コーヒーで不整脈が減るかもしれない
コーヒーの摂取量が増えると不整脈リスクが減る可能性があります。
Coffee and Tachyarrhythmias: Where's the Evidence?
JAMA Intern Med. Published online July 19, 2021. doi:10.1001/jamainternmed.2021.3616
【背景】
これまでカフェインは生物学的に血清カテコラミン濃度を上昇させるなどによって不整脈との関連が言われていました。
しかし、最近では1日1~3杯のコーヒーを摂取する習慣のある医師で心房細動のリスクが少なかったという報告や、コーヒーの摂取習慣がある人は、摂取しない人と比べてが心房細動のリスク低いだけでなく、癌、糖尿病、心血管疾患、および全体的な死亡率の低下を認めたという報告もあり、コーヒーの健康上の利点を報告する研究もあります。
今回の論文は英国の40-69歳の人を対象に、コーヒーの摂取習慣を質問票で調査し、その後12年間に渡って不整脈のイベントが発生したかどうかを外来・入院患者の記録からICD-9, ICD-10(国際的に統一した基準で定められた死因・疾病の分類)を用いて評価しました。
【結果】
結果は、コーヒーを1杯接種が増えるごとに不整脈のリスクが3%低下していました。下記のFigure1の表はコーヒーの摂取習慣(なし、0-1杯、1-2杯、3-4杯…)に応じて不整脈の累積発生率を示しています。摂取量が多い人ほど不整脈の発生が少ないことが示されました。
各不整脈ごとに評価を行った解析では、心房細動、心房粗動、上室性頻脈が有意に少ない結果でした。(下記Figure2)
【結論】
今回の前向きコホート研究では、コーヒーの摂取量が多いと不整脈のリスクが低いことと関係があった。
【個人的感想】
「不整脈がある方にコーヒーは飲みすぎないようにしましょう」と言った時期があるかもしれませんが、最近の研究結果を参考にすると、「コーヒー飲んでも大丈夫ですよ」になっているのかもしれません。
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