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踊らない観客が「推しの作法」を綴ってみた

序章


 筆者が初めて「コピーダンス」を見たのは、2013年頃だと記憶している。
「ラブライブ!」1期TV放送開始当時、視聴可能エリアの高校文化祭で一斉に披露された”スクールアイドル”μ'sのコピーダンスは、アニメの衛星波放送やディレイネット、萌芽し始めた配信により、全国的になる。
μ's人気は当然のように女性から男性に、ゲームオタからアニオタに拡大し、大学生が学祭でそのコピーダンスを披露する事は必然だった。
2014年秋の学園祭シーズンには、既にμ'sのコピーダンスユニットが結成され、μ'sのライブ参加者とのコール&レスポンスを交え、披露されている。

 ラブライブ!の盛り上がりを知りつつも傍観していたアニオタの筆者も、μ'sのライブTシャツとタオルを纏いオタク棒複数持ちで飛び跳ねながらコーレスする大学生フォロアーさんの姿を見て、ただ事ではない意識を持った。
 今思うと2014年秋に『ラブライブ!コピユニ用』の♫Wonderful Rush衣装が流通していたという事実は驚きである。なおそのコピユニで踊っていた長身の男性が、アニクラゲーム音楽イベントで前述の衣装を纏ってDJプレイしていた姿が、忘れられない記憶となっている。

 そして2015年初頭、μ's 5th SSAライブをLVで鑑賞した筆者はスクフェスで鍛えられ、2016年春のμ's Finalでは完全見切れ席から、オレンジに染まる東京ドームを見る機会を得る。

推し様との出会い

 2016年。息子達が地元自称進の特進に進学してしまう。
特進特典として高校側から・指定校権利剥奪・国立大自力進学・自己啓発合宿連行の次に言い渡された指令が『超難関大学が5月に開催する学園祭潜入』…「お父さん、やっぱり〇大すげーよ。”やらないか”※1 とかラブライブ踊ってた」…息子達は往復1000円(バス日帰り)で行けた超難関大の学祭を興奮気味にそう語った。
「〇大のラブライブか、生で見に行くか」と思った父は、今に至る推し様のパフォーマンスに魅了されることに…

※1:ハ〇プロ曲リスペクト替え歌。テレ東エリア外在住なので詳細不明

大学LLコピユニ「推しの作法」

 特に知り合いでも無く、一切の接点を持たないのであるなら、
・ただ静かに応援をする
・せめて推し様担当キャラのメンカラオタク棒を振って応援
 それだけである。

 そもそも、推し様が決まる前も決まった後も、
「歌割りパートやキメダンスパートの演者を追う」
事は、LLコピユニさんの舞台を拝見する際の鉄則
であり、
現在もその楽しみ方で「過去の記憶」を呼び覚ましている。
(個人の感想です)

コピユニの特徴と演者様の個性を感じよう

 筆者は全く踊らない。舞台に立つ経験は多かったが、踊りはしない。
ただ、長い間ブラバンや式典で培った舞台上の礼儀やしきたりを知った上で、言いたいことは
 「推しだけを見るムーブは勿体ない
敢えて全体を曲に合わせて見渡すと、コピユニの絶対的な特徴から練習量、衣装・装飾品・小道具の微細なこだわりに至るまで見えてくるし、演者様の特徴や個性が明確になる。ジャンプ後の足音の揃い方など鳥肌物である。
加えて、前方の応援団の雰囲気やスタッフの立ち居振る舞いまで見えてくると「推すべきコピユニか」「推すべき演者様か」の答えすら出る。

綺羅星のごとく輝く個性を持つ演者様は、今でもリスペクトして追っているし、性別を超越し「女性らしさの表現」を追求し続けている演者様は、今でも憧れの対象である。そして8年推し続けている演者様のパフォは、笑顔と元気と頑張るび…気力を与えてくれる。
完璧なフォーメーションを終演までキープ出来るコピユニさんには惜しみない拍手を送るし、本公演前のサブ公演で近いファンの口上やオタ芸とシンクロさせているコピユニさんには、驚きつつも笑顔で拍手を送ったりもした。

人として一線は越えない

 最近、順位が絡む別界隈で残念に感じた事があったが、それは全くの無知と事実誤認であった。(※以下、私の事実誤認を消去せずに残します。私も後にマスク越しですが推しの名前を精一杯コールするに至りました。↓)
じたことなのだが、声出し解禁で高まっているのかと思いきや、審査員に圧を掛ける結果となり「褒め落とし」になっているのでは?と思う大声コール勢が存在する。
現状でも「周りの皆様に迷惑な大声を出すこと」は、多くの現場で違反行為となっている。(※順位が絡まず、無銭で身内に近い現場なら否定はしない。)少なくとも推しを推す表現としては首を傾げざるを得ない。

学生アイドルサークルに対するスタンスは、決してプライベートに踏み込まず、その刹那の輝きが推し様卒業後の人生に豊かな経験として大いに役立って欲しいという期待であろう。
まあ、
”あ~推しが今日もかわいいんじゃあ~♡”
と思うのは、3次元派男性共通の感情である。(断言)
筆者も複数の大学LLコピユニ等で”秘密兵器”的な演者さんのお披露目に何度も遭遇し、”みんな○△山に集合~🌸”とか”うぉ~🍙優勝~っ!!”とかTweetした経験があり、悔いは無いが歳甲斐は無かったと反省している。
とはいえ、汗にまみれ練習した成果を惜しげもなく披露してくれている演者様への”愛”の熱量は、スマホが溶ける位アンケートやXでの公開感想ポストにぶつけ、次の公演へのモチベーションを高めていただいたり、学業や就活への励みに変換していただければ良いなと思う。

推し作法まとめ

・気に入った(≒推しが出来た)LLコピユニ様をパッケージで追う
・推しだけを見たい気持ちを超え、全体の中での推しの輝きを感じる
・SNS等での告知や、公演後のアンケート、公開SNS経由での公開感想に心を込めて反応する
その積み重ねで、推し様に顔だけでも覚えてもらえれば、十二分な満足度ではないでしょうか?

大学LLコピユニの多くは手弁当であるという認識と感謝を!!

筆者の行動範囲は関東近郊と南東北であるが、大学祭で入場料を支払った経験はない(近年SDGsの観点で拡大しているパンフレット有料頒布制は除く)
し、大学LLコピユニや、一部のLLコピユニの単独公演も同様である。
その事実を踏まえた上で、多くの学祭公演・単独公演で、演者様との交流時間が設けられている。これは「無償の愛」そのものである。
女性と目を合わせる事が苦手な筆者も、当初は男性の演者様の衣装を触らせてもらったり、機材を説明してもらう内にプロユース物だと知ったり、スタッフの腰痛の心配や小道具の某国国旗を撮影させてもらったり、配達されたピザを見せてもらったり、大変有意義な時間である。
感謝しかありません

『しぇあらぶ!』に期待する理由(わけ)

 コピユニアドカレ2023読者で知らない方はいらっしゃらないかと存じますが、来る2024年5月に、全国のラブライブ!シリーズのコピユニさんが集う機会が設けられました。
 交流会の積み重ねが功を奏し、現実のスクールアイドルフェスティバルが間もなく結実しようとしています。
既にUNIDOLさんやSHAKADOLさんに匹敵する団体がエントリーしており、目指す具体的な未来は未知数ながら、世代を超え、LLコピユニの新たな未来が切り拓かれてゆく予感がしています。

2023年12月12日
最推しの誕生日に記す 
なすののぞみ

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