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Infactさん、そりゃアンファクトでしょ

香山リカ氏のツイート

これについては私も以前にその発言の「意味不明さ」を指摘する記事を書いています。請求代表者は「公報」されるが、受任者やその他署名者は公報には載りません。

で、ここにきて"InFact"が「ファクトチェック」したようです。

InFactのファクトチェックはアンファクトじゃないの?

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InFactは上記のように「評価」しました。

「ほぼ正確」というのは、FIJの基準に則ったもののようです。

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FIJのレーティング基準

InFactは「一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない」としてツイート全体を判断しているのですが、私はこれは酷い誘導だと思います。

主要な部分・根幹は何か?を検討していない

まず、ツイートの対象文言を分解して、「前半部分は不正確」「後半部分は正確」として2つの結論を出す場合には私は異論がありません。

しかし、InFactは両者を総合して「ほぼ正確=一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない」という結論を出しているのですから、その判断過程を示す必要があります。

なのにInFactは「主要な部分・根幹」は何か?を検討していません。

香山リカ氏のツイートを再掲します。

このツイートの「主要部分」とは何でしょうか?

複数の捉え方があり得ると思いますが、最後の「受任者・署名者まさに命がけの参加になるんですね!」という部分を無視してはいけないでしょう。

前半部分の「公報される」という誤った部分も含めると、このような言い方からは、まるで「受任者の名前が公開=誰でも見ることができる」という印象を与えるようなツイートであると言える余地があります。

文章は先に示された内容を下敷きにして後の部分が理解されるという一般的性質からは、そのように理解する者が多いでしょう。実際にそのように受け取ったアカウントがたくさんおり、「名前が誰でも自由にみられてしまうということなら受任者にはならない」と言ってきた者が居ると高須院長が指摘しています。
参考:高須院長激怒! 大村知事リコール運動めぐり「署名者の個人情報漏洩」のデマ拡散 懲役や罰金の可能性も

さらに、ツイートはその前後関係も含めて内容が理解されるということが、ツイートを対象にする各種名誉毀損等の訴訟において行われていますが、香山リカ氏の別のツイートを見ると、やはり「誰でもみることができる=市区町村の有権者に限られない」というニュアンスを感ぜざるを得ません。

有権者が自分の署名が有効なのかどうか、冒用されていないかを確認に見るための縦覧が行われるからといって「私にはとても(署名することは)できません」という理解になるのは不合理じゃないでしょうか?

このツイートにある画像中の「第三者」も、制限がかかっていません。

もちろん、「だれでもみることができる」というのは違っていて、市区町村ごとに管理される署名簿について、当該市区町村の有権者のみが見ることができることになっています。

よって、このツイートの主要部分は「受任者或いは署名者の氏名は(直接請求の段階のいずれかにおいて)誰でも見ることができる」という主張であると認定されるべきだと思います。

であれば、主要な部分に誤りがあることになるため、「ほぼ正確」という結論を出すのはおかしい、ということになります。

なぜ、InFactはこの部分の検討を省いたのでしょうか?

結論が私と異なるものになる可能性は否定しませんが、少なくともFIJのレーティングを持ち出すなら、「主要な部分」の検討を無視してはいけないでしょう。

こういう言論は不誠実じゃないですかね。

愛知県選管の縦覧の運用方針は適法なのか?

なお、愛知県選管が縦覧の運用方法について従来のものよりも制限的な方法を採る方針であることについては現時点で不確定であり、法律上の問題があるものの、私は憲法上の「投票の秘密」の観点と比較法の観点から、違法ではないのではないか?という事を以下で書いています。

以上

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