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人口動態や社会の反応に左右される平均死亡年齢
たとえば
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) August 3, 2020
①10歳が1000人,100歳が100人の世界で10歳が10人,100歳が1人死ぬ(いずれも1%の致死率)
②10歳が100人,100歳が1000人の世界で10歳が1人,100歳が10人死ぬ(いずれも1%の致死率)
①の平均死亡年齢は18.1歳
②の平均死亡年齢は91.8歳
感染症の素因ではなく人口動態に左右される平均死亡年齢。
「新型コロナの平均死亡年齢は平均寿命」の誤謬
①10歳が1000人,100歳が100人の世界で10歳が10人,100歳が1人死ぬ
(いずれも1%の致死率)
②10歳が100人,100歳が1000人の世界で10歳が1人,100歳が10人死ぬ
(いずれも1%の致死率)
①の平均死亡年齢は18.1歳
②の平均死亡年齢は91.8歳
もうおわかりですね?
平均死亡年齢は、感染症の脅威度のみではなく、人口動態に左右されるということです。
日本は世界で一番高齢者人口比が高い国
日本は世界で一番高齢者人口比が高い国です(28%!)
2位のイタリアが23%なので、断トツです。
20歳未満の人口は16%程度です。
日本人の平均寿命は過去最長を更新し、女性87.45歳 男性81.41歳です。
単純に男女平均を出せば84.3歳くらい。
で、そもそも高齢者は感染症で死にやすいです。
なので、感染症が拡大すれば、平均死亡年齢が高くなるのは当たり前。
マサチューセッツ州で死者平均82歳。アメリカの平均寿命は78.74歳。
他にもイギリスは平均寿命81.5歳でコロナ死者平均は82歳。
世界中で新型コロナの死亡者の平均年齢は平均寿命よりやや上のようです。
で、平均死亡年齢が寿命に近いから大したことが無く、寿命より低い年齢で離れているほど危険、ということなら、日本の東京都は79.3歳で、約5歳も寿命から離れているので、日本の新型コロナは欧米よりも遥かに凶悪なウイルスなんだろう()
日本の結核の平均死亡年齢が73.6歳なので、日本の結核と日本の新型コロナの危険度の差は、日本の新型コロナと欧米の新型コロナの危険度の差と同じことに()
とまぁ、こういう考え方がおかしい、ということは分かるでしょう。
インフルと結核については以下で計算結果を載せています。
社会の取組=介入の仕方で変わる平均死亡年齢
感染症の死亡者の平均年齢なんて、介入の仕方でいくらでも変わりうる。
たとえばインフルエンザ。現在は流行したら休校措置を採っていますが、それをしなかったら感染者数は増加します。当然ですが、子供の感染者が増えます。
なので、子どもの死亡者もいくぶんか増えて、平均死亡年齢は下がります。
結核も隔離しなかったら感染者も死亡者も増えます。で、死者が増えるのは子供か高齢者か…結核で死んだ10代は平成30年で2名でした。全体の死亡者は1800人以上ですが、中央値は80~84歳の年代です。よって、高齢者が多い今の日本なら平均死亡年齢が増大します。
これは結核という病気それ自体の脅威度が減ったとか増したとかいうのではなく、人間社会の側の反応が変わっただけです。
今は社会的な許容範囲の介入(つまりはどれくらいの感染者、死亡者を想定した社会設計をするか)を探っている最中なわけで、死亡者の平均年齢がダイレクトに何かの意思決定の判断要素になるわけでは無い。
「平均寿命」は亡くなった人の平均年齢ではない
そもそも、平均寿命は「0歳時における平均余命」という推計値です。
世代(時代)に寄って平均寿命は異なりますから、「寿命に近いから」は全世代を論じるには適切では無い。
平成30年簡易生命表(男)厚生労働省を見れば、80歳の男性の平均余命は約9年です。
如何に「平均死亡年齢と平均寿命の近似」を語るのがヤバいか、理解できたでしょうか?
経済活動規制を解消するためのエビデンス
【早坂都議に調べてもらいました】東京都の武漢肺炎死亡者のうち基礎疾患の有無を確認できたのは198人。
— 上念 司 (@smith796000) August 3, 2020
その198人中、194人に基礎疾患あり。
60代以下の36人に限ってみると、基礎疾患ありが34人。
「死亡者の多くが糖尿病、高血圧、腎疾患など何らかの基礎疾患を有している。」とのこと。
「平均寿命と平均死亡年齢との関係」などという無意味な比較をしても、経済活動規制解消には向かいません。そんな雑な(というか有害な)議論で現実は動きません。せいぜいネット上でわちゃわちゃイキリ倒すくらいでしょ。
それよりも、新型コロナという病気の本質そのものを把握するのが大事。
東京都において、今年6月までの陽性患者6225人のうち、亡くなったことが確認されたのは325人だということが報道されましたが、基礎疾患の有無が判明してるのは198人、そのうち194人に基礎疾患があり、60代以下の36人(つまり69歳までの人)は基礎疾患ありが34人とのこと。
それから、7月はPCR検査を無症状者にまで積極的に行った結果(6月の約3倍、5月までの約6倍)、発見される感染者も増えていますから、最終的に把握される致死率も大幅に下がると予想されます。
とまぁ、このような数字を根拠に「新型コロナは生産年齢人口に深刻な影響を与えない(マクロな意味で)」「だから経済活動規制をするのはやりすぎだ」と論じるのは正当なものだと思います。
もちろんそれは「新型コロナ対策を講じなくてもいい」ではない。
ただ、現在は17万組ものカップルが結婚式をキャンセルし、結婚式産業で売上が1割に低下(「1割低下」ではない。)しています。
そんな極端な社会的な反応を採る必要は果たしてあるのか?
こういう議論をするには、正しい因果関係の理解に基づくのでなければ、拒否反応を将来してしまいます。データが出揃ってきた現在、足立議員が指摘するように、コミュニケーションの問題が大きなものを占めていくと思います。
やっぱり新型コロナを指定感染症から外すべきか。
— 足立康史 (@adachiyasushi) August 3, 2020
そうすれば、
・保健所の許可が不要になるので、現場の医師の判断のみでPCR検査が出来るようになる!
・陽性者が出ても、周辺を調べる必要がないので、医療機関は、気軽に検査をし始める!
党内でも、梅村さとし参議院議員はじめ指定解除論が拡大中。
追記:この時点での足立議員らの言う「指定感染症から外すべきか」という問題提起は「2類から5類へ」論とはまったく異なります。
全くです。指定感染症外しや2類相当外しは議論の入口に過ぎず、大事なのは、どこに着地させるか。2類以上の位置付けになってる現状は改めるべきですが、5類も不適。こうした議論を野党やマスコミが主導してこそ本質的な意味での行政監視が実現するのですが現状は心許ない。自党も含めて頑張らねば! https://t.co/aJl9h992lR
— 足立康史 (@adachiyasushi) August 28, 2020
「5類も不適」と明確に言及。
夏以降はもはや指定感染症から外すべきとは言わなくなりました。まともに調べて議論した結果でしょう。
もちろん、立法論として制度を大幅に変えた上で指定感染症から外す、とかは今後も検討されたとしても内容次第ですし、ワクチン普及の状況・感染終息の全国的世界的状況などを見て指定感染症から外す、という話は今後も出てくるかもしれませんが、それは状況の変化によってベターな扱いを決める話であって、それによって今現在の指摘がすべておかしくなるものではありません。
以上
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