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漫画原稿をやるためのiPad mini作業環境デッキ

よくお絵描き用途でiPadを検討する際に
「絵を描くならProじゃないとダメ!」
といったような話を聞くのですが、私はiPad mini 6を使用しています。
しかもだいぶ気に入って使用しており、先日漫画の完成原稿をほとんどiPad miniで描き上げました。
おお、Airも13インチが出たというのに時代と逆行している…しかも最近いい液タブ買ったばっかりなのに…。

今回はそんなお気に入りデバイスのiPad miniについて語っていこうと思います。ちなみに良すぎて最近2台目を買いました。


現在の環境

現在は上の写真の周辺機器類をフルセットとして作業環境を構築しています。
メインで使用しているのはiPad mini 6の256GBのWi-Fiモデルです(写真の右のペンシルが取り付けてあるほう)。もう一台は資料や動画閲覧用の64GBのWi-Fiモデル。冗談みたいなことを言いますが、iPad miniの最強周辺機器はiPad miniです。

iPad miniのいいところは作業環境を全て持ち歩くとしてもほとんど全部A5サイズ程度のポーチに収まってしまうところです。私も持ち運ぶ時はキーボード以外は全て宝島社から付録本として出ていたクロッキー帳デザインのポーチに収納しています。

ただこれをフルセットで持ち歩くことは滅多になく、持ち歩く時はもっぱら作業用の一台とペンシルと左手デバイス(後述)だけカバンにポイっとつっこんで持ち歩いています。フルセット使用は主に自宅のちゃぶ台で作業する時です。

メイン機には背面保護ケースとペーパーライクガラス(フィルムじゃなくてガラス)、ペンホルダー、後述するMOFT Snap On用のマグネットシールを取り付けています。

ペーパーライクガラスは以前別のサイズのiPadを使用していた時からずっと使っているのですが、ガラスフィルムの丈夫さとペーパーライクフィルムのざらつきを両方備えていてとても使い勝手が良く気に入っています。

iPadをポーチ等に入れずにそのままカバンに突っ込むことが多いのでペンホルダーがあることでカバンの中でペンシルが行方不明にならずに済みます。
ペンホルダーはiPad用のものでなく手帳用のものを背面に貼り付けて使用しています。こういう貼り付けタイプのペンホルダーはきちんとした製品を買うと素材がしっかりしすぎていてさすがにケース越しにはペンシル充電ができないのですが、こちらは安価な分素材が薄いのでケース越しに貼ってもペンシルの充電ができます。

傾斜をつけて立てるためのスタンドはMOFT Snap Onを使用しています。普段は薄べったく畳んでおくことができ、折り方を変えることでいろんな角度をつけることができます。MOFTには粘着タイプもありますが、たまたまアウトレット品が安くなっていたので取り外せるマグネットタイプにしました。結果としてマグネットシールを買い足すだけでiPad2台間で使い回せて重宝しています。

便利グッズの他には輝くマツケンサンバシールを貼っています、縁起が良さそうだから…。

背面は上の写真のような感じになっています。
よくあるフラップケース(風呂蓋タイプ)は以前別のiPadを使用していた際に蓋が邪魔!となったので使用しておらず、メイン・サブともに背面保護のみのシェルケースを使用しています。でも背面ケースって風呂蓋と比べるとあんまカラバリとかかわいいデザインの無いんだわ…!かわいいパープルのケース、メーカーは忘れたのですがまあまあいいお値段した気がします。

サブ機はクリアの背面シリコンケースと普通の保護ガラスとMOFT Snap On用のマグネットシールを取り付けています。資料や動画を閲覧するだけでペンシルやキーボードは使用しないので、メイン機よりやや簡易です。

次は入力デバイスについてです。

ペンシルはメイン機用に一本のみです。
ペン先を金属製の極細タイプにしています。一時期大変SNSで評判の良かったMEKOというメーカーの金属芯を使っていてペン先も細く確かに軽い筆圧なら使いやすかったのですが、内部のセンサー接触部のあたりが強目に作られているので筆圧が強い自分には誤作動が多くあまり合わなかったようで現在はエレコムのものを使用しています。

キーボードはLogicoolのKeys To Goを使用しています。薄さと携帯性と引き換えに打鍵感がボロクソ言われがちなキーボードなのですが自分はあんまり不満なくプロット制作やセリフ打ちに普通に使っています。最近新型が出て色々良くなっているらしく、気にはなっているのですがモバイル用にしては安いキーボードではないので悩んでいるところです。

クリスタ使用時の左手デバイスとして8bitDo microを使用しています。
元々人気のあった前モデルの8bitDo ZEROからの乗り換えで使用していますが、キーの増加やキー割り当ての自由度の向上、接続方法が簡単になどすごく便利になりました。
一般的な用途のツール切り替えに加えて、iPad miniは画面が狭いため作画中はほぼ全てのツールパレットを閉じて使用しているのですが、ホットキーを8bitDo microに割り当て、必要に応じてツールパレットを開閉できるようにしています。こいつのおかげでiPad miniで作業ができていると言っても過言ではない…!

iPad miniを使う理由

私がiPad mini 6を購入したのは確か去年(2023)の年明けで、漫画のネームをやるためだったと記憶しています。しばらくお休みしていた商業誌での執筆をなんとか復帰できないかと2022年末あたりから色々動いており、そのために購入したはずです。

好きな作家さんが「漫画は最終的には単行本になるので単行本と同じB6でやっている」と言っていたのでB6サイズじゃーんと思ったのも大きいです。
ネタメモもおおむねB6サイズのロルバーンノートのLサイズに取っていて、サイズ感が同じなのでノートとiPadを小さくぎゅっと重ねて持ち運べるのも気に入ってるところです。

一方で完成原稿についてはやってみたらできた…!という感じです。
先日やらないといけない原稿があったのですがちょうど患っている病気の鬱期に入ってしまいPC机につけない状態で、なんとか布団から出ずに原稿が出来ないか…と枕元に置いたiPad miniでやってみたら全然商業誌サイズ見開きの作業ができてしまったという感じです。

私があんまり重い3Dなどを使わないのもありますが、iPad miniは実は結構性能が高く、Mチップになる直前のProとそんなに変わらないくらい性能があります。以前商業誌で連載をしていたときは第6か7世代の無印iPadで原稿をやっていたので、性能的には申し分ないはず…という目論見もあったのですが、実際できるとは…!

画面の狭さは思ったより気になりませんでした。ネームで使い慣れていたのと、画面にかなり顔を近づけてちまちま描くタイプなので…目が悪くなるのでそれは改めたいかもしれない。

実は以前12.9インチのProを持っていたこともあるのですが、20インチクラスの液タブもあると13インチは帯に短し襷に長しであまり使わなくて手放してしまいました。iPad mini 2台は重ねて持ち歩けるけど12.9 Proは折り畳めないしね…。

今から買っても大丈夫?

大好きで愛用しているガジェットなので熱弁してしまいましたが、現行機種のiPad mini 6が発売されたのは2021年です。もう2〜3年ほど新型が出ておらず、新型がぼちぼち出るんじゃない?という噂もあります。円安の影響で値段もガンガン上がっています。
正直今から新品・定価で買うのはあまりお勧めしないです。

ただ、これだけ熱弁を振るえるいいタブレットなのも事実で、もしかしたらこの記事きっかけに今から使ってみたい!という人もいるかもしれません。

なので私のおすすめは「整備済み品や状態の良い中古を買って綺麗に使って新型が出たら下取りに出す」です。

私も2台目のサブminiは中古で買いました。Apple製品は中古買取額が結構良い傾向にあるので、綺麗に使っていればひとつ型落ちくらいなら半額〜3分の2で買い取ってもらえると思います。新型が出るまでの繋ぎにはちょうど良いのではないでしょうか。

おわりに

冒頭にも書いた「絵描きならiPadはPro一択」説、私はそんなことないんじゃないかなと思います。
私はこれまで結構iPadを買ってきたのですが、経験則から言うと多分1番安い第9世代・第10世代の無印iPadでも3D素材はあまり使わずA5の同人誌とかをメインに作りたい!とかならよっぽど困ることはないはずです。

自分の用途・予算とよく相談して1番ちょうどいいのを買えば良いと思います。
それがたまたま自分にはminiだったというお話でした。

最近では有名アニメーターの吉成曜さんがiPad miniで作画しているのが話題になりましたが、サイズの都合もあり万人向けとは言い難いのですが意外とminiでも出来る作業が多いのはもっと広まるといいなと思います。
小さいけどとっても便利だよ、mini…!

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