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clusterでの活動7か月間を振り返って、1人で始めたのに仲間ができたバーチャルDJライブ

文章を書く、というのはとても孤独な作業です。どんな企画であれ、頭の中身を文章や言葉にすることは1人でしか行なえません。

それが文章の妙であり面白さではありますが、ゆえに、ずっと文章を相手にしてきた人は誰かを巻き込んで何かをするのが苦手な場合が多い(表現媒体として文章を選んでしまうという性格も影響して)。もちろん僕もそう。特に趣味の範囲だと、だいたいのことは自分でこなします。誰かにお願いごとをしたり頼ったりするのが得意でない人も多いと思います。

僕がclusterを使い始めた当初もそういう意識しかなく、誰かを巻き込む、一緒に何かをやるという考えはまったくありませんでした。

ところがまあ、何歳になっても人は変われるもので、3回目となったclusterでのDJライブでは新しく2人にいろいろお願いすることにしました。前回の感想戦の最後に書いた「仲間を増やすフェーズに?」を実行できたわけです。すばらしい、自画自賛。

そんなDJライブは「幸甚亭ライブ "Never too Late"」と題して3月13日に開催。過去一で満足感の高いイベントにできました。どんな雰囲気だったかは、とにかくこの動画を見れくれ。

今回はまたしてもその感想戦をいたしましょう。というか、ライブをきっかけにしたこの7か月の振り返りみたいなイメージ。

この記事がバーチャルSNS(あるいはバーチャル空間、VRSNS)で活動する人の、あるいは興味がある人、何かやってみたい人の後押しになれば幸いです。

記事の後半ではclusterの変遷と収益構造、さらにサービスとしての成長に必要なことについて、僕が次なる目標を定めるためにあれこれ議論しています。むしろこちらが本題。

幸甚亭も7か月、「eスポーツの人」感が薄れてきた

早いもので、僕がclusterに活動の主軸を移して7か月が経ちます。noteとの活動量を比較すると雲泥の差がありはしつつ、気持ちとしてはnote:cluster=4:6くらいです。

※自分の活動を自分で論評するのはめちゃくちゃ面白いので、noteで記事を書いているだけの人にはぜひ何かほかの活動してみることをお勧めします。かのよろずさんもRATELで仕事をしたり、自分のチームを持ったりしてその活動をnoteに書くようになってますよね。

clusterの何がいいかって、僕が「eスポーツのことを書いている人」として認識されないことです。自分としてもその意識がけっこう薄れてきたというか、自己認識が分散してきました。バーチャル空間は自由なので、意識さえ解放できれば何でもできます。

eスポーツの文脈から繋がった人は当然note(happy esports)を読んでくれているので(ありがたくも)謎部えむが「eスポーツのことを書いている人」になってしまうんですが、でも僕は別にeスポーツに関する実際の活動をしてはいなかったので(逆にいまはちょっと関わってるんだけど)、全力でeスポーツに向かっている人と比べるとどうしても熱が一段低いところにいたわけです。

その熱は今後高まる可能性がありうると想定していますが、それはclusterを使い始めたときにうっすら考えていたこととも関連しています。たぶん僕がバーチャルに移住してeスポーツに飽きたと捉えている人も多いのではと思いつつ、そんな浅慮な読者がいるはずがないですよね。詳しくはまだ書く段階にないので、このツイートだけで匂わせておきます。

DJデビューにVRダンスデビューに

さて、僕がclusterで運営している「雑談とカジノで遊ぶバー」こと幸甚亭も、僕の活動期間と同じくオープンして7か月が経ちました。いまも営業日になんとなく集まってなんとなく雑談する感じがメインではありますが、1月からはカジノ運営が始まり、およそ月1のペースでイベントも開催しています。

この3月は、12月、2月に続いてDJライブを開催しました(延べ来場者数は216人)。前2回はDolphiiiinさんにDJを頼みましたが、なんと今回は僕もDJをやりました。

DJデビュー! すごい! DJ Nasobemを名乗れる!

やり方はとても簡単だったので、「誰でも簡単にバーチャルDJになる方法」みたいな記事をそのうち書こうと思います。マジでPCがあれば誰でもできる。clusterはまだDJが活躍する舞台と機会が少ないので、自分でイベントを主催して活動する場としては狙い目です。

さらに、訳あって今回はわりと自由が利いたので、自分の出番が終わったあとにHMDでイベントに入って踊りました。やばい、DJだけでなくVRで踊ったんだって。1年前の自分が聞いたら仰天するだろうな。

テーマをNever too Lateにしたのは3月が卒業シーズンで、でも卒業は新しい始まりでもあるからです。何かを始めるのに遅すぎることなんてない、ということで。これは自分がDJをやろうと決めてから命名しました。

バーチャル空間の価値の1つは、「やりたい」をすぐに行動に移せる、形にできることではないでしょうか。特にアバターを被れば「自分なんて」という気兼ねや臆病さを気にしなくていいんですから。

ダンスアンバサダーとフロアディレクターに超助けられた

では、そんな初めて尽くしのライブはいったいどんなものだったのか!?

まず僕が2時間ほどDJをやって、トリの1時間分をDolphiiiinさんにお任せしました。

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冒頭で貼ったアンコール時の様子を見てもらっていれば、現場の盛り上がりは伝わったかと思います。なんかもうぐちゃぐちゃな感じ。clusterのイベントだと最後に改まって集合写真を撮るのが恒例ですが、そういうのじゃなく、踊りながら終わっていくほうが体験として強いよなと。

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僕の無茶振りに応えて素敵な時間を作ってくれたDJ Dolphiiiinには最大の感謝を捧げながらも、今回はもう2人、ありがとうを伝えなければならない人がいます。ダンスアンバサダーのPOKKYさんと、フロアディレクターの朝月葵さんです。

POKKYさんは以前から率先して踊ってくれていて、前回の記事でも紹介しました。ライブ会場にはステージがあって誰でも適当に上がって踊れるんですが、やはり最初に踊る人がいないと上がりづらいので、ダンスアンバサダーはそういう役回りです。VR逆立ちの役ではないです。

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あと、来てくれた人をステージに誘うのもお願いしました。それで少しでも自由に踊ってもいいんだという空気を作ってもらえたかなと思います(PCとスマホのユーザーはなかなか難しいかもしれませんが)。

右がPOKKYさん、左がハスさん。ハスさんも前のライブから超踊ってくれております。

さらに、POKKYさんは開催日まで積極的にいろんな人に声をかけてくれたようで。そのおかげもあり、VRChatユーザーが何人か遊びに来てくれました。clusterからVRChatへという人の流れはけっこう認識していたんですが、逆の流れもより活発になると面白そうですね。

そして朝月さん。こちらも前回の記事で紹介しましたが、2月から幸甚亭の副店長となり、月曜日の営業を担当してもらっております。ただ、21時の開店時間に間に合ったことがない。なんでや?

そんな朝月さんにはライブ会場のフロアディレクターを任せました。バーチャルライブでフロアディレクターというと何をするのかイメージしにくいかもしれません。簡単に言うと、(幸甚亭ライブでは)会場のパーティクル演出と設定周りが担当です。

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やることとしては地味ですが、かなり重要な存在です。というのも、バーチャル空間のライブはパーティクル演出が会場の雰囲気を作るための最も大事な要素だからです。楽曲に合わせてピカピカさせたり、キラキラさせたり、桜吹雪を降らせたり、しっとりさせたり。

おれたちはもうパーティクルとエフェクトのないライブは「寂しい」と感じてしまうんだ……!

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設定周りも欠かせません。clusterでは「イベント」時に自分のカスタムアバターを他人にも見える形で使いときは特別な権限をもらわねばならず、権限の付与は「イベント」の管理者にしかできません。いろんな人に権限を渡すためには、誰かが張りついて作業しなければならないわけです。

やっぱりカスタムアバターを使わないと楽しさが半減しますからね(特にVRで踊る場合)。会場アナウンスなどほかの細かい仕事もありつつ、いずれも朝月さんが引き受けてくれて死ぬほど助かりました。何度かPCが処理落ちしていましたが。

人を巻き込む難しさと面白さ

冒頭で書いたように、僕にとっては3人を巻き込んだのはわりと未知の世界に冒険するような気持ちでした(Dolphiiiinさんは以前からですが)。

仕事の場なら頼む頼まれるが当たり前なので容易とはいえ、いまのところ(おそらくこれからも)僕にとってclusterはそうではありません。誰かを巻き込むのは簡単ではなく……。

巻き込む責任が生まれますし、お願いするにも双方の関係性が影響します。お互いの考えやモチベーションとのすり合わせも必要で、これらは巻き込みの期間が長ければ長いほど複雑になっていきます(3人は最古参の常連なのでなんとなく"感じ"が分かった)。

でも、1人でできることには、言わずもがな限度があります。ライブに限っても、DJをやってダンスもやって、演出もやって云々というのは絶対に無理でした。だからこそ人手が増えるとやれることが増えます。やれることが増えたらもっと面白いことができるようになります。

今回はお三方の快諾があって、幸いにもこれまで以上に楽しい時間を作れました。イベントページの画像も4人揃って撮影。なんとなく思いついた『ユージュアル・サスペクツ』な感じです。

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もちろん、遊びに来てくれたみんなにも感謝。いつも来てくれる人のほか、ライブだけ来てくれる人、初めて見かける人。最終的に全員でぐちゃぐちゃ空間を作れたのは本当によかったですね。最後にみんなの感想を紹介しておきます。

ここに全部は貼りきれないので、ほかはTwitterで。↓のリンクから、3月13日と14日あたりの期間を見てみてください。最高ですね。

→幸甚亭ライブのツイートを見る

いやー楽しかった!!!! みんなありがとう!!!!!

ちなみに、clusterはJASRACとNexToneの楽曲を利用できるのもよきです(「イベント」ごとに利用楽曲を要登録)。ほんと、楽曲を作ってくれた方々には頭が上がりません。

なお次のDJライブは4月10日(土)の21時からです!

次の目標に実はけっこう悩んでいる

ここからが本題というか。

何事も継続していくと規模拡大やスケーリングが頭にちらついてきます。成長、進歩、発展、まあ言葉は何でもいいんですが、とにかく現状維持では満足できなくなる、現状維持でいいのかと疑問を感じるようになります。

幸甚亭もそれなりに(吹けば消える程度とはいえ)軌道に乗ってきて、「次」を意識せざるをえない段階です。その1つが「仲間」だったんですが、これ1つ取っても方向性はいくつもありえます。

基本的には数字の目標を持つと打ち手が見えるのでやるべきこともはっきりするんですが、僕の大きな目的はオンラインで友達や知り合いを作ることであり、その上限はダンバー数の150人です。150人を超えると様相ががらっと変わり、多人数を一束のグループにするためには制度か信仰が必要になってきます。

かといって、「さあ150人目指してあれをやるぞこれをやろう」みたいに意気込むのもおかしな話。ゆっくりのんびり歩いていけばいいんですよね。ただ、それだけだとやはり面白くないという気持ちもあり、ここが本当に悩ましい。

もしバーチャル空間を前提に幸甚亭を規模拡大させるなら、店舗(ワールド)を増やす、メンバーを増やす、イベントを増やす、交流を増やすといったことが考えられます。わりと容易に思いつきますし、全然できなくはありません。そして着実に規模拡大が進むでしょう。

しかし。知り合いができた、カジノもやった、イベントもDJもダンスもやって、「さあ次は」と言われると戸惑います。もちろんこれまでどおりの活動は続けますが、それ以上の目標をどう作ればいいのか。これは間違いなく、僕が抱いている目的がいまの幸甚亭が立っている状況にふさわしくなくなっているからです。

では目的を変えるべきか。ここが僕のボトルネック。なぜかというと、cluster自体にどこまで未来を見ていいのか、まだ不安に感じているからです。

clusterの変遷と収益構造

資本主義の星に生まれたサービスは成長を余儀なくされています。clusterとてそれは同じ。お客さんを増やし、収益を得ていかなければサービスは終了してしまいます。

clusterはいろいろと主軸事業を変遷してきたそうですが、昨年にイベントプラットフォームからバーチャルSNSへと重心を大きく移動させました。でも、おそらくまだ売上のほとんどがイベントプラットフォーム的な部分に寄っており、バーチャルSNSとしては未完成。

このままTwitterのようにプラットフォームとして興行主や広告主からの売上だけでいくのか、あるいはユーザーからの売上を増やしていくのか。両者をバランスさせることもありえます。Fortniteのようにユーザーの課金をメインにしつつ、興行主や広告主からの収益を副次的なものとして作ることも考えられます。

どうしていくのかは僕には分かりませんが、いくつかの関連記事を読んだところ、clusterはユーザーの課金ないしユーザー間の取引で発生する手数料を収益の柱にしようとしているようです(Roblox的な)。

※ただ、経済的に分散主義の理想を持ちながらも現実には集権主義の構造になっているので、ここからどれだけ分散へ移行していけるかは注目しておくべきです。ユーザーによる経済活動が著しく制限されているのがその最たる例。とはいえまあ、アバターマーケットの試みから分散主義に加速していくでしょう。

であれば、時々のイベントだけに来る人たちも大事ですが、なにより継続的・日常的にclusterを利用するユーザーが絶対に必要です(ユーザーの定着)。

そういうユーザーを増やすための方法として、clusterは1つないし少数の公式が用意したメガワールドにユーザーが集う形式ではなく、ユーザーが誰でも自由にワールドを作れる形式を選びました。器もコンテンツもユーザーに任せると。器とコンテンツを公式が用意しているファイナルファンタジーXIVと比べると、その違いと特徴がはっきりすると思います。

で、この1年はワールドを作るためのツール開発と、先を見据えたスマホ対応に注力。僕がカジノを実装できるくらいですから、それなりのものができあがってきたのではないかと思います。

これはまず器とコンテンツを作りたい人を呼び込み、定着させようという目論見があったからです。簡単に言えば、クリエイター層が器とコンテンツを作らなければ、そこで遊んでくれるプレイヤー層は存在しえないということ(ユーザー=クリエイター層+プレイヤー層)。

cluster社による施策はプレイヤー向けのものがあまりなく、ほとんどがクリエイター向けでした。プレイヤー向け施策は他社主催のイベントに任せきりだったと思います。

そのイベントに来てもらうべく、スマホ対応への注力があったわけです。ただし、他社主催のイベントからclusterに定着するプレイヤーは期待したより多くなかったのではないか、と僕は推測しています。

だって、他社主催のイベントに来る人はそのコンテンツを味わいたいのであり、cluster自体には関心がないからです。そこに何らかの仕掛けがないとclusterに定着することはありません。その仕掛けがあったかどうか……7か月ほど見てきた1人のユーザーとして感想を述べると、ほぼありませんでした。

せっかく大量のユーザー候補(300万人!)が来てくれていたんですから、既存のクリエイターが作ったコンテンツ(ワールド)への導線をしっかり作っておけばよかったのに。

とはいえ、僕のように一部のプレイヤーは定着し、時にクリエイターに身を翻したりしてclusterを楽しんでいます。300万人という数字に比べれば小さいでしょうが、意外と多くの(コア)ユーザーがイベントきっかけでclusterにやってきたのではないでしょうか。

※バーチャルSNSを標榜しているのに他社主催のイベントで動員した(ほとんどが一見の)プレイヤー数を一番に目立たせるのは「ちょっとな~」と思わなくはないです。まあ当面はイベントプラットフォームとして稼ぐしかないですし、バーチャル空間を利用するイベントプラットフォームとしては魅力が多いので、その点では興行主や広告主へのアピールとしてたいへん強力です。僕が担当でも絶対そうします。
※最近は公式による「ワールドプレイイベント」という、ワールドで遊ぶことを主眼としたゆるいイベントが始まりました。いいですね。

clusterの成長に必要なもの

ワールド制作イベントで何百もの(主にゲームができる)ワールドが投稿されるように、クリエイター層はまあまあ分厚くなってきています。

でも、そのワールドを訪れて遊ぶプレイヤー層は薄氷のごとくで、イベントで受賞するようなワールドでも訪問数は1000~2000前後。リピートを考慮すればユニークはもっと少ないはずで、ほかのワールドなら数十や数百が当たり前です。いまのclusterは圧倒的にプレイヤーが少ないんですよね。

なので、とにかくclusterを日常的に利用するプレイヤーを増やしていかなければなりません。それにはもっとクリエイターを増やす必要がありますし、クリエイター(とワールド)をclusterの外に紹介する、訪れたプレイヤーにクリエイター(とワールド)の魅力を伝える、といったことが必要です。

なによりコンテンツの量がものを言います。「ライブ性」がメインのサービスですから、ここでいうコンテンツとは「何かが起きている状況」「何かが起こるかもしれない期待」と、それを生み出す「誰かがいる場」が相当します。

イベントは「何かが起きている状況」のコンテンツです。ゲームや景観を楽しむワールドは「何かが起こるかもしれない期待」のコンテンツです。幸甚亭のような溜まり場ワールドは「誰かがいる場」です。もちろん、イベント、ゲーム・景観ワールド、溜まり場ワールドが別のコンテンツ性を帯びることもしばしば。

人間は一般的に他者と交流したいので、SNSは「誰かがいる場」であることが最も重要です。誰かがいるかもしれないからあそこに行こう。誰かがいれば何か面白いことが起こっているかもしれない。誰かがいれば何か面白いことが起こるかもしれない。そのわくわくを生み出すことが最強の戦術です。

いずれにせよ、これらのコンテンツが常に(少なくとも)数十は存在するようにしなければ、バーチャルSNSとして強くならないと思われます。

そして、それらの状況や場に対して数十~数百人単位で独立したユーザーがついていないといけません。いまのclusterは少ないコアユーザーを各ワールドと各イベント(+公式イベント)で取り合っているというか、シェアし合っている状況です。

そこに新規ユーザーが訪れてもらいたいですし、さらに定着してもらいたいわけですが、それを既存ユーザーだけで実行していくのはなかなか難しい。この部分が僕(幸甚亭)の次の目標になりそうな気配があっていくつか考えているんですが、すぐに動き出せるわけでもなく。

※なんで一ユーザーでしかない僕がcluster全体のことを考えた目標を検討しているのか、それが謎だと思う人もいるかもしれません。個人主義やお気に入りの身内主義で自分と身内だけが得する目標を作ればいいのでは?

これは性分でもあるかもしれませんが、僕がnoteでeスポーツのことをフォロワー数人の頃から何年も書き続けてきたのは、noteでeスポーツの記事を書く人を増やしたかったからです(最初の2年くらいはフォロワー50人くらいだったよ)。noteがeスポーツの記事であふれるようになれば、必然的にeスポーツ業界も絶対に面白くなり、自分の得になるという確信がありました。clusterに対しても同じです。

それと、ユーザーが定着するには上記の3要素が単に存在するだけでなく、ユーザーに対してきちんと導線を作ることが欠かせません。正直に言うと、いまのclusterは(特に新規ユーザーに対する)UXが全然よくないので、というかはっきり悪いので、ここをしっかり改善していってほしいです。

コアユーザーがなぜclusterを継続利用しているのかを分析すると参考になりそうなデータが得られそうですね。1人のユーザーに徹底的にフォーカスして何パターンもカスタマージャーニーマップを作りたいところ。

おそらくcluster社ではそのあたりの定量・定性データがあり、分析と対策がなされていると思います。現状では上記の3要素が物足りず、さらにそれがあると知ってもらう機会が少ないので、ともあれ施策の数を増やしてほしいですね。

これから半年はバーチャルSNSとして勝負のタイミングだと思います。大型イベントの大加速祭2021も3月末に控えており、そこで今後の方向性と意志を示さなければならないはずです(アップデートやロードマップみたいな具体的な部分はもとより、ビジョンやパーパスのようなもっと抽象的な部分も)。

ちなみに大加速祭のスペシャルカンファレンスの1つに登壇します。よろしくお願いします。

次はどうしようかな

僕が現状のclusterに対してどんな認識を持っているか、多少は知ってもらえたのではないかと思います。これを踏まえて、じゃあどうしようかなと。

1つには当然、いまの幸甚亭の営業を続けること。これは存在証明みたいなものですから、欠かせない活動です。DJライブもやりたいですし、カジノもやりたければ、雑談もやりたい。こまめにアップデートしつつ、より多くの人と一緒に何かできるように模索していきます。

その狙いとしては、幸甚亭が「誰かがいる場」で、「何かが起きている状況」かつ「何かが起こるかもしれない期待」を提供できる場所であり続けること。それによって、既存ユーザーがclusterを継続利用する(ささやかな)理由の1つでありたい。そして新規ユーザーの最初のよい体験をしてもらえるようにすることも大事ですね。

それ以外のことについてはここで明言できるほど考えを練れているわけではありません。最初に匂わせたeスポーツとの組み合わせも大きな可能性がありますし、ユーザーがより流動的にclusterを利用するお手伝いができればいいなとも思います。

後者はおそらくワールド運営の考え方と方法を布教することが重要かもしれません。7か月もやっているのに真似する人が出てきていないのは、ひとえに布教不足。そろそろちゃんとその記事も書かないといけませんね。

バーチャルSNSはツイートや記事や動画に比べて、そのコンテンツと体験が濃い、と同時に重い。アプリを立ち上げて、よさげなワールドを探して、誰かいないかと巡って……それでも何もないかもしれない。めちゃくちゃエネルギーと時間を使います。

でも、それはバーチャル身体性が伴っているからこそ。このバーチャル身体性を存分に刺激できる体験を作れるのもまたバーチャルSNSだけ。

ゆえに、バーチャルSNSが持つ数字──例えば訪問数やいいね数は、リツイート数やPVや再生回数・視聴者数などとは比べものにならない重み=価値があると思います。なので、cluster社にはクリエイターとプレイヤー、さらにプラットフォームのお客さん(興行主と広告主)に対して、clusterが持つ価値を適切な指標で表せるようになってほしいと思います。

そうすればより儲けやすくなり、ユーザーにも還元されます。既存SNSと同じ指標で戦っていたら絶対勝てません。

そういう世界が開けてくれば、バーチャルSNSの、clusterの可能性はもっと広がります。僕もさらにいろんなことをしようという気になってきますし、目的と目標を定めやすくなります。

結局どうしていくのかは明示できませんでしたが、またDJライブはやるつもりですし、雑談営業とカジノ営業も続けつつ、もしかしたらほかの形態の営業もやるかもしれませんね、という感じで終わり。

clusterが気になる、自分でも何かやりたい、幸甚亭と一緒にやりたいみたいなことを思った方がいたら、ぜひお声がけください。


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