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那須高原だから出来るんです。


(注意!途中で虫の画像が出てきます。)


農園の中では草も虫もハーブも基本的には、自由にしてもらっている。

農園案内の時に多いのが、「それで虫にやられませんか?」というご質問。

草や虫が自由にするといっても、

必ず大きな「働き」が作用するようになっていて

そう簡単に自由にはびこることは出来ない。

お客様には、前回書いたアブラムシのことをご説明して

更に

「実は、那須高原だから大丈夫なんです」と伝えています。



「自然栽培」は、その「自然の摂理」の中で行う栽培方法。

なので、都市が近い所の様に

自然の摂理が働きにくい場所で実践するのは難しい。

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那須高原は、自然環境がとても豊か。

それは、

ちょっと逆説的なのだけれど、人が住めなかった地域だからなのだ。

❞栃木県の那須野ヶ原は、大阪市の二倍近い約四万ヘクタールという   広大な平野でありながら、古代から一度も耕されたことのないという無人の原野でした。水がなかったためです。❞

誰もが知っているはずなのに 誰も考えなかった農の話 金子照美著

明治以降、那須疎水の完成や戦後開拓などで農地として広がり

昭和から平成のリゾート、別荘開発を経て現在の形になってきた。

古くから人々の暮らしのある一般的な里山では、

多くの山が杉や檜などの植林が行われて山も一種の農地となり、

森の形はしているが単一の植生で生態系が薄い。

その点

那須高原は人が暮らせるようになった期間がまだ浅いために

多種多様な樹々が残り多くの生態系を支えている。底辺が厚いのだ。

よって、

この農園で沢山の虫が増えることはまずない。

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以前書いた様に、蜘蛛の巣のように張り巡らされた関係性の有る

沢山のライバルの生きものに生息域が広がらないように押し返されるし、

どこからともなく沢山の鳥が来て虫の数を調整してくれる。

この様に、那須高原は

生態系ピラミッドの調和を保つ機能が強く備わっている地域。

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ワインの用語で「テロワール」という言葉がある。

言葉本来の意味はちょっと違うが、一般的な意味合いとしては

作物が育つ気候風土を反映した味わいを指す。

豊かな生態系の中で育ったハーブには

那須高原のテロワールが色濃く反映される。

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一杯のハーブティーの中に多様性の調和が織りなす

エネルギーをギュッと凝縮させる。

それこそが豊かな那須高原で「自然栽培」を行う醍醐味。

そのいきいきとした香りに触れたとき、

あーおいしいーと自然に言葉になり、

幸せな気持ちになっていただける

豊かさを味わっていただける。

そう信じて、

自然と対話を繰り返しながら

コツコツとハーブティーを作っているのです。




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