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【2024年度】文系から東大TMIに合格した体験記②

この記事は、以下と同様の内容です。


東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻(TMI)の2024年度入学試験に、

地方国立大の文系学部から挑戦し、合格を頂きました。

当時はネット上にTMIに関する最新の情報が少なく、不安な思いをしながら入試に向けて突っ走っていたので、

来年度以降の受験生に向けて少しでも力になるような情報提供をしたいと思い、本ページを公開することにしました。

理系の方はもちろんのこと、文系からTMIに進もうとしている方や、社会人でブランクがある方まで、参考にしていただけると幸いです。

この記事は、体験記①の続きです。

まだ読んでいない方は、先にこちらをお読みください。

試験1日目(筆記試験)

前日から東京にいる友人の家に泊めてもらい、当日は東京メトロの混雑具合に辟易しながら本郷キャンパスに到着しました。

東京大学のキャンパスに入るのは人生で初めてだったので、赤門や安田講堂などの有名な建築物に感動しながら、試験会場であった工学部棟に行きました。

試験会場は地下にあったのですが、私の大学では地下に教室があるような場所がないので、結構わくわくしていたのを覚えています。

会場への入室が始まり、受験生がぞろぞろと自分たちの席についていきます。東大の内部生と思われる人たちがいたのですが、普通に休み時間みたいな感じで談笑しており、やっぱり内部生は余裕がすごいなぁと一人感心していました。笑

試験開始前は最後の見直しで色々と忙しくしており何も感じなかったのですが、試験問題が配られるとなぜか急に緊張しだして少し焦りましたね。

結局、問題配布などで色々と時間が押してしまい、全体としては予定時刻よりも5分遅れて試験がスタートしました。

数理的思考力を見る問題

まず問題を開くと、数学のセクションは例年通り4題。

微分方程式、線形代数、統計、確率という内容でした。

複素数やラプラス・フーリエがなくてラッキー☆彡と思いつつ、問題にとりかかっていきます。

微分方程式と線形代数は結構ゴリゴリ計算させるような問題で、まぁ典型問題だったので普通にやれば大丈夫だな、という感じでした。

ただ、入試という事もあっていつもより丁寧に計算・記述をしていたら、結構時間がかかってしまいました。試験時間との兼ね合いからある程度で折り合いをつけ、それぞれ3問あるうちの2問のみ解いて終了しました。

統計は前年度まで出題されていなかったのですが、今年出てきたのでびっくりしましたね。ただ幸いにも私の専攻分野だったので、特に迷いもなくゴリゴリ解いて爆速で完答しました。内容は基本的なものでした。

確率に関しては、色々と自分で定義を置いて解いていく感じで、これもまた時間がかかりそうだなぁという印象でした。こちらも沼にハマるとめんどくさいという判断から、3問あるうちの2問のみ解いて終了しました。

結果として、統計学のみ完答、他は2/3を答えたという感じで、点数は計算ミスなども含めて6~7割くらいの得点率かなぁといったところです。

この数学のセクションは40分で解き切るつもりだったのですが、普通に5~10分くらいオーバーしてしまっていたので焦りました。

論理的思考力を見る問題

次に論述のセクションを開くと、求められる記述量がとんでもなく多くてうろたえました。

試験では事前に送付された論文と同じものが配られ、それを参照しながら回答しなさいね、という感じなのですが、問題を解き進めるにつれて、正直問題の量が多すぎてその場で読んで理解して解答を書くという流れはほぼ不可能であると感じました。

体験談①でも述べた通り、幸い自分は1週間かけてじっくり論文を読んでおり、内容の流れと主張をある程度頭に入れていたので、その記憶をたどって記述をすることができたのですが、それでも結構ギリギリでした。

それぞれの問題に対して〇〇〇字で答えなさいとの指示があるんですが、解答用紙は方眼紙ではなかったので書いた文字数の把握が難しく、また自分の回答が何字なのか数えている暇がなかったです。

めちゃくちゃ処理速度を求められているんだなぁと実感しました。

全体として問題の7~8割は埋められたと思います。書いた内容は大体合ってる自信はありましたが、それぞれの設問で自分が何文字書いたか数えられていなかったので、文章量の多すぎor少なすぎで点数がある程度引かれてるだろうな~という感覚でした。

てな感じで、一瞬で2時間が過ぎ、試験官の合図とともに試験が終了しました。

自分の中では及第点くらいの手ごたえだったので、まずまずの出来です。

とりあえず爆死しなくてよかった。と胸をなでおろしました。

試験後には周りから、「時間が足りなかった」という声が数多く聞こえ、

問題の難易度も勘案すると、おそらく(ちゃんと対策してる受験生のなかでは)そこまで試験で差はついていないだろう、という感じでした。

翌日の面接に合否がかかっているなぁ~なんてことを思いながら、荷物をまとめ、教室を出て、ゆっくりと帰路につきました。

これにて、1日目は終了です。

試験2日目(面接)

さて、2日目です。

「昨日はテストでそこまで差を付けれなかったから、面接でしっかり受け答えして合格もらうぞ~!!」と意気込んで、東京の通勤ラッシュの波に乗りました。

本郷3丁目にあるドトールに面接の2時間前くらいについて、そこで自分の研究計画や説明を要求されそうな学術分野に関して最終の確認をしていましたね。

時間が近づいてきたので、本郷キャンパスに移動し、指定された面接会場に行き自分の順番が来るのを待ちます。

自分は就活をしていなかったので、これが人生初のオフィシャルな面接でした。その緊張も相まって、待っている間は正直生きた心地がしませんでした。

いよいよ自分の番が来ました。

ノックをして部屋の中に入るとTMIの教授7人がコの字に座っており、もうここで緊張度がマックスです。

7:1の面接がスタートしました。

典型的な志望理由や現在の研究に関する質問から始まり、色々と根掘り葉掘り聞かれました。

最初の方の質問は順調に答えられたのですが、現在行っている研究を聞かれたのがキツかったです。というのも、私は文系で結構ゆるめのゼミに所属していたので、当時は別に研究とかしてなかったんですよね、、

理系の研究室だと4年から研究テーマを持っているのは当たり前なので、まぁ聞かれて当然なのですが、、

とりあえず当時立てていた研究計画を述べました。結構ぼんやりした全体像を述べたので、あとでめちゃくちゃ問い詰められることになります。

この後、私が先ほど答えた内容や提出した調査書の内容に沿って質問をされました。

まず最初に研究計画書の詳細について。私の研究計画は結果の解釈が少し難しくて、その点について詳細な解説を求められました。

直感的な理解が難しい内容なので、その場で教授の方々にスッと理解していただけず、また自分の説明能力の低さやそもそものリサーチデザインの至らなさも相まって、教授の方々には納得のいかない回答になっていたと思います。

また、研究成果にどのような意義があるのかという点についても、緊張して喋る予定だった内容の1/3くらいしか話すことができず、不完全燃焼で終わってしまいました。

やってしまった、、と思いました。

次に、現在の研究と留学経験について問われました。

研究してねぇ~~と内心思いながら、検討している目的、ゴール設定、使用する手法などを回答しました。

結構ありきたりなことを述べたので、逆に深堀はされませんでした。

ちなみに、予定していた卒業研究は留学でのある気づきが元になっているため、その気づきから派生して、

自分が留学先の社会をどのように感じたか、どういった点が社会としてのメリットデメリットで、それは日本と比べてどうか、などといった、結構抽象的な質問もされました。

先ほどの質問でミスをした焦りと場の緊張感でまったく頭が回らず、教授の方々の質問があまり理解できない部分もありました。

理解できないなりに、正直に分からないところは分からないと答えて、自分の答えられそうな質問は浅すぎる回答をする、といった感じで、何とか会話自体は成立していたと思います、、泣

こうして20分間の面接が終了しました。

教授の方々に一礼して面接会場を出て、この入試は落ちたことを確信しました、、

入試終了後

テストでそこまでずば抜けられなかったので、何とか面接で埋め合わせしよう、、と考えていたのですが、面接がうまくいかず、完全に落ちたと思いました。

しっかり対策はしたつもりだったのですが、自分のリサーチや考えが甘かったという感じで、まぁやってしまったことはしょうがない、、という気持ちでした。

ここ以外にもう一つ大学院を受験する予定で筆記試験と面接が後に控えているので、気持ちを切り替えてそちらに集中しよう、と何とかポジティブに考えるようにしていました。

ただ、現役時には目指すことすらできなかった東大の入試を受けて、(筆記試験は)ある程度戦えたという事実はあるので、いい経験になったな~という感情もありましたね。

友人宅に帰宅し、労いの外食を奢ってもらい、その日は終了でした。

合格発表

とある事情があって、合格発表当日はサマーインターンをしていました。

東京で対面で開催されるとのことで、それに合わせて私も東京にもう一度出てきていました。

サマーインターンがなかなか忙しく、またどうせ落ちてるだろうと考えていたので、当日は合格発表のことなんか頭の片隅にもなかったのですが、

インターン後に学生と社員さんとの食事会みたいなものを開催してもらい、そこでいろんな方々と談笑していると、急に今日が合格発表であることを思い出しました。

当時はお酒が入っていて少し気分が良かったのもあって、まぁ落ちてるだろう、落ちてたとしても酔ってるからあんまり何も感じないわ、と思ってテキトーに合格発表のページを開いてみると、なんとそこに私の受験番号があるんですね。

マジで?と疑ってしまって、その場でノリでお世話になってる先輩に受験票の写真と合格発表のURLを送って、間違ってないか確かめてもらえませんか!とお願いしました。

確認してもらった結果ホントに受かっていて、やべーという感じでした。

前述したように、特に面接がうまくいかなかったので、受かっててうれしいというよりもなんで受かっているのか分からないという感情が大きく、自分なんかが東大に行ってもいいのか、、という不安の方が大きかったです。

ただ一応合格は合格なので、ひとまず進学先は確保できた、という安心感はすごかったです。

おわりに

以上が、地方国立大文系から東大TMIを受験した体験記になります。

TMIを受験する皆さんにとって、この記事が何かしらの参考になれば幸いです。

より詳しい受験体験記や受験対策方法に関する記事はこちらで公開しております。

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