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📘 企業文化の学び。【奇跡の会社】読書感想

奇跡の会社とは、フロリダの清掃サービス会社「スチューデント・メイト」のことです。フロリダ地域の一中小企業がなぜそう呼ばれているのか。本書から企業文化の難しさと重要性の学びがありました。

清掃サービス会社に入りたいでしょうか? お掃除って大学生がしたい仕事でしょうか? 悪臭が漂う最悪の仕事かもしれません。誰でも想像できるつらい仕事です。しかもこの業界は、低賃金、低定着率(離職率75%)で知られ。最高の仕事をしても、目移りしてしまう移り気なクラインアントが多い・・・著者が「最悪なビジネスモデル」と呼ぶこの業界にあって、急成長しているのが「スチューデント・メイド」です。その成長の舞台裏を明かします。

著者は最高の採用をして誰ひとり辞めてほしくないと願う若い経営者です。彼女の成長物語(多くは失敗談)を通じて、「失敗を糧にすることで人間として成長する」という自身の価値観を社員全員(圧倒的に大学生アルバイト)で共有するための、試行錯誤と教訓が描かれた全米話題の書です。

起業が特別ではないミレニアル世代(日本のゆとり世代にほぼ相当)にとって、誰もが第2のマーク・ザッカーバーグになりたいわけではありません。著者も自分の目が届かない規模に成長することへの不安がつきまとい、悩みながら拡大しては、手痛い失敗も経験していきます。会社のカルチャーを大事にすることと、経営者も従業員も顧客もハッピーになることを、成長より優先すべきと学びます。本書には、起業と成長のための小さなヒントがたくさんあります。

【奇跡の会社】Amazon解説より

スチューデント・メイト社は数々の失敗から、企業文化を守るためのコアバリューを企業文化の「門番」として設けています。

1.道徳心を忘れない
2.パンチをかわす
3.火の輪をくぐる
4.責任を全うする
5.礼を重んじる
6.当事者になる
7.創造性のドラゴンを解き放つ
8.ペイ・イット・フォワード
9.今声を上げるか、一生黙っているか
10.志を高く

クリステン・ハディード 奇跡の会社 p.183~p.184

本書は失敗が多くのっています。失敗をどう活かしてきたか、そんなストーリーが数多くのっています。コアバリューをつくったからといって終わりではありません。コアバリュー、企業文化をどう守っていくか。その難しさが多くのっています。しかしそれを守るコトの価値も感じることができます。

本書で特に感銘をうけたものが「仕事をみじめなものにする3つの要因」です。

仕事をみじめなものにする3つの要因
①無評価
(自分のパフォーマンスを具体的な形で直接評価する方法がない)
②匿名性
(自分の貢献がリーダーに認められている、自分がリーダーに理解されている、と感じる機会がない)
③無関係
(自分の仕事がどのような違いをもたらしているのか、なぜ重要なのかがわからない)

クリステン・ハディード 奇跡の会社 p.135

半日かけて穴を掘り、半日かけてその穴をうめる。何の意味もない単純作業を延々とやらされると人は発狂するそうです。意味があいまいな業務はたくさんあります。ほっておくと無評価、匿名性、無関係になりはてることがあります。管理職は部下のモチベーション云々を考える前に、みじめな仕事をさせていないか、みじめな仕事を放置していないかを考えることをおすすめします。

本書にはいろいろな失敗談(ヒント)がのっています。「最悪のビジネスモデル」と呼ばれる業界の中、企業文化について学び、考えてみてはいかがでしょうか。

お読みくださりありがとうございます。

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