土日はシラフでいられない。

月曜日攻略完了。
お疲れさまでした。

土日の日記を書いていない。
なぜならずっとシラフでなかったから。
とにかく退廃的な週末を送りたかったんだ。
体の中から正気だけを追い出して何も残らない。
土曜日はずっと家にいて風呂にも入らなかった。
誰に会うわけでもないんだ。体を清潔にして何になる。
日曜日は食材を買いに出かけた。
頭はふわふわしている。
昼間の世界で僕は酔っていた。
それでも誰も指摘しないし、怒るわけでもない。
世界は僕をほっといてくれていた。
そこまで大それたことではないけれどそう思う。
こうやってすぐに大きく考えるのは僕の悪い癖だ。
小さなことで一喜一憂してしまう。
そのせいで日ごろ疲れているんだ。
酔っ払っているとそこらへんが大雑把になる。
感覚的に食べたいものばかりを買った。
冷蔵庫が欲望で埋め尽くされている。
可笑しくなった食欲に任せて大量に食べてしまった。
お腹が膨れているのかもわからない。
このまま何もわからないまま生きていきたいんだ。
何も知らずに。そのままずっと。

そんな夢が叶うわけはなくて月曜日はやってきた。
重たい体を引きずりながら会社に行く。
今日のやることを確認する。
なんだかこまごましたものばかりで絶妙だ。
でもどうにか乗り切った。
余り仕事のことを家で思い出したくないんだ。

家に帰って土日の自分のケツを吹く。
汚れた部屋、積みあがったゴミ、たまった洗い物。
仕方がない。土日の僕を甘やかしたんだ。
ご飯もしっかり食べよう。
できるだけ長く寝よう。
平日の僕は正しくないといけない。
頭の中が「生きる」ことでいっぱいになったってそれがバレてはいけない。
どうやったらちゃんと生きることが出来るかなんて知らない。
しいて言うなら土日に正気を失うしかない。
半狂乱で生きていこう。
いつの日か掛け違えたボタンはもう取り返しがつかなくなってしまったみたいだ。
もう止まることはできないんだ。
僕はもうすでに洗濯をしてしまった。
あとは進むだけ。
目を瞑って耳をふさいで泣きながら走ろう。

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