本能

男の人が果てたあとに母性200%になるのはもうどうしたって本能なのだろうな。お前はわたしから生まれた…くらいの気持ちになる。胸に抱きしめて頭を撫でまわすがそれくらいではこちらも収まらないし、愛おしさが伝わらないって思う。わたしたちの子供たちの種が夥しく散布されたあと言い様もない母性が溢れてくる気持ちになるのは、きっとすごく理に適っているというか、自然界に従っていることなのだと思う。男と女のつがい性について想いを馳せる。

そして昨日は、手を握るとかそれを引き寄せてキスをするとかのすべての行動が恋人きっかけみたいな珍しい積極性を見せられたのと、そのキスがホワイトチョコと白ワインですごく甘かったのと、会いたかったよって何度も何度も言い合いながらしたのとで、非常に気分が昂ったのだと思う。

2017年9月6日

音楽仲間のコンサートに来ている。大変爽やかなピアノが響いている。それなのにわたしは恋人をいかせた一連の流れを頭の中で反芻しながら大真面目に前回の行程を復習している。

カーテンコールとなりピアニストの彼に花束を渡す方々がステージに詰め寄る感動のシーンだ。BGMにはアヴェマリア。静かに癒されながらわたしの想像も最高潮。恋人を立ち膝にさせて舐めてあげながらわたしもどんどん溶けていく。愛し合うごとに、森は濃密になる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?