「海に眠るダイヤモンド」がもっとおもしろくなる軍艦島関連本
2024年秋ドラマ「海に眠るダイヤモンド」にドハマり中の梨の木です。話が進むにつれて、鉄平たちが暮らしていた1950年代の端島についてもっと知りたくなり、関連本を読み漁ったので、参考になったものをいくつかまとめておこうと思います。
「海に眠るダイヤモンド」の世界観にどっぷり浸かりたい方はぜひ読んでみてください!
ドラマの感想文は⇩
写真で見る軍艦島
まずは、鉄平たちが暮らしていた頃の写真がたくさん載っている本から紹介します。
閉山間際の端島では写真が大流行していたようで、当時の生活ぶりがよくわかる写真がたくさん現在に残されています。
特に、軍艦島研究で有名な西山夘三氏の研究レポートをまとめた「軍艦島の生活<1952/1970>: 住宅学者西山夘三の端島住宅調査レポート」(https://amzn.to/3ZzgByr)は、当時の端島での生活がよくわかっておもしろかったです。
ちなみに、人々が暮らしていた頃の島のことを「端島」、閉山後~現在の島のことを「軍艦島」と呼び分けることが多いようです。
また、「軍艦島海上産業都市に住む (ビジュアルブック水辺の生活誌)」(https://amzn.to/4gwCqFU)も、写真が多くて当時の生活をイメージしやすかったです。時代的にも、島の中の雰囲気的にも、これが1番「海に眠るダイヤモンド」の世界観に近いのかなと思いました。
実際に端島で生活していた人の視点で語られる軍艦島
坂本道徳さんは、1966年にご両親と一緒に端島に移り住んだ方です。その後、閉山するまで端島で暮らしていたといいます。
そんな坂本さんは、NPO法人「軍艦島を世界遺産にする会」を設立し、軍艦島の世界遺産登録を働きかけた人物でもあります。
「軍艦島 離島40年 人びとの記憶とこれから」(https://amzn.to/4gzrjvE)に登場する端島は、「海に眠るダイヤモンド」の時代からは少し後ではありますが、閉山間際の端島での生活がよくわかるエピソードがたくさん綴られているので、朝子たちがどんな思いで端島を去ったのかに思いを馳せることができました。
「海に眠るダイヤモンド」の時代の端島の人口は5,000人を超えていたとのことで、そりゃあリナを追って来たヤクザもなかなかリナのこと見つけられないよなと思いました。あんなに狭い島なのによく隠れられ続けたなと思っていましたが、人が多すぎたから見つからなかったのかと改めて納得です。
端島で営業していた食堂の話も出てくるので、このどちらかが朝子の実家のモデルなのかな、などと想像も膨らみました。
ただ、坂本さんは端島のことが好きで、端島で育ったことを誇りに思っている人ですが、実際はそんな人ばかりではないという実情もあるようです。
この本には、端島のことは好きではなかったという女性や、端島出身であることを隠して生きてきた人の話も載っていました。どうして端島が好きではないのか、端島で育ったことを隠さないといけないのか、もっと詳しく知りたいと思ったし、そういった人の視点から語られる端島も見てみたいと思いました。
最後に
端島のことをよく知ったことで、「海に眠るダイヤモンド」をもっと楽しめそうです。まだまだ知らないことや気になる点は尽きないので、これからもドラマ視聴と並行して端島調査も続けていこうと思っています。
いつか、軍艦島クルーズにも参加してみたいですね。
来年で端島が無人島になって50年になります。端島での暮らしを知る人たちがこれからどんどん減っていくのは間違いなく、生の声を聞くのは今のうちなのかもしれません。