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昭和51年防衛白書「自衛隊員の大学院受験の辞退要求や願書返送が」

昭和51年防衛白書2

防衛庁では、職務上の必要から、隊員を国内の大学院等において研修させているが、受験の際その辞退を求められたり、願書が返送されたりするといった事例は、昭和39年から46年までの間に、延べ約50人に及んだ。最近は表面上少なくなっているが、これはトラブルの予想される大学には出願を避けている等の理由によるものであり、今なお、希望の学校、科目等を自由に選べない実情にある。

防衛白書昭和51年度版には、このような記述がありました。
※追記:WARPに保存されてました

しかも、自衛官であることを理由として高校通信課程の転入学を拒否されたり、大学入学後に通学妨害されたり、国民体育大会に出場辞退・出場取消し又はチーム全員の不参加を招いている事例がある、ということが報告されています。

これが10年後には改善されているようでした。

参議院 外交・総合安全保障に関する調査会安全保障小委員会昭和62年5月15日
説明員(廣中佑見君) 省略
 現在は自衛隊員である理由によりましてあからさまな入学拒否というような動きはございません。。しかし一部の大学院では、官公庁、会社等に在職の者は、入学試験に合格しても退職しなければ入学することができないというような制限を設けまして、自衛隊員の入学を事実上認めないところがございます。

で、大学院への自衛隊員入学はまったくないのかというとそういうことではありません。

参議院 内閣委員会 昭和42年7月14日
○源田実君 次には、あと三つだけお伺いしたいのですが、いわゆるこの間京都大学で自衛官の入学拒否問題が新聞でいろいろ出ております。その後どういうぐあいになっておるか。正式にどういうぐあいに決定されるかまだ存じませんが、いままで自衛官で大学院に派遣されておる学生が、各車門別で各学校何名という、その数字を教えていただきたいのですが。
○政府委員(中井亮一君) 源田先生にお答えいたします。自衛隊員で大学院に派遣をしております人員は、十八の大学に、修士課程が五十八名、それから博士課程で五十一名で、合わせて百九名でございます。大学別で申し上げますと、東北大学が二十九名、東京工業大学が二名、東京医科歯科大学が一名、千葉大学二名、静岡大学一名、名古屋大学九名、金沢大学一名、京都大学十五名、大阪大学十八名、鳥取大学一名、九州大学十一名、札幌医科大学二名、東京都立大学六名、大阪府立大学六名、大阪市立大学一名、早稲田大学一名、慶応大学一名、東京医科大学一名。これで医学部の関係に行っておりますのが、東京医科歯科大学に一名、それから鳥取大学に一名、九州大学に一名、札幌医大に二名、東京医科大学に一名。それから薬学関係で、千葉大学に一名。そのほかは理工科系の学生でございます。

防衛大学校の卒業生が一般の大学院に入る場合の資格は昭和36年の時点でありました。

衆議院 内閣委員会 昭和36年3月17日
○春山説明員 省略 現に防衛大学校の卒業生は、一般の大学院に入る場合には、受験をする資格を認めております。

この話は後に書く内容と関連します。※書きました。

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