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【ある閉ざされた雪の山荘で】上手くエンタメ化されたミステリの名作※ネタバレあり

豪華俳優陣に釣られて観に行ってきました「ある閉ざされた雪の山荘で」。出演しているのが好きな俳優ばかりだったので始まりから終わりまでずっと楽しかったです。

ここからはトリックや犯人も含めて結末までのネタバレがあるので、まだ観ていない人はお気をつけて!

初っ端から犯人の話をしてしまいますが、もう間宮祥太朗がずっと怪しいんですよ。明らかに全員を最終日まで引き留めようとしているし、何かを隠しているのが明らか。これみよがしに過去の劇団の写真を眺めていたりもして、これは間宮やってんなぁと思いました。

また、次々に人が死んでいくんじゃなくて、殺された人は消えていくというところがおもしろかったです。これはトリックに繋がってないと設定として勿体無いなと思ってたのでちゃんと回収されてホッとしました。

ただ、回収されないままの謎はいくつかあって、ひとつは西野七瀬の殺害設定が撲殺だったのに、間宮はどうして斬殺現場のような血糊を壁に散らしたのか?(実際にやったのは間宮じゃないけど準備と指示をしたのは間宮なので間宮ということにします)ということ。

また、結局、最終オーディション自体はフェイクだったということなんでしょうか?でもそれなら、最後にやってた舞台がまんま現実と同じなのはどうして?個人的には、東郷先生は東郷先生で全ての映像を見ていて、全部踏まえた上で雅美が1番主役の器だと判断していたらおもしろいなと思っています。

あとこれは完全にメタ的な視点になってしまうのですが、今回のクローズドサークルはいざとなれば逃げられる状況だったのに、誰も最後まで逃げないのが怖かったです。台本に沿って動いていた戸塚純貴はまだしも、岡山天音と中条あやみは本気で人が殺されてると思ってたのにもう一晩泊まろうとしてるの狂ってませんか?芝居より命!芝居より命だよ!

そしてめちゃくちゃ偏見ですが、売れてない俳優ほど自分のこと役者って言うし、演技のこと芝居っていうイメージがあります。これはめちゃくちゃ偏見です。

トリックとは関係ないけど、体を使って役をもらった女優が卑怯だと責められるのってなんでなんでしょうね。卑怯なのは真っ当なやり方で配役を決めていない演出家の方では?と思うんですが、なぜかいつも枕営業で責められるのは女性側なのが不思議です。

ちなみに原作の小説とはだいぶ内容が違うなという印象だったので、本格ミステリを求めている人は小説の方がおすすめです。エンタメ志向の人は映画の方が楽しめるかも。個人的には映画の方が好きだったので、原作通りではないからといっておもしろくないというわけではないです。特に登場人物のキャラは映画の方が好感度高いです。小説はもっと感じ悪いんですよね。特に主人公が。

どっちも気になるよ!という人は先に映画を観てから小説を読むのがいいかなと思います。小説の登場人物たちをイメージして観に行くと解釈違いを起こす可能性大なので。

原作小説は映画公開に合わせて新たに重版もされたようで、最新版はなんと105刷目!ベストセラーすぎますね。解説が同じくミステリ界の重鎮である法月綸太郎なのもすごいです。


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