人事総務で一番大事な能力とは。
「不正をしない」ことです。
能力と書いたのは、不正をするかしないかは「選択」であるからです。自分だけ得をしたい、自分だけ評価されたい、そう思ってしまうことは仕方がないこととしましょう。そんな気持ちはあっても当然です。しかしそれを選択するかしないかは自分自身の能力です。
「不正をしない、そんなことはあたりまえだ」と感じているかもしれません。ですが、これが案外難しいことなのです。
まず、不正の定義です。
組織には特徴があります。
面接で経営者のタイプを問われた際に「ワンマン」「カリスマ」「リーダーシップが強い」、どういう表現を使っていますか。残業時間についてはどうでしょう。職場の雰囲気を問われた時、「アットホーム」なんていうのもあります。
(嘘ではない)というギリギリの表現で取り繕っていませんでしょうか。嘘ではないのでしょう。でもそれが「不正ではない」と胸を張れますか。
本社は見栄えが良いほうがいいです。でも本社だけ、会議室だけ、自部署だけ優先的に見栄えを良くしていくことに、「不正ではない」と云いきれますか。
経営者、声が大きい人は面倒です。性格的に面倒か、パワーや実績があります。その人の意見を優先的に聞くことは、「不正ではない」と従業員に説明できますか。
人事が脚色しないと採用が難しく、総務が忖度をしないと組織が回らない、そんなことは案外多いのです。
「2:6:2の法則」というものがあります。
共感できることも多いと思います。しかしグラデーションはありますし、何をもってパフォーマンスとするかにより、意味合いは大きく変わります。参考程度に留めておくほうがいいと感じます。
話が逸れました。閑話休題。
人事研修で「中間の6割は不正に敏感であり、不正をしたら信頼は潰える」ということに感銘を受けました。中間6割は大きく声を挙げないかもしれません。しかししっかり見ています。
人事総務が不正としている、嘘をいっている。6割がそう思う。それでも組織は崩壊には至らないかもしれません。
ですが成長する、変化に対応することが難しくなります。
人事が嘘を言わないと採用ができない会社、総務が忖度をしないとまわらない会社、多数あると思います。「誠実」であるほうが望ましいかもしれません。しかしそれは稀有な才能ではないでしょうか。
「不正をしない」。
不正の気持ちは仕方ないとして、それを「選択」するのは自分自身です。
人事総務における、その能力は組織の基礎となりえます。縁の下の力持ちという表現も正確ではありませんが、縁の下が腐っていたら、その上に何を築いても、いずれ崩壊します。そのため「不正をしない」能力を一番と考えています。(一番は一つとは限りませんが……)。
そうは言っても……。同感です。
まずは「不正」に敏感となってください。
(これくらいなら……)は危ないです。心理的ハードルはどんどん下がります。
そしてゆくゆくは「不正をしない」ように、頑張っていただけたら幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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