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【ファンタスティックビーストシリーズ】ユニークな魔法動物たちが魅力的な一大ファンタジー

ハリー・ポッターシリーズを全部読んでしまったら次はやはり「ファンタスティックビースト」でしょう!ということで、ファンタスティックビーストシリーズの感想も書いていこうと思います。

「ファンタスティックビースト」は1920年代を舞台にした話で、これはハリーが生まれる60年くらい前のこと。ギリギリヴォルデモートが生まれているかいないかという時代で、闇の魔法使いとしてはゲラート・グリンデルバルドが覇権を握っていました。

そして主人公はハリーたちが魔法生物飼育学の授業で使っていた教科書「幻の動物とその生息地」の著者のニュート・スキャマンダーです。ハリーとはまた違った魅力がある人物で、学生のハリーが主人公のハリー・ポッターシリーズでは描けなかった大人の魔法界を思う存分見せてくれます。

何より魅力的なのが魔法動物たち!すっかり「ファンタスティックビースト」シリーズのマスコットとなっているニフラーとボウトラックルはハリー・ポッターシリーズにも登場しますが、実写で見るとそのかわいさは段違いです。

あとイギリスだけでなくいろんな国の魔法省が登場するのも魅力。3作目までの時点でアメリカ、フランス、ドイツが登場していますが、国によって雰囲気が違うのがおもしろいです。

ここからは「賢者の石」から「死の秘宝」までの小説と映画、「呪いの子」の脚本、「ファンタスティックビースト」シリーズの映画に関するネタバレがあります。未読、未視聴の人はご注意ください!

「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」

ファンタビシリーズ1作目はニュート・スキャマンダーと魔法動物がたくさん出てくるまさにファンタジー!な映画で、ニュートのトランクの中で幸せそうに暮らしている魔法動物たちに癒されます。

1920年代のアメリカでは魔法使いとマグルとの接触は厳しく禁止されていて、結婚はもちろん恋人になることも友人になることも許されていません。魔法界のことを知ってしまったマグルは即オブリビエイト(忘却呪文)!されてしまうのです。ちなみにアメリカではマグルはノーマジと呼ばれています。

そんな世界でニュートが出会ったアメリカ人のジェイコブ・コワルスキーという男がすごく魅力的なんですよ!ユーモラスでまっすぐなジェイコブに、私は一瞬で虜になってしまいました。

初めて屋敷しもべ妖精を見たジェイコブが「屋敷しもべ妖精を見たことがないのか?」と聞かれて「あ……いやまさか。あるよ。屋敷しもべは大好きだ。俺の叔父も屋敷しもべだった」と返すシーンが大好きで、何度見ても笑ってしまいます。

そんなジェイコブも最後はオブリビエイトされてしまうんですよ…。悲しい…。でもジェイコブの記憶は消えませんでした。なぜなら使ったのが忘却呪文ではなく嫌な思い出を消してくれるというスク―ピング・イーグルの毒だったからです!スク―ピング・イーグルは映画の冒頭で登場する魔法動物ですが、それがまさかこんな形で伏線回収されるとは。感動で震えました。

ちなみに、映画のラストでニュートがティナに「本が出来たら届けに来るよ」と言っていた本は実際に出版されています⇩

Amazonプライムで配信されている「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」には最後に特典映像が入っていて、魔法の演出や魔法動物のデザインに対するこだわりが語られています。これだけで2時間は見ていられるくらい美しい裏方映像なので、ぜひエンドロールで映像をストップせずに最後まで観てみてください。

「ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生」

ファンタビ2作目はアメリカで捕らえられているグリンデルバルドが脱走するところから話が始まります。グリンデルバルドが勢力を拡大し、魔法界に混乱を巻き起こしていくくだりが描かれているので、全体としてはちょっと暗め。ニュートの初恋の人も登場します。

1作目ではニュートのトランクの中で暮らす魔法動物に癒されましたが、2作目ではニュートの家で暮らす魔法動物たちにほっこりしました。なんせ家が!でかい!

そして若き日のダンブルドアも登場。若いといっても45歳ですが。このあたりからハリー・ポッターシリーズにつながる話が色々と出てきておもしろいです。

ちなみにこの時期にもホグワーツにミネルバ・マクゴナガルという先生がいるのですが、この人はマクゴナガル先生のお母さんとかですかね?マクゴナガル先生は「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」でアンブリッジから視察を受けた際に「ホグワーツで教え始めて39年」と言っていたので、1927年にはまだホグワーツにはいないはず。というかもしかしたらまだ生まれてもいないかも?という感じなので、親族の誰かな気がします。イギリスでは息子に父親と同じ名前をつけることがあるように、娘に母親と同じ名前をつけることもあるんですかね?

ちなみにこの時期のホグワーツには、ハリー・ポッターシリーズに登場するキャラと同じ名字の子どもも出てきたりするのがおもしろいです。イギリスの魔法使いは代々ホグワーツで魔法を学ぶんだなというのがよくわかります。

逆に、グリンデルバルドの配下の者達には死喰い人デス・イーターの中にいた名前もチラホラいるようです。闇の魔術に魅せられる一族というのは代々その資質を引き継いでいってしまうものなのでしょうか。

ニュートとティナの進展しそうでしないもどかしい関係も気になります。人間よりも動物といる方が楽だというニュート。久しぶりにティナと会っても目も合わせられないところがかわいいです。俳優さんの演技がとても上手だと思いました。

一方ニュートの初恋の人であるリタは、なんとレストレンジ家の人間でした!レストレンジ家って元をたどるとフランスの純血家系なんですね。そんなリタが最後に残した「愛してる」という言葉は、ニュートに言ったものなのか、それともニュートの兄のテセウスに言ったものなのか、そこが気になりました。

「ファンタスティックビーストと黒い魔法使いの誕生」も、Amazonプライム配信版には特別映像がついています。日本での舞台挨拶の様子をまとめたもので、ティナ役の女優さんがとてもかわいいのでぜひ観てみてください!

「ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密」

私がファンタビシリーズで1番好きなのが3作目のダンブルドアの秘密です。というかハリポタファンとしてはツッコミたい部分がありすぎて!

そもそもダンブルドアという人物についてはハリー・ポッターシリーズではほとんど明かされていません。「ハリー・ポッターと死の秘宝」で初めてダンブルドアの過去が少し出てきますが、それもリータ・スキーターという嘘ばかり書く記者による伝記で語られている内容がほとんどで、どこまで本当かわからないレベル。しかもダンブルドア本人はすでに死んでいるので真偽の確認もできませんでした。

ちなみにこのリータ・スキーターはニュート・スキャマンダーの伝記も出していますが、それも嘘ばかりのようです。タイトルは「人か魔物か?ニュート・スキャマンダーの真実」。

そんなミステリアスなダンブルドアの過去が明かされているのがこの「ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密」なんです!ファンタビ1作目も2作目も観てないというハリポタファンに言いたい。3作目だけでも観て!

ファンタジー好きとしてもうひとつテンションが上がったのが、今回出てくる魔法動物が麒麟だということです。小野不由美の「十二国記」でも神秘的な生き物として描かれていたこの麒麟が物語の中で重要な役割を果たします。麒麟って世界的に有名な存在なんでしょうか。「十二国記」で使われているのと同じような設定で登場するのが興味深かったです。

あと「ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密」のシナリオ本は前の2作よりもさらにパワーアップしていて、設定画やキャストのコメントも入っているのが素敵です。

グリンデルバルドとダンブルドアが恋人関係だったというのも衝撃ですが、ダンブルドアよりもグリンデルバルドの方がその関係に執着しているように見えるのも意外です。2人ともずば抜けた才能を持つ魔法使いなので、特別な才能を持つ者特有の孤独や悩みを共有できるのはお互いだけだったのかもしれません。そして、グリンデルバルドは、そんなダンブルドアに捨てられたことが受け入れられなかったのかもしれません。

グリンデルバルドにとって自分を愛してくれるのはダンブルドアだけだし、ダンブルドアにとっても彼のことを理解できるのは自分だけだと思っているかのようなラストのセリフが胸にしみました。

実際、ダンブルドアに破れ、ヌルメンガード城に幽閉されたグリンデルバルドは、晩年は自分のしたことを悔いていたといいます。だからこそヴォルデモートにニワトコの杖の在処を言わなかったし、ダンブルドアの墓を汚すようなことは許さなかったのではないでしょうか。ダンブルドアの死を知ってからヴォルデモートに殺されるまでの間、グランデルバルドがどんな思いで過ごしていたんだろうと思うといろいろ考えてしまいます。

2代目グリンデルバルド役のマッツ・ミケルセンも言っていますが、グリンデルバルドは愛を知っている分ヴォルデモートよりも人間味があって好きです。

最後に

ハリー・ポッターシリーズとはまた違ったおもしろさがあるファンタスティックビーストシリーズ。全5部作の予定だそうですが、続編の制作はストップしているという話も聞くので心配です。

これからダンブルドアとグリンデルバルドの戦いが苛烈化し、伝説の1945年の決戦につながるはずなんです。そしてニュートとティナは結婚するはずなんです。気になる伏線もたくさんあるので、ぜひとも4作目も5作目も作ってもらいたいです。

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「ハリー・ポッター」シリーズの小説はサイズ違い、デザイン違いで複数出版されています⇩

最終巻のその後を知りたい人はぜひ「ハリー・ポッターと呪いの子」を読んでください⇩

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