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春を感じ取る。

今年は雪も少なく春が早いのかもしれないなぁ

けどこの後、寒の戻りが来て意外に例年通りに

なってしまうかもしれないけど。


先日、ご来店のお客様。

ハーブの種を3つレジに持ってきて

「この種っていつ頃蒔けばいいですか?」と。

まだ若く、育てるのは初心者の様子。

「お住まいはどちらの地域ですか?」

「すぐ近くなんです。最近引っ越ししてきて・・」

こうなると、どう伝えるのがいいのかが難しい。


お客様とお話していると

どうしてもそうなってしまうのだけれど

種まきは何月から何月の間で、という情報の通りにすれば

間違えなく育てられると思っている方が多い。


「そーですねー種袋の裏に書いてあるのは一つの目安にして、

この地域にお住まいでしたら、農家さんが田植えをする頃に

この種を蒔いてください」

「え??」

今シーズンのように大きく天候がずれている年に

最適な頃合いで種を蒔くのは難しい。

私自身、何度も失敗した。

ある年の4月。暖かい日が続き、はやる気持ちで種蒔きをし

首尾よくいつもより早く芽が出て、「今年はいいぞぉー」などと

喜んでいたきたタイミングで寒風が吹き全滅してしまった経験もある。 

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そんな中見つけたのが

一面に広がる田んぼのど真ん中に構える一本のこぶしの樹。

春いちばんに白い花を咲かせ

その姿がとても綺麗で何度も写真に収めていたのだけど

この樹、農作業の邪魔にならないのかなーとぼんやり思っていた。

が、この光景をあちこちでみかけ、樹に意味があるとこを知った。

なるほどー昔の農家さんはこぶしの樹を指標に

田植えの時期を決めていたんだなー。


この事をお客様に伝えると

納得されて、「よく周りを見るようにします」と笑顔。


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最近になり、「角ぐむ(つのぐむ)」という言葉を知った。

早春、草木が角のように芽を出し始める。芽ぐむ。(短歌創作に役立つ辞典 司代隆三編著)

自然の移り変わりを細やかに描写する日本の言葉。

「芽吹く」以前の言葉に触れた驚きと、

古代の人が固い草木の芽が膨らみ出すのを待ちかねている

その眼差しを感じ取れ、なんだか、おしい気持ちになった。

先人はずっとそんな暮らし方をしていたのに

すっかり忘れちゃっているんだなー

今年は感性をフルにして春を感じ取ってみよう。

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