ボカロのニュースと曲からボカロを語る：IAが登場した頃について 〜IA 誕生6周年記念〜
「VOCALOID3 Library IA -ARIA ON THE PLANETES-」は、今日2018年1月27日の6年前、2012年1月27日に1st place社から発売されました。この記事では、IAが登場した頃について、当時のボカロの状況や関連動画に触れつつ、振り返ってみたいと思います。
2012年1月27日のボカロについて
2012年1月27日の半年前くらいから振り返ってみます。2011年7月にアメリカ・ロサンゼルスで初音ミクが初の海外公演「MIKUNOPOLIS」、9月に朝日新聞で初音ミク特集、12月にGoogle Chromeが初音ミクを起用したCMを公開といった出来事がありました。
それまでボカロはネットを中心に盛り上がっていましたが、この頃から一般の人達にも、初音ミクを始めとしたボカロの存在が知られてきたように思います。
2012年1月頃に発売されたボカロCDも見てみましょう。dorikoさんがベストアルバム、八王子Pがメジャーデビューアルバム、 daniwellPも初の商業アルバムを出しています。
「花束~the best of doriko feat.初音ミク~」クロスフェード動画
【八王子P メジャーデビューアルバム】electric love【クロスフェード】
【全曲クロスフェード】Nyan Cat / daniwellP feat.初音ミク、桃音モモ
また、2012年1月24日の週刊VOCALOIDランキングでは1位が40mPの「ドレミファロンド」でした。
ちょうどこの記事を書いている2017年1月に、「ドレミファロンド」を「けものフレンズ」のどうぶつビスケッツ＋かばん×PPPがカバーした動画が公開されて話題になったりしていますね。その「ドレミファロンド」が公開されてから6年も経っているのですね。
2012年1月頃に出版された本も紹介します。カラオケでボカロ曲を歌う人達のための本が2冊発売されました。
「Gekkayoボーカロイドfan Vol.4」が発売になったらしい件
この頃にはボカロ曲がカラオケで歌えるようになっており、カラオケで歌われるボカロ曲のランキングが発表されたりしていました。されるのも珍しくなくなっていました。
2011年カラオケ年間ランキング、アニメ・ボカロ・東方などはこんな感じ
IAの登場
2011年の6月、ヤマハは、さらにリアルな歌声になったVOCALOID3を発表します。既存ボカロのVOCALOID3化だけでなく、新しいボカロもいくつも発表されました。「蒼姫ラピス」「IA」「CUL」「兎眠りおん」「Mew」、「結月ゆかり」が2011年に発表されました。次々と発表される新しいボカロに、食傷気味な空気も一部ではありました。
そんな中にあってIAは、ゲーム・アニメ「AIR」の主題歌「鳥の詩」などで知られ、「クリスタルヴォイス」の持ち主とも呼ばれる、歌手のLiaさんが歌声を提供したことで注目を集めました。
また開発・販売が、それまでのクリプトン社やインタネ社、AHS社のような音楽ソフトウェアを扱う会社ではなく、Liaさんが所属する音楽事務所の1st placeだというのもユニークな点でした。加えて、ボカロを使った作品は、プロではないアマチュアが制作して無償で公開することが多いなか、それとは対称的な商業音楽を扱う音楽事務所がボカロを販売するという意味でも、1st placeは異色の存在でした。
1st placeは発売日前からプロモーション活動を開始します。10月に音系オンリー即売会「M3」に出展しベータ版を展示、12月にはデモ曲を公開しました。
【イア(IA)】鳥の詩（ Ver.IA(β) ）【VOCALOID3】
IAさんの「中の人」Liaさんの代表曲のカバーもその中にありました。β版とは言え、Liaさんの歌声の再現度の高さが分かる動画です。
そんなデモ曲の中には、じょんさん作の初音ミク曲「メテオ」のIAカバーも含まれていました。
これを聴いた当時、原曲を知らなかった私は、楽曲の素晴らしさもあいまって、IAの高音の伸びや煌びやかさに心動かされたのでした。
この「メテオ」をLiaさんが歌うカバーも同時に公開され、投稿2日目で16万再生を超えるなど、注目を集めました。
IA発売時のプロモーション活動に話を戻しますと、このようなデモ曲を公開するのに加え、IA β版を使った曲を収録したコンピCD「IA/00」を制作し、コミックマーケット81などで販売しました。発売日の1月27日には、マンガ雑誌「電撃マオウ 2012年3月号」にIAのポスターが綴じ込まれました。
7周年を迎えたIAについて
こうして登場したIAさんですが、その後は順風満帆という訳ではなく、人間でないバーチャルシンガーのプロモーションという未知の領域に1st placeも試行錯誤したり、ボカロ界隈のクリエイターやファンと合わない部分もあったりと、紆余曲折がありました。そのあたりは、また別の機会に語りたいと思います。
しかし今年で7年目を迎えるIAさんは、多くの曲が作られて再生数を集め、動画やイラストもたくさんネットに上がり、人気のボカロの１つと言って良い存在になったと思います。IAオンリーの同人イベント「IA Revolution」や「IA holic」が開催されるなど、ファンによる同人活動も盛り上がりを見せています。
2015年には妹分のONEも登場、2017年にはIA Talkが発売されてトークもできるようになりました。1st placeは、2人が登場するラジオ番組「ARIA ON THE RADIO」を公開するなど、新しい展開が出てきました。IA公式のライブも、2015年にはIA3周年記念イベントでのARライブや、赤坂BLITZでの単独ライブを皮切りに、アメリカやイギリス、オーストラリア、コスタリカ、中国など、海外でのライブ公演も積極的に行うようになりました。IAは海外でもファンを集めており、海外公演も盛り上がるようです。
今年4月には、再び赤坂BLITZでアンコール公演が予定されており、日本での単独公演は約3年ぶりです。こちらも楽しみです。
また、6月にはフランス「デジタルアートフェスティバル」内で、新しい公演「MUSICAL & LIVE SHOW 2018 “ARIA”」を行うことも発表されています。
ますます活躍の場を広げるIAさん。これからもLiaさん譲りの透明感のある素敵な歌声を、たくさん響かせて欲しいと思います。
最後に
この記事の最後は、IA発売日の2日後にぺぺろんPが投稿したこの曲で締めたいと思います。
VOCALOID3 IA「blessed child」(オリジナル曲)
ぺぺろんPの神調教で、IAの歌声の響きや揺らぎが素敵な歌です。ドラマティックで感動的なサウンドに乗せて、IAさんが綺麗な歌声を響かせ、IAの真骨頂はここにありと思わせます。
曲のタイトル「blessed child」の意味「祝福されし子供」のように、7年目を迎えたIAさんに祝福がありますように。
参考URL
この記事を書くに当たって、下記のサイトを参考にさせて頂きました。
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