コンピテンシー ~高業績者の行動特性
1970年代に米国で、学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出るのはなぜかが研究され、知識、技術、人間の根源的特性を「コンピテンシー Competency)」という概念が定義されました。その後、企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などと訳されています。
そして、その行動特性は、仕事のレベルによっても変わってくると思います。だれもが経験的にしっている大事なコンピテンシーの一つが「コミュニケーション・スキル」です。その後、これは「フォローワーシップ力」になっていき、最終的には「マネジメント力」及び「リーダーシップ力」となっていくと思います。
もう一つ大切なのは、「論理的思考力」です。ロジカル・シンキング、クリティカル・シンキング、ストラテジック・シンキングなどの種類がありますが、ようは「あいつは切れる」と言われる人たちが持っている特性です。コンサルタントには、これは必須の能力でもあります。
「行動特性」と言うと、持ってうまれた「性格」のような気がしますが、コンピテンシーは、トレーニングなどで、改善できるものです。
上の図のように、コンピテンシーは、管理職になればなるほど、個々の仕事の専門性より重要になっていきます。専門性は、仕事をとおしてOJTで培われる部分が大きいと思いますが、コンピテンシーの部分は、意識して自己啓発しないとOJTだけでは不十分だと思います。
若手の頃は、それこそOJTで仕事を一生懸命覚えて、専門性をあげることに注力すべきです。しかし、主任とかになっても、OJTだけでやると、「ピーターの法則」の「OJTの罠」にはまってしまうわけです。
「じゃあ、どうやってコンピテンシーを鍛えるんだよ」
という声が聞こえてきそうですね。これにはまず、「己を知る」ということで、他社からの評価を得るということから始めるべきですね。管理職の人は「他面評価」がそれに当たります。これで、自分のコンピテンシーの強み弱みを可視化して、弱みを強化していき、その進捗を次の年の他面評価でチェックするというプロセスです。
強化の方法は、論理思考などはそういう研修などもありますし、書籍で自己啓発する方法もあります。日々常に改善の意識を持つことも大切です。
管理職でない人は、一度、同僚の人たちにマニュアルで設問をつくってフィードバックしてもらうということをやる方法があります。自前多面評価ですね。ネットに、設問のサンプルとがが出ていますので参考にするのもいいでしょう。
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