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ゲームnoteを語る番組「Jiniと謎部のnow reading」でしか出せない脳味噌のゲロ

口頭だとTwitterとかnoteで書かないような話ができるというより、思考があんまり濾過・漂白されずに表に出ていってしまう。

そういう放言を僕は脳味噌のゲロと呼んでいるんですが、テキストを書き慣れてくるとテキストでこいつを吐き出すことができなくなっていくんですよね。つまり、最初の出力からきれいな、読みやすい、分かりやすい文章が自然と出てきてしまうわけです(喋り慣れてる人なら逆でしょう)。それどころか、思考自体が清潔で理路整然としてさえきます。

※ちなみに、脳味噌のゲロを他者が理解できる見目麗しい形に整える仕事が編集です。

あるいは反吐と言ってもいいですが(こう表すと出典を推察できる人もいるでしょう)、理路整然とした表現をする手段のほかにゲロをそのまま吐き出せる手段を持っておくことは、何かものを作ったり表現したりする人にはとても有用です。

※いまnoteで記事を書いていて「うまく書けない」みたいな悩みがある人はむしろ幸いです。うまく書けなかった部分はうまく書けなかったという事実とともに記しておくとよいでしょう。その段階できれいな文章を書こうとしても、できあがるのはきれいな駄文です。書き続ければどうせ慣れてきます。

で、僕は長年テキストを書き続けてきたせいで自分である程度のゲロ処理ができてしまい、よくも悪くも創作を除けばあんまり表現で悩むことがなくなってきました。考えることは多々ありますが、書き始めた頃のようなあてのない荒野を彷徨う感じではなく、ゴールを目指して道標=方法論/経験則に沿って歩く感じ。

だから、脳味噌のゲロをそのまま書き表すのがかえって難しいんですね(それを装って書くことはできますが)。そんな僕にとって、脳味噌のゲロをありのまま吐き出せる手段の1つが話すことです。

で。ここからが本題ですが、ふとしたきっかけにより月1で外向けに話す機会ができました。

12月からnote主催の公式トークライブ「Jiniと謎部のnow reading~おすすめゲームnoteを語りたい~」ってのが始まり、よき縁に恵まれてnoteで多くの読者を持つゲームジャーナリストのJiniさんと2人で出演しております。

noteで公開されているゲームをテーマにした記事を取り上げて、「ここがいい」「こう思う」とあれこれ話す生放送のトーク番組です。すでに2回配信済み(アーカイブ第1回第2回)。次回は2月16日(火)20時からの予定。

note社でゲームカテゴリーを担当するディレクターの須山さんが発案した企画で、noteでゲームの記事を書いている人にもっと書き続けてほしいという想いが込められています。

ほかのラジオ等で話し慣れているJiniさんが進行も兼ねてくれているのでたいへん助かっており、一方で僕は話を振られてもしょっちゅう止まりながら話しています。なんでかというと、端的には、考えを表現するのに適した言葉をすぐ思いつかないからです。

それはもちろん、自分の考えを効率よく最適な表現で話すことに慣れていないってことですね。誰かと話すと「悩みが解決する」「予想外のアイデアを思いつく」とよく言われますしそれは事実で大きなメリットがありますが、僕は話すことで誰かと考えを共有したいとあんまり思わないのと(訊かれたら答える)、口頭で他人の話を理解するのがそれほど得意ではありません。理解できないというより短期には覚えていられないが近い(だから自分のペースだったら不都合なく話せる)。

ということで、この番組のような機会はとてもありがたいわけですが、話し慣れていないから脳味噌のゲロが出てくるわけですよ。他人が容易に理解できるか定かでない難義が入り込んでいる言葉が。

僕が何か言ったあとにJiniさんが説明し直す、解説するケースが多々あるかと思いますが、それはJiniさんが「その表現だと伝わりにくい」と判断して改めて説明してくれているということですね。砕いて話すこともできなくはないんですが、Jiniさんが説明するより時間がかかるので、番組では僕は思いついた言葉をそのまま話しております。

それが通じるのは、幸いなことにJiniさんが書き慣れている人で、書くことに関して相当の理解力を持っているからです。

立場的に言えば、Jiniさんはnoteで何百人かの定期購読者を抱えている、テキストでお金を稼いでいる人です。その目線はどちらかというと生業やシノギに重きを置いているでしょう。逆に僕は記事を書くことを趣味としており、目線はいつも生業やシノギではなく趣味に重きを置く立場です。

さて、ここで生業、趣味、シノギの説明をしておかないといけません。簡単に言えば、稼ぐことは度外視で好きでやっていることが趣味で、趣味でお金も稼げているなら生業で、好きではないけど生活のためにやっている仕事がシノギです。生業とシノギを合わせて仕事と呼びます。

皆さんの活動もだいたいこの3タイプのいずれかに比重が分かれているはず。3つ同時にやっている人もいますし、シノギを複数を持っている人もいれば、趣味とシノギで半々の人もいるでしょう。

上述のように、僕は書くことについて話すとき、基本的に趣味の立場におります。そのため、「記事で稼ぎたい」とか「noteから人気者になりたい」みたいな考えに立脚していません。「数字を求めること」は辛くてたいへんなので、仕事としてやればいいんですよね。僕も仕事ではテキストにまつわるコンテンツを作っており、売上の追求を目的にしています。

※ここで言う数字とは売上や利益そのもの、それらに繋がるさまざまな数字(PV、いいね、フォロワー、チャンネル登録者などなど)のことです。

とはいえ、ゲームnoteのユーザーには記事を書くことから何事かを成したい(仕事=生業やシノギにしたい)と思っている人が(大勢?)いるという現状だと思われます。始めるきっかけは趣味だとしても、そこに「仕事でも」とかすかによぎっているはずです。

だからこそ、Jiniさんの仕事目線と僕の趣味目線はバランスが取れているように感じています。例えば第2回で、Jiniさんがtaitaiさんの読みやすい文章をテーマにした記事を取り上げたとき、Jiniさんは賛同する一方で僕は異を唱えました。

仕事では読みやすい文章(イメージしやすい文章)がいいということに異論はありませんが、趣味で書く記事で別にそんなことを意識する必要はないという意図です。趣味の領域まで仕事の意識で取り組むのはしんどいですから、僕としてはその呪いというか苦しさを和らげたいという狙いがありました。

だからPVの多さより継続していることのほうが尊いと言いますし、顔も名前も知らない人による1PVよりも身近な人の1PVが大事だと言うわけです。1PVの質は仕事でも大切ではありつつ、数字の多さと同時に追い続けるのは簡単ではありません。でも、趣味なら記事が10PVだったとしても、絶対に読んでほしい身近な人に読んでもらえたなら勝ちです(仕事なら目も当てられませんね)。

たまに数字を求めない人に対して「逃げ」だと言い出す人がいますが、趣味の人はそういう競争大好きな人とは同じ土俵で戦っていないだけです。そもそも脳味噌のゲロをテキストに乗せて開陳すること自体が価値ある行為なので、趣味であると言いきるのは逃げでも何でもありません。書くことは数字稼ぎのツールである以前に、よりよく生きるための手段です。

Jiniさんはもともと趣味が高じて生業になった人ですし、僕がこういう立場であることを分かっていると思うので、僕は率直に思いついたことを話しています。しかもほかの場で書くことの話をすることもないため、わりと脳味噌のゲロがそのまま口から出ています(でも気をつけてるよ! ほんとにそのまま出てたら「読みやすい文章っていう価値観自体が……」とか言ってると思う)。

そしてここで、タイトル「noteライブ「Jiniと謎部のnow reading」じゃないと出さない脳味噌のゲロ 」が回収されました。この番組だからこそ、僕はTwitterやnoteではそこまで言及しないことを話せているわけです。

番組では素敵な記事に学びを得つつ、書くことってどういうことなのか、いい記事って何なのか、更新し続けるにはみたいな話もしていますが、今後とも趣味と仕事の両面から「ゲームnoteなるもの」に切り込んでいければいいですね。

なお、この番組はnote公式であり、つまり僕にとって仕事であり、つまり数字を求めなければならず、つまりまだまだ全然視聴者数が少ないんですが、数字を伸ばす任務を負うのは(出演者も協力しつつメインは)プロデューサーです。

オフラインのイベントでやるという話で始まった記憶があり、いま視聴してくれている人全員がすでにnoteで書いたことのある人だと思われるので、そこまで大きな数字を得る必要はないかもしれません。ですが、仕事なので数字はでかいほうがいいですね。今後ともよろしくお願いいたします。次回は2月16日(火)20時からの予定です。

ちなみに、僕は佰食屋の考え方が大好きです。

ちなみに、趣味で書き始めたい/書き続けたいときの方法については↓の「書くこと講座」にまとめています。


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