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「林住期」「白秋期」~人生百年の半分の50歳から始まる最も豊かな黄金時期

古代インド哲学では、人生を四段階にわけて、「学生期」(学びの時期)「家住期」(家庭を築く時期)、「林住期」(家族や社会から離れ人生とは何かを考える時期)を経て「遊行期」(教えを広めるために旅に出る時期)と分けて考えられています。

何故が平均寿命が50歳もない古代に人生100年として25年間区切りで語られています。まあ、この数字はそれほど強調されていなかったと推測しますがが、「人生100年」の日本では、とてもしっくりくる年数の区切りになります。

つまり、50歳からは、「林住期」に入るよということです。日本では、五木寛之さんが、そのままのタイトルの『林住期』を2007年に出版したので、知られるようになりました。彼が75歳の時の本ですね、ぎりぎり「林住期」です。

彼は、25歳から50歳の「家住期」が必死で働き家族を養うが、50歳からは、家族や社会から離れる、もしくは区切りをつけ、次をどう生きていくか考える時期だと言っています。

サラリーマンの場合は、定年が60歳のところが多いので、「林住期」は60歳からでもいいように思いますが、著者がいうには、50歳までは、「必要」にせまられて働いている時期で50歳以降は「興味」本位で何事かをする。今までとは違う昔からやりたっかた事をするということで、転職とかもそれに入るということです。

確かに50歳くらいになると、専業主婦でも子供も20歳くらいになっているので子育てや家事の量はだいぶ減るでしょうし、働いている人は、役職定年の時期だったりして今の仕事に区切りをつける時期でもあります。まあ、芸術家や俳優や政治家や経営者で死ぬまでその仕事をやっている人たちもいますが、それはそれでいいとも思います。

人によって事情は違いますが、生活のためでなく生きることができるのが「林住期」以降だとしています。それは、人生の最も豊かな時期であり、「老後」という概念とは全く違うのであると勇気づけてくれます。

この考え方は納得しますね。「家住期」には平日に一生懸命働き、週末は休息し、また月曜から頑張る人生だったかもしれませんが、「林住期」は、仕事も頑張るけど、週末は、自分のやりたい趣味なども本格的にやり充実した人生にするということなのかなと思います。

定年退職まで「家住期」にした場合は、その後、急に「はい林住期ですよ。頑張って!」とか言われても何をしていいのか迷う人が多いと思いますし、結局、何も見いだせなくなってしまい、あまり楽しいとは言えないような人生を送っている人は多くいます。

なので、60歳ではなく、50歳で働いているうちに、「林住期」に移行して、現在の仕事以外の何かを平行してやるのが、定年退職した後にも問題なく移行できるのではと思います。

私は、妻を亡くした38歳の時に「人生は何のためにあるのだろう」とか考え、それまでは、仕事以外何もしていませんでしたが、マラソン始めたり、油絵描き始めたり、ホームページを作り出したりといろんな事を始めました。

それ以後ずっとそれは趣味になり、週末は、それらをやる忙しい日々になりました。仕事にもいい影響を及ぼしました。

そして、66歳のなった時にリタイヤしましたが、その後は、週末やっていた事が平日にもやれるようになってきて、今まで、時間的制約でできなっかた事をやれるようになってそれはまた充実した人生になっています。

そして、そのことをYouTubeやブログなどで発信することで私の林住期のやり方を広く知らしめたいと思っていて、それが私の「遊行期」になるといいなと思っています。

さて、五木寛之さんですが、「林住期」から10年後の86歳の時に、同じテーマで「白秋期」という本を出されました。

副題も「地図のない明日への旅立ち」ということで、今までの人生50年時代は、それ以上生きれば「余生」といって、その時期は、人生の余ったおまけのようなものだったものから、人生百年になり、今まで人類が経験したことがない長い人生を送るようになり、それをどう送るのかという話です。

白秋期というのは、中国古来の考え方で、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」という人間の一生を自然の移りかわりになぞらえたもので、人生百年に照らし合わせるとインド哲学の「林住期」にあたるのが「白秋期」であり、やはり50~75歳の時期です。秋の収穫期と言い換えてもいいかもしれません。

それに比べて、日本は、還暦・古希・喜寿・傘寿・米寿・卒寿・白寿など、古希の「古来稀なり」に代表されるように、「余生が長くておめでとう」的な感じの言い回しが多いように思います。

この「白秋期」は、先の「林住期」とおなじような主旨なのは、著者がその時期を卒業して10年たっても、この時期は重要だと確信されたからだと思います。

この度、この話をまとめた本を出版しました。是非ご一読くださいませ。




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