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【追悼】坂本龍一さんと変イ長調の森

坂本龍一さんがお亡くなりになりました。哀悼の意を込めて、ここに坂本さんと私とのご縁を綴っておきたいと思います。

初めてお会いしたのは2009年4月24日、私の暮らす下川町で。坂本さんは森林保全団体 一般社団法人 moretrees の代表として来町され、私はNPO法人森の生活の代表として取り組みを紹介する機会を得ました。その時の様子をブログに記しています。

月曜日、1泊2日で坂本龍一さんが下川に来てくれて精油の蒸留工場にも寄ってくれました。さすが音楽家だけあって、葉っぱの枕を手にとってすぐに「いい音」との感想。

Web記事にはなっていませんが、名寄新聞によると
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坂本代表がアカエゾマツの枝打ちを体験し「いい香り。この森は、音楽にたとえると変イ長調。濃厚だけど洗練された森」と感想。
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と、ここでも音楽家らしい発言。ボクも「この○○は、森にたとえると...」なんて言ってみようかな...まだその域には達してないですね。

夜の懇親会でもご一緒でき、「不都合な真実」の売上金で作った温暖化防止Tシャツをプレゼントしがてら、坂本さんのロッカショなどの活動とリンクして下川のみんながローカルアクションもやってることをご報告。

今後いろんな面でさらにシンクロ率高めていけたらなぁと思います。

そうそう、エコマガジン『ソトコト』の付録だった坂本さんプロデュースのエコバッグにサインもらいました!坂本さんとニューバランスのコラボモデルの五本指ハイソックスも持っていて、ワタクシなかなかマニアックなのです。

余談ですが、地域通貨をやっていた頃に一緒に活動していた西部先生が、本で坂本さんと対談していて、その頃からいつか下川で会えそうなイメージがあったんですが、ようやく実現しました。イメージは具現化する...自分の中の実例がまた1つ増えました。

今回の訪問は地域通貨とは関係ないように感じる方が多いかもしれませんが、根底にあるのは一緒だとボクは思っています。

山村起業サイト『森の時間でスロー起業』

ちなみに、このブログ記事のコメント欄に変イ長調の曲を調べて紹介してくださった方がいて、それ以来、この森をガイドする時にはショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」を流すのが定番になりました。

北海道新聞のホームページに当時の動画がまだ残っていますね。

枝打ちのクローズアップは more trees さんのチャンネルに。

五味温泉の懇親会の席で挨拶を求められた坂本さんが、とても恐縮して恥ずかしそうにお話しされていたのが印象的でした。世界の坂本と称される超有名人なのに、とてもシャイで謙虚な方なんだなと。

さらに後日。坂本さんが札幌でコンサートを開き、そのチケット代にはカーボンオフセットの代金、つまり more trees での森づくり費用が含まれているとのことで、ぜひこの目で見たい、この耳で聴きたいと会場へ足を運びました。

ピアノの音色にうっとりと、それだけで大満足だったのですが、なんと楽屋へご挨拶に行くことができたのです。

終了直後、それもピアノ・ソロのコンサートでお疲れのところにも関わらず、今後の more trees のことを熱心にお話しいただいた記憶があります。

「あぁこの人は音楽家としてのイメージアップではなく、社会活動家として本気で取り組んでいらっしゃるんだな」と感銘を受け、自分ももっと頑張らなければと勇気づけられました。

あれからもうすぐ14年。成長したアカエゾマツの森、変イ長調の森をいつか一緒に歩きたいと思っていましたが……今年は雪解けが早いので、林道が開通したらまたあの森に会いに行こう。一緒に行きたい方がいたらお声掛けください。

それまでは、坂本さんが残した音楽の森を散策することにします。

memento mori

バーカウンターで「あちらのお客様からです」ってあこがれます。