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【図解でわかる!動画広告の効果】うまくいく広告には理由がある?特徴や応用できるポイントを解説します。

動画広告の効果って?実際の活用事例と共に特徴とポイントを解説します。

動画広告の効果

インターネット広告の中で頭一つ抜けた伸びを見せている動画広告。従来のバナー広告とは違った活用のされ方をしています。動画広告を有効に利用するためにも、その効果と目的を見ていきましょう。

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-動画広告の効果が高い理由

これまでのインターネット広告は主に認知度の向上とコンバージョンアップを目的に行われてきました。インターネット広告のクリエイティブが画像とテキストに限定されていたためTVCMのような表現はできません。この状況を一変させたのが動画広告です。音を含む動画が可能になったため表現力がアップし様々な目的で活用され始めました。

オンラインビデオ総研とデジタルインファクトの調べによると動画広告の主な目的は次の4つです。

・認知度の向上
・特定のWEBページに誘導する
・想起率の向上
・商品・サービス理解の促進

この中で目立つのは「認知度の向上」です。調査したマーケターの91.7%が動画広告を認知度アップを目的として使ったことがあると答えています。認知度の向上はこれまでバナー広告が担ってきましたが、広告認知度に1.6倍の差があるため次第に動画広告が該当する広告市場でシェアを伸ばしています。

他には「WEBページへの誘導」と「想起率アップ」が約半数のマーケターの目的になっています。

最近では、従来のインターネット広告では難しかった「商品・サービス理解の促進」を目的とした使い方も盛んです。表現力のある動画広告だからこそ可能になりました。これにより使い方をイメージしにくい商品でもハウツー動画で効果的にアピールできます。動画のスタイルによっては広告感が出ませんから情報がスムーズに視聴者に伝わるでしょう。

この他には企業のブランディングにも利用されます。動画が与える印象(イメージ)をそのまま企業イメージとして視聴者に定着できるため、動画の出来がブランドイメージの向上に大きく左右します。

-動画広告の実際の事例

動画広告が様々な効果を持っていることは分かりましたが、利用した経験がないと具体的にどう活用すればいいかイメージしにくいです。幸いインターネットには動画広告の成功事例が数多く紹介されています。この項目では、その中でも興味深い事例をピックアップして紹介します。事例を参考にしながら自社にとってどのような動画広告が適しているか考えてみてください。

事例1:パナソニック ビューティフルジャパン

「ビューティフルジャパン」とは東京オリンピック・パラリンピックのトップスポンサーに決まったパナソニックが大々的に行ったプロモーションです。全国47都道府県を回り、夢のために頑張っているアスリートやスポーツ活動家を取り上げました。

プロモーションの目的はブランディングとテレビ機器の販売です。懸命にスポーツに取り組む人を積極的に取り上げることで企業イメージの向上を目指しました。同時に、取材した地域の美しい風景を映し出すことで自社ブランドのテレビ機器の需要を喚起しています。

プロモーションの効果を高めたポイントは次の3つです。

・人気女優の綾瀬はるかを起用した
・スポーツに打ち込む一般の方を取り上げた
・テレビとインターネットで同時プロモーションを行った

独特の雰囲気を持った綾瀬はるかさんの起用はファンを引き付けるのと同時にプロモーションを受け入れられやすいものにしています。単純に地域のスポーツ活動を取り上げるより面白味のある映像に仕上がっているのは彼女のおかげでしょう。

一般の方に焦点を当てたことも視聴者増加に貢献しています。学生さんなど一般の方を取り上げると視聴者の裾野が広がりやすい傾向があります。口コミで動画が紹介される機会が増えるのでバイラル効果が高まります。視聴回数と共に動画の認知度は向上したと予想されます。

動画広告はテレビCMと併用することで、より高い広告効果が得られることが分かっています。テレビで気になったCMがあるとインターネットで検索する傾向があり、検索してCMの全バリエーションを視聴する方も少なくありません。実際、YouTubeに投稿された当該動画広告の関連動画には別バージョンのビューティフルジャパン動画が多数紹介されていました。

プロモーションの成果は目を見張るもので、多くの関連動画の視聴数が10万回を超え、中には228万回に達しているものもありました。
批判の声もあった東京オリンピックに対して好意的な意見が増えたという報告もあり、東京オリンピックのブランディングとしても効果があったようです。

事例2:野村不動産アーバンネット ありがとう・わたしの家

2013年から続く野村不動産アーバンネットのプロモーションです。一戸建て・マンション・土地の購入や家と家族にまつわるエピソードを全国から募集し、その中から秀逸なものを選び出して2分程度の動画にしています。

動画は短いドラマのような仕上がりになっており、商品やサービスの紹介は動画の最後に表示される不動産情報サイト「ノムコム」のクレジットだけです。このことからも分かるように広告の目的はブランディングにあります。ノムコムおよび野村不動産アーバンネットが家族に寄り添いサポートするような印象を視聴者に与えるために、普段の生活で忘れがちな幸せを再確認させるエピソードをショートドラマの題材にしています。

また、認知度を高める工夫もされています。エピソードを一般の方から広く募集し、入賞した投稿のひとつを動画にする手法を採ることで、投稿者が自分のエピソードがドラマになっていないか確認するために動画を視聴するようデザインしています。そしてエピソードが動画になった投稿者は知り合いに広く動画を知らせるためバイラル効果も期待できます。

エピソードの内容も普段の生活で感じるもので親しみがあり視聴者に受け入れられやすくなっています。特別に先が気になるストーリーにはなっていませんが、同じような経験をした視聴者なら動画を最後まで見てしまうでしょう。動画を最後まで視聴してもらえば狙い通りのブランドリフト効果が得られます。

長年の取り組みもあって多くのエピソード動画はYouTubeで視聴回数100万回を大きく突破しています。
ストーリー次第で飛ばされやすいYouTubeのインストリーム広告でも視聴者に受け入れられる例と言えるでしょう。

事例3:SK-Ⅱフェイシャルトリートメントオイル

既に幅広い年齢層でブランドイメージが確立しているSK-Ⅱのスキンケア商品を取り扱った動画広告です。主な内容はSK-Ⅱ製品の紹介と、製品を活用した乾燥肌の保湿ケア方法について。2分弱で終わる大変テンポの良い動画になっています。

視聴者は動画を見ることでスキンケア商品の特徴、使い方、仕上がり具合を確認できます。商品を手に取るところから肌に塗るところまで一通りレクチャーしますから塗る前と後でどう変わるのかを映像から判別できます。求めるスキンケア製品に近いと感じた視聴者は魅力的に感じるでしょう。動画の説明欄には商品のランディングページへのリンクが記載されていますから、すぐに製品を購入するケースも考えられます。このようにハウツー動画の形式を採用すれば、商品の認知度向上だけでなくコンバージョンの向上も期待できます。

商品の認知度向上には人気YouTuberの起用も貢献しています。チャンネル登録者数90万人を超える佐々木あさひさんにレクチャー役を担当してもらうことで彼女のコミュニティに広く商品を認知できました。彼女の動画の関連動画にこの動画広告が表示されたるため、コラボしなかった場合よりも多くの露出を得られました。
普段から佐々木さんのメイク動画を視聴しているユーザーがいつもの動画と同じ感覚で見られるように動画広告のカメラや構成を工夫している点にも注目です。広告感を薄くできればスキップを減らし認知度を上げられます。

ハウツーと人気YouTuberを組み合わせた動画広告は目的と効果が明確ですから、今後も採用される機会が増えるでしょう。


効果的な動画広告の特徴

動画広告には認知度アップやブランディングなどに効果がありますが、考えなしに製作した動画がそういった効果を持つことは稀です。狙った成果を得られるよう、効果が高い動画広告の特徴を解説します。

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ポイント1:気になるストーリー

質の良い動画広告は先が気になるストーリーを持っています。話の導入や設定が広告のターゲットに刺さるようデザインされているため知らぬ間に視聴者は映像に見入ってしまいます。話の結末を知りたいという視聴者心理も大きく作用します。その結果、途中離脱が減り、動画の視聴時間が自然と伸びます。動画広告を最後まで見てもらいたい場合には大変効果的です。

ストーリーを前面に出した動画広告の特徴は商品やサービスの紹介を後回しにするか一切しないことです。商品を目立たたせると視聴者に動画が広告であることを意識させますから離脱されかねません。商品やサービスをアピールしない代わりに視聴者を魅了するストーリーを描き、そのストーリーで受けた印象をブランドイメージとして視聴者に植え付けます。前述した野村不動産アーバンネットの動画広告では家族のささやかな幸せを上手く企業ブランドにつなげていました。

ストーリーは視聴時間を伸ばす効果もありますから、これを利用して視聴者に企業の活動を認知させるのにも役立ちます。環境保全活動などの慈善事業への取り組みで、企業がどのような成果を上げたか、社会生活にどう貢献しているか淡々と伝える動画を最後まで見る方は少数派でしょう。ストーリーに上手く織り込むことができれば自然な形で企業活動に興味を持ってもらえます。

視聴者に自社を記憶に残して欲しい場合に重視したい特徴と言えるでしょう。

ポイント2:魅力的な体験

商品やサービスを紹介する動画広告では魅力的な体験が描かれることがあります。体験の内容はスキンケア商品であれば肌の質感の変化、スマートフォンでは動作速度や画面の美しさなど商品を利用することで得られる経験です。ストーリーと似ていますが、こちらは専ら商品やサービスを紹介するために用いられます。

体験をアピールすることで視聴者は商品やサービスを使ってみたいと感じます。商品で美しくなる肌や従来の端末よりスムーズに動作するスマートフォンを動画で見せれば、利用中の商品に不満がある視聴者には紹介されるアイテムが魅力的に映ります。

消費者のニーズを煽るような一面がありますから販売促進(コンバージョンの改善)を目指す場合に活用できます。前述したSK-Ⅱのスキンケア製品では利用するだけで肌ツヤがすぐ改善する様子が映し出されていました。視覚に訴えますからカサカサの乾燥肌に悩む女性であればコンバージョンにつながる可能性は高いでしょう。

動画広告で体験を強調する場合は人気YouTuberの活用が重要になります。単純な商品のハウツー動画では、その商品を検索した利用者にしかリーチできませんが、人気YouTuberならYouTuber名で検索した利用者にもリーチします。また、広告感が薄いので視聴者に動画の内容を信頼してもらえます。

ポイント3:ユーザー参加型

インターネットではユーザー参加型のコンテンツが人気を集めるケースが多く見られます。動画広告ではユーザーに何らかの形でプロモーションに参加してもらうのが一般的です。動画配信サービスTiktokではお題を提出して利用者がそれに挑戦する動画を投稿してもらうユーザー参加型プロモーションがあります。

ユーザー参加型のメリットはバイラル効果が期待できるところです。プロモーションに参加したユーザーが友人知人に動画を知らせることに加えて、参加者が増えてプロモーションが話題になる可能性があります。

一度プロモーションに参加したユーザーは熱心に活動を支援してくれる傾向がありますから、長期間行う予定のプロモーションにはユーザー参加型の要素を加えるといいでしょう。

ユーザー参加型のプロモーションを行う場合には参加しやすく斬新であることが重要です。参加者の数がプロモーションの成否を左右します。


最後に

動画広告は従来のインターネット広告の効果をさらに拡張させたものでした。商品購入の動機付けや認知度の向上以外にもブランディングまで可能になっています。効果を出すための要素も「ストーリー」「体験」「ユーザー参加型」とバナー広告時代とは様変わりしています。動画広告を効果的に運用するなら考え方を一新して取り組む必要があるでしょう。