲの女房」「純情きらり」「花子とアン」「あさが来た」「ひよっこ」「なつぞら」「スカーレット」「エール」「おちょやん」の9作。
そして自分にとっては記念すべき10作めの視聴が「おかえりモネ」となった。
100作以上朝ドラがある中、その1割しか見てない朝ドラ歴2年初心者🐣の感想というのを頭の隅に置いといていただきたい。
まず、おかえりモネの概要について。
宮城・気仙沼湾沖の島で育ち登米で青春を過ごしたヒロインが、魅力と可能性を感じることができた天気予報を通じて人々の役に立ちたいと気象予報士を目指して上京し、やがて故郷の島へ戻り予報士としての能力を活かして地域に貢献する姿を描く。安達奈緒子作。清原果耶主演。
(Wikipediaから抜粋)
ドラマ視聴において、自分の好みは脚本家によるのが大きい。民放ドラマでも、出演者より脚本家やプロデューサーなど制作サイドで決めたりする。
安達さん脚本も過去NHKで放送された作品だけでも「透明なゆりかご(清原果耶主演)」「サギデカ」は良かったし、月9作品や「きのう何食べたの?」を中心に好きな作品が多かった。
そんな背景のなか、今回の朝ドラは期待が大きかった。
ちなみに放送前のツイート(朝ドラやドラマ実況推し活用の自アカウント)
#おかえりモネ
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) May 4, 2021
脚本も出演者もほんと期待大だから
あとはそれをどう見せるかの演出家次第だなぁ😅
過剰な味つけはしないでほしい、、、
その後、視聴しつづけて島編の第3,4週と8週こそ良かったなと感じたものの、最終週を目前に思うことは放送前から心配していた演出面が予想的中だった。
放送2週めに入ってのツイート
#おかえりモネ が遅く感じることにモヤモヤするのは、おそらく何話で終わるかわからないのにそのペースで大丈夫?最終週に話盛り込んで終わらせたりしない?
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) May 24, 2021
ってゴールの見えないマラソンを見てるように感じるからかもしれない。。
これも、結局変わらず、色々話を広げた割に結論を明確化せず、なんとなく過ぎていった印象。
そんな印象については、TLで流れてくるフォローしてる方の感想や実況で、絵画の印象派のような作品だったり、新海誠作品や細田守作品の世界観に似てると言及されてて、なるほどと納得していた。
(ちなみに主題歌のバンプは新海誠作品の音楽を担当されてるRADが尊敬するバンドで、音楽を担当されてた高木さんは細田守作品を手がけてる)
約1ヶ月視聴しての感想。
#おかえりモネ
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) June 26, 2021
全体イメージとして
迷い、戸惑い、立ち止まることを急かさない。
それぞれにそれぞれの歩みがある。
みんなで足並みを揃えることはない。
そういうのを描きたいんじゃないかと思う。
昨今時代の変化スピードが加速して、それに慣れてしまってるからゆっくり進んでるように感じるだけ
脚本家のインタビューやチーフDのコラムを拝見させていただいたいま、おおよそ描きたいこと、伝えたいメッセージはこの時点で感じとれていたように思う。
では実際ちゃんと描かれてたのか、伝えられたのか、という点では正直力不足ではないかというのがこれまで観てきた感想だ。
何より、東日本大震災から10年という節目で作られた作品としては、あまりにも被災者に対する敬意を感じなかった。
むしろ、断絶さえ生まないかと心配になるような言葉選び(モネがりょーちんに投げかけた「これで救われる?」やみーちゃんの「縛られてる」etc)が肌感に合わず、後半にかけて「寄り添うとはどういうことなんだろう?」と疑問に思うことが増えていった。
視聴3ヶ月めにはこうツイートしてるように、もう既にどこか諦めてたんだな、自分。
先月までは、役者の演技を中心に楽しめてた。。
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) August 16, 2021
それもできなくなってるのは、おそらく演じてる方々も、どこか歪さを感じながら演じてるんじゃないか?というのが薄らと浮き彫りになってるように思う。
特にヒロインの果耶ちゃんが、本来の実力と魅力を十二分に発揮できてないように思えてならない。 https://t.co/6WrsECLFct
で、決定打はこれ。
おかモネは
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) September 9, 2021
“傷ついた心“を癒すには人それぞれ歩みが違う。
必ずしも全員が明るく前向きにならなくてイイ。
それでも寄り添い合うことはできる。
そんなメッセージが込められた朝ドラなのかと、放送当初感じてた。
それを
「重い」や「軽い」で表現したり
「傷ついたことある人は強い」でまとめないで
震災を扱うこと、ヒロインが気象予報士である意義が感じられず、五輪開催年だからかパラアスリートを盛り込んだり、昨今キャッチフレーズのように使われてるSDGsを絡めたり、モネと菅波の恋愛話に時間を割いたりと
“誰のため“に向けた朝ドラなのかと、観続けるのはツラいなと感じた作品ははじめてだった。
(じゃあ見るな、という意見は無視です)
終盤には、トントン拍子に仕事も恋愛も順調だったモネが突如思い出したかのように帰郷する。
新しくお世話になる現地の方や幼馴染からも「なんで帰ってきたの?」と問われても明確な理由を語ることなく進み、現在。(語られてたのを読み取れなかったのかな?それとも見逃した??)
軽く理由を語ってたとしても、りょーちんが言った「きれいごとにしか聴こえんわ」がこのドラマの総評だと思ってる。
気象予報士を、テレビで活躍するキャスター面をメインで描いたことも
震災を仙台で被災してるにも関わらず、“島にいなかった“ことで罪悪感に感じ、音楽を諦めたというヒロインが、何故か震災の当事者でない代表として描かれてることも
史実(震災や台風、気象災害)があるのに、丸無視したような物語展開も
全部がぜんぶ、絵空事のように感じられてしまい、言いたかったことはコレです!と後出しだされたところで「綺麗事やな」と思ってしまう。
余談だが、自分の良作定義についてはこちらを参照。
ドラマの良作定義は、人それぞれだろうけど
— 海松(みる)💐 (@ntk3725xxx) June 12, 2021
私は“何度も見たくなる、新しい視点や違う視点を見つけられる“ドラマだな。
それは役者の演技だったり
美術、照明や劇伴だったり
要素要素違うけど
一つでもその琴線にふれるかどうか。
その意味では #おかえりモネ もそうなりそうな雰囲気がある。
最終週前の時点で自分にとっては良作ですらない。
物語の出来としては、アマチュアによる自主映画に近い印象。主人公であるモネを通して制作陣らの想いや頑張りを詰め込んだようなもの。感性が近い人には刺さるだろうが、万人受けするかというとそうではない。
朝ドラだからと言って、全ての作品が万人受けする必要はないにしても、最低限エンタメ作品としての質はプロであってほしい。
最終週、せめてそのプロ根性を感じられる結末であることを願うのみ。
ーーーーーー▼最終週視聴後追記@2021/10/31▼ーーーーーー
最終週観終えたいま一番に感じたことは、期待も予想を超えることなくフワッとした印象で終わった…(脱力)って感じだ。
良かったのは、最終回でりょーちんが「俺の船だぁーーーー!!!!!」と法被を着て、出港するシーンが素晴らしかったこと。(予告で知ってたけど、観ただけでほんとに良かったね、頑張ったね、すごいな、りょーちん…と嬉しさが込み上げてきた)
今回の朝ドラに関して、途中キャラ人気に便乗して恋愛モードに振られてしまったことで
幼馴染のキャラすら、ブレブレになったのが本当に残念だった。
モネとみーちゃんのヒロイン2人体制(花子とアンのはなと蓮様やあさが来たの姉妹のような距離感)で島の幼馴染を中心の話ならもっと良作になったと思うし、それを観たかった。
第3,4週と8週が好きなのも、そこが物語の肝と感じたから。ここを中心に、よるドラで全5話ぐらいなら傑作になったかもしれない。
それだけ、おかえりモネのポテンシャルは高く感じていたし、放送当初こそ丁寧に描かれていると思っていた。
そんな作品に寄り添おうとしてテーマを感じながら観てた視聴者を悉く振り落とすかのような荒さが新鮮だった。
ある種、こんなにも受け取り方が違うのかと見てる世界が違うのを追体験できたのは良い経験だったかもしれない。
物語はノイズが多く、集中できなかったが
それでも実力派の俳優さんたちの名演を堪能できたことは本当に楽しかった!!!
これからの活躍を楽しみにしております( ´v` )
(りょーちん役の永瀬廉くんは来年NHK時代劇の主演も決まったし♡)
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