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人事総務で一番大事な能力とは。

不正をしない」ことです。
能力と書いたのは、不正をするかしないかは「選択」であるからです。自分だけ得をしたい、自分だけ評価されたい、そう思ってしまうことは仕方がないこととしましょう。そんな気持ちはあっても当然です。しかしそれを選択するかしないかは自分自身の能力です。

「不正をしない、そんなことはあたりまえだ」と感じているかもしれません。ですが、これが案外難しいことなのです。

まず、不正の定義です。

不正
① 正しくないこと。正当でないこと。正義でないこと。また、その行ないやさま。よこしま。ふしょう。
② きちんとしていないこと。ふぞろいであること。形などがゆがんでいること。また、そのさま。不整。ふしょう。

精選版 日本国語大辞典

組織には特徴があります。
面接で経営者のタイプを問われた際に「ワンマン」「カリスマ」「リーダーシップが強い」、どういう表現を使っていますか。残業時間についてはどうでしょう。職場の雰囲気を問われた時、「アットホーム」なんていうのもあります。
(嘘ではない)というギリギリの表現で取り繕っていませんでしょうか。嘘ではないのでしょう。でもそれが「不正ではない」と胸を張れますか。

本社は見栄えが良いほうがいいです。でも本社だけ、会議室だけ、自部署だけ優先的に見栄えを良くしていくことに、「不正ではない」と云いきれますか。

経営者、声が大きい人は面倒です。性格的に面倒か、パワーや実績があります。その人の意見を優先的に聞くことは、「不正ではない」と従業員に説明できますか。

人事が脚色しないと採用が難しく、総務が忖度をしないと組織が回らない、そんなことは案外多いのです。

「2:6:2の法則」というものがあります。

「2:6:2の法則」は、ビジネスや組織管理においてしばしば言及される法則で、通常、パフォーマンスや成果の分布に関するものであるとされています。この法則の具体的な意味は以下の通りです

上位2割:このグループは、最も優れたパフォーマンスを発揮する人々を指します。組織内で特に高い成果を上げ、リーダーシップを発揮し、会社に大きな利益をもたらす存在です。
中間6割:このグループは、平均的なパフォーマンスを示す人々を指します。彼らは日々の業務をこなしており、組織の安定と持続性を支える中心的な存在です。特に目立つ成果はないかもしれませんが、組織の大多数を占めるため、全体の業績に大きな影響を与えます。
下位2割:このグループは、パフォーマンスが低い人々を指します。さまざまな理由で期待される成果を上げられず、場合によっては組織にとって負担となることもあります。

chatGPTより

共感できることも多いと思います。しかしグラデーションはありますし、何をもってパフォーマンスとするかにより、意味合いは大きく変わります。参考程度に留めておくほうがいいと感じます。

話が逸れました。閑話休題。
人事研修で「中間の6割は不正に敏感であり、不正をしたら信頼は潰える」ということに感銘を受けました。中間6割は大きく声を挙げないかもしれません。しかししっかり見ています。
人事総務が不正としている、嘘をいっている。6割がそう思う。それでも組織は崩壊には至らないかもしれません。
ですが成長する、変化に対応することが難しくなります。

人事が嘘を言わないと採用ができない会社、総務が忖度をしないとまわらない会社、多数あると思います。「誠実」であるほうが望ましいかもしれません。しかしそれは稀有な才能ではないでしょうか。

「不正をしない」。
不正の気持ちは仕方ないとして、それを「選択」するのは自分自身です。
人事総務における、その能力は組織の基礎となりえます。縁の下の力持ちという表現も正確ではありませんが、縁の下が腐っていたら、その上に何を築いても、いずれ崩壊します。そのため「不正をしない」能力を一番と考えています。(一番は一つとは限りませんが……)。

そうは言っても……。同感です。
まずは「不正」に敏感となってください。
(これくらいなら……)は危ないです。心理的ハードルはどんどん下がります。
そしてゆくゆくは「不正をしない」ように、頑張っていただけたら幸いです。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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