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アメリカン・フットボールとビジネス戦略【SWOT分析・パスプレー】

 アメリカン・フットボールは戦略的なスポーツである、とはよく言われていることだが、それでは、本当にそうなのか、それなら、ビジネス戦略の理論に結びつけることはできないか。少し強引かもしれないが、ちょっとやってみた。

SWOT分析

 SWOT分析、という手法がある。ビジネスで、自分や自社の強み(Strength)と弱み(Weakness)という内部要因と、ビジネス機会(Opportunity)とそれを阻害する脅威(Threat)という外部要因を分析し、それらの要因から戦略を導き出す、という手法である。
・強みを生かして機会をとらえる → Strength x Opportunity = 積極戦略
・弱みを補い機会をとらえる → Weakness x Opportunity = 改善戦略
・強みを用いて脅威を取り除く → Strength x Threat = 差別化戦略
・弱みを理解し脅威に備える(もしくはあきらめる)
  → Weakness x Threat = 防御・撤退戦略

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パス・プレーをSWOT分析 

 さて、ここからが本題。アメリカン・フットボールの戦略にこの理論を生かせないか。たとえば、攻撃の基本プレーの一つであるパス・プレーに適用してみよう。
 まずは、パス・プレーのSWOTを分析してみる。

 パス・プレーの強みはなんといっても、成功すれば一気にロングゲインが見込めることだ。ワイドレシーバー(WR)が守備側の選手を抜き去ることができれば、一発タッチダウン、という可能性もある。

 弱みは時間がかかること。ランニング・プレーと違い、クウォーターバック(QB)が一度後ろに下がり、セットして、レシーバーを探し、そして投げる、という一連の動作が必要になるため、どうしても時間がかかる。つまり守備側にも対応する時間を与えてしまう、ということ。

 機会としてはいろいろあるが、総じていえば、守備側の盲点をつく、ということになろうか。ゾーンの切れ目を見つけることができたりとか、明らかにランプレーを止めに来ている、など、パス・プレーを選択するのがベスト、というシチュエーションは数々訪れる。

 最後に脅威であるが、これは機会の裏返しではあるが、守備側の読みがあたってしまうことだろう。ラインバッカー(LB)にブリッツされてQBサックを受けたり、守備側のアサイメントがあたってインターセプトをされたり。

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パス・プレーの戦略

 では、これらから導かれる、パス・プレーで考慮すべき戦略はどうなるだろう。

・Strength x Opportunity = 積極戦略 
これはもう単純だ。守備側の盲点が読めたらもうこっちのもの。ゾーンの切れ目やラン警戒の守備側の裏側へのパスでロングゲインを狙える。

・Weakness x Opportunity = 改善戦略 
パス・プレーの弱みを最小限に抑えるには、やはりクイックパスだろう。時間をかけず、レシーバーとのタイミングで素早く投げ、守備側に反応する時間を与えない。うまく守備側のスキマをつくことができればロングゲインの可能性もある。

・Strength x Threat = 差別化戦略
正攻法ではあるが、個の強みを生かすことが成功につながる。ブリッツにも対応できる強く素早い攻撃ラインをつくる、チームで一番信頼できるレシーバーをパス・ターゲットにする、など。

・Weakness x Threat = 防御・撤退戦略
守備側の読みがドンピシャ当たってしまい、QBサックをされそうになったり、どこに投げてもインターセプトされそうだったら仕方がない。その時はQBの防御能力に頼ろう。パスを投げ捨てる、もしくはスクランブル発進で少しでもゲインを稼ぐ。

図に書くと、こんな感じかな。

SWOTパス

 MBAを取得しているような、経営論やマーケティング論のプロの方からすると「なんだそれ?」となってしまうかもしれないが、そこはご容赦願いたい・・・。

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